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足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

クレー「Connected to the Stars」

両手を広げて天をあおぐ人々。そのうえには星がきらきらと輝いています。強い光をはなつ無数の星々ですが、それらよりももっと明るく描かれているのは人々の胸の中心なんですね。流れ星を見たときに、人の心はこんなふうに歓び輝くのでしょう。 Connected to the Stars(1923) Paul Kleeふたご座流星群、見えましたか?会社からの帰り道、夜空を見上げたらオリオン座の左肩、ペテルギウスの近くを小さな光がかけていきました。...
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クレー「魚たちのまじない」

芸術の本質は見えるものをそのまま再現するのではなく見えるようにすることにある。Fish Magic(1925)Paul Kleeパウル・クレー「魚たちのまじない」。暗い水底を泳ぐ魚たち、と思いきや花が咲いていたり時計が置いてあったり人物らしきシルエットがあったり。呪術的な、不思議な世界です。はっきりいって、こんな世界はありえない。見ようと思っても見えるものではない。けれどクレーは、この世界を「見えるように」したわけです...
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パウル・クレー「蛾の踊り」と中原中也「朝の歌」

子どもの落書きのような、いかにもパウル・クレーな絵。でもじっと見つめていると、なぜだか哀しくなってくるのです。Dance of the Moth(1923)Paul Klee愛知県美術館所蔵、パウル・クレーの「蛾の踊り」。踊りというにはあまりにも不自由で、見えざる力にがんじがらめにされているような印象です。胸には矢が突き刺さり、下方に伸びる幾本もの矢印は彼女の飛翔を妨げるようであり、それにあらがうように彼女は細かく羽根を震わせ...
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