
マドンナ(大原美術館特集 5)
マドンナと呼ぶには、あまりにも退廃的でどこか愁いの漂う作品。大原美術館特集第5回は、エドヴァルド・ムンクの「マドンナ」です。Madonna(1895-1902)Edvard Munch左下に胎児、周りには精子。中央には苦悶とも恍惚とも取れる表情の、影のある若い女性。「マドンナ」のモデルとなったのは、ムンクが当時思いを寄せていたダグニー・ユールといわれています。ダグニーはファム・ファタールと呼ぶにふさわしい、恋多き女。そしてム...

万有は死に帰す、されど神の愛は万有をして蘇らしめん(大原美術館特集 4)
劫火に焼かれ、死に絶える人々。眠りから覚め、息を吹き返す人々。そして神のもと、この世の春を謳歌する人々。9枚で1セットのこの大作には、とにかく数えきれないほどの人が描かれています。その迫力と威容たるや……。All Things Die, But All Will Be Resurrected Through God's Love(1893-1918)Leon Frederic※クリックすると拡大してご覧いただけます。ベルギー象徴主義の画家、レオン・フレデリック作、「万有は死に帰す、さ...

受胎告知(大原美術館特集 3)
岡山に行ったら、ぜひ見ておきたい一枚。エル・グレコの「受胎告知」です。これを見られただけでも、今回の旅は大正解だったかなぁと。Annunciation(1590-1603)El Grecoよく言われることですが、エル・グレコの宗教画って独特のねじれや色使いがちょっと気持ち悪いんですよね。歪んだ鏡に映った世界のような、そんな雰囲気で。「トレド眺望」なんて、極端にもほどがある。ただ、それがエル・グレコが唯一無二の画家である所以な...
該当の記事は見つかりませんでした。