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足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

奥田元宋「松島暮色」

雪はもうやんでしまったのでしょう。波ひとつない海のおもてに白化粧の樹々がうつり、果実のような夕陽が沈んでいきます。樹雪は淡いむらさきを帯び、静かな静かな風景が暮色に染まる——。日本三景のひとつ、松島を描いた奥田元宋の「松島暮色」という作品です。 Matsushima Twilight(1976) Okuda Gensou滅多に雪が降らない松島ですが、偶然この地で雪景色と巡り会った奥田元宋は「一期一会のよろこび」と語り、幻想的な奇跡の...
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山川秀峰「婦女四題」

前回に引き続き、大正ロマンな一枚を。深水の「対鏡」とよく似た構図ですが、こちらは楚々とした正統派美人。山川秀峰「婦女四題」より、「赤い襟」という作品です。 Women in Four Settings: Red Neckband(1927) Yamakawa Shuho山川秀峰は伊東深水、寺島紫明とともに鏑木清方に学んだ三羽烏のひとり。彼もまた、美人画を得意とした画家でした。「婦女四題」はその名のとおり、4つの季節・シチュエーションで女性を描いた傑作...
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柴田是真「月薄鈴虫蒔絵額」(ZESHINより)

秋の夜。崖の向こうに顔をのぞかせた銀の月。夜露が月光をうけとめて、そこかしこで煌めいています。目をこらせば、光のなかと闇のなかにそれぞれ鈴虫の姿が見えますね。柴田是真「月薄鈴虫蒔絵額」。根津美術館の「ZESHIN」で展示されていた作品です。 Crickets on Pampas Grass under the Moon(1877) Shibata Zeshin黒蝋色塗のうえに銀蒔絵の満月を配し、薄と鈴虫は黒蒔絵で表現。露も銀蒔絵であらわし、冷たく澄んだ夜の世...
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奥田元宋「奥入瀬(秋)」と、乙川優三郎「安穏河原」

紅葉が燃える、秋の渓流。まるで別世界にまよいこんだような美しさです。奥田元宋「奥入瀬(秋)」。以前ご紹介した「奥入瀬(春)」と対をなす、清らかな瀬音が聞こえてきそうな一枚です。Oirase-Autumn(1983)Okuda Genso今日、乙川優三郎の「生きる」を読みました。「生きる」「安穏河原」「早梅記」の3編からなる作品で、第127回直木賞に選ばれた傑作です。3編のなかで、特にぼくが心ひかれたのが「安穏河原」でした。物語は...
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菱田春草「秋の夜美人」

秋の夜、着物の女性を思いつつ。菱田春草「秋の夜美人」。いいなぁ、この雰囲気。今日は仕事が夜の11時ごろに終わったんですが、外に出てみたらいつのまにか雨がやんで星が出ていて、ちょっと湿った涼しい風がすっかり秋の心地でした。雨上がりの秋の夜って、雰囲気がすごく好き。なんだか微かにいいニオイがしてあるく足音や車がはしる音もちょっとやさしく感じます。耳をすませば虫の声も聞こえてきたりして、しずかでしんみりし...
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