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足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

カルロ・ドルチ「受胎告知」

古今東西、聖書の「受胎告知」をテーマにした作品は多いけどカルロ・ドルチのこの対作品はとても甘やかで、優しくて、敬虔でなんだか慎み深い気持ちにさせられます。 左は「受胎告知 天使」、右は「受胎告知 聖母」。みごもったよ! おめでとう! ぱんぱかぱーん!みたいな一方的な感じじゃなくて、後に起こるあらゆる災難をこの天使(ガブリエル)は知っていてその痛みを分かち合おうとしているかのようで。国立西洋美術館にカ...
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モロー「ピエタ」

十字架からおろされた、キリストの亡骸。その死を嘆き、寄り添う聖母マリア。暗緑色の画面のなかで、聖母子のからだは光をおびて厳かな情景を際立たせています。ギュスターヴ・モロー「ピエタ」。三菱一号館美術館で開催中のルドン展より。Pietà(1854)Gustave Moreau国立西洋美術館にもモローの「ピエタ」が展示されていますが、そちらはいかにもモロー的な、静かに燃える宝石のような色彩が印象的。聖母は幼子を抱くように...
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ゴヤ「無原罪のお宿り」

グロテスクで思わず目を背けたくなるような作品が並ぶゴヤ展で、この作品は一際異彩を放っていました。張りつめていた気持ちがゆるゆるほどけていくような。ゴヤ「無原罪のお宿り」。信仰心のない自分でも、こうべを垂れる気持ちになる一枚でした。Immaculate Conception(1783-84)Francisco de Goya左側の天使が手にしているのは、純潔をあらわす白百合。そのすぐ近くには、原罪を意味する林檎をくわえた蛇の姿も。天上では大い...
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マドンナ(大原美術館特集 5)

マドンナと呼ぶには、あまりにも退廃的でどこか愁いの漂う作品。大原美術館特集第5回は、エドヴァルド・ムンクの「マドンナ」です。Madonna(1895-1902)Edvard Munch左下に胎児、周りには精子。中央には苦悶とも恍惚とも取れる表情の、影のある若い女性。「マドンナ」のモデルとなったのは、ムンクが当時思いを寄せていたダグニー・ユールといわれています。ダグニーはファム・ファタールと呼ぶにふさわしい、恋多き女。そしてム...
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