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足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

ユトリロ「青い花瓶の花束」

日本橋高島屋のユトリロ展、風景画にまじってこんな静物画も展示されていました。「青い花瓶の花束」という作品です。Bouquet de fleurs dans un vase bleu(1936)Maurice Utrilloユトリロは1920年、37歳ごろから花の静物画を描くようになります。後にユトリロの妻となるリュシー・ヴァロール夫人に贈ったのがその最初で、1935年、夫に先立たれたリュシーと結婚してからはたびたび花の絵を描いてはリュシーに捧げたのだとか。「青...
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クリムト「アッター湖畔」(クリムト展より)

クリムトというと黄金に彩られた官能的な人物画を思い浮かべますが生涯で手がけた200点あまりの油彩のうち、実は4分の1を風景画が占めています。分離派の会長としての責務に追われ、思うように筆を握れぬ苛立のなかでいつしか手がけるようになった風景画は、自然回帰願望もあいまってクリムトにとって重要なテーマになっていきます。 On Lake Attersee(1900) Gustav Klimtグスタフ・クリムト「アッター湖畔」。宇都宮美術館の...
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高橋由一「芝浦夕陽」

東京藝術大学大学美術館の「高橋由一展」。なんといっても注目は3枚の「鮭」なんですけど、個人的に心ひかれたのは風景画のほうでした。由一が描く夕景は、そりゃあもうロマンチックで。 The Setting Sun at Shibaura(1877) Takahashi Yuichiこちらは高橋由一「芝浦夕陽」。2年前に府中市美術館の企画展「バルビゾンからの贈りもの」でも展示されていた作品で、あらためて素敵だなーとほれぼれしました。リアリズムを追求し、...
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ルドン「薔薇色の岩」

オディロン・ルドン「薔薇色の岩」。これもまた、ルドン展で知った意外な一面でした。Le Rocher Rose(1880)Odilon Redonグロテスクな版画作品を手掛けた黒の時代に、ルドンはこういった小さな風景画を油彩で制作しており、「作者のためのエチュード」と呼んで大切に手元に置いていたそうです。海辺に放り出されたような薔薇色の岩。孤独な背中を見ているようで、なんだか切ない気持ちになります。こういう風景を描くことで、何か...
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