
モネ「印象、日の出」
読むことからも書くことからも、しばらく遠ざかっておりました。8月9月で相当疲れちゃったみたいで。10月はちゃんと休めてたけど、朝から晩までぼんやり過ごして、ときどき思い出したように美術館に行くような感じでした。Impression, soleil levant(1872)Claude Monet東京都美術館のモネ展、行ってきましたよ。これだけはちゃんと見に行かなくちゃって思って。印象派の進む道を決定づけたモネの代表作「印象、日の出」。ようや...

モネ「睡蓮の池、夕暮れ」
縦2m,、横6m。眼前に広がるのは、夕陽をうつした水面。クロード・モネの大作「睡蓮の池、夕暮れ」という作品です。The Water Lily Pond in the Evening(1916/22)Claude Monetもはやおなじみの画題ともいえるモネの睡蓮ですが、見るたびに発見と感動があり、その奥深さに気付かされます。晩年を過ごしたジヴェルニーでモネは睡蓮の池を造作し、そこで200点以上もの作品を生み出しました。徐々に彼の目線は水面に接近して行き、光...

モネ「ラ・ジャポネーズ」
当ブログの記念すべき第一回で紹介した、クロード・モネの「ラ・ジャポネーズ」。ボストン美術館所蔵のこの作品が、およそ1年の修復を終えて世界初公開ということで世田谷美術館に来ています。La Japonaise(1876)Claude Monet鮮やかに当時の色彩を取り戻した「ラ・ジャポネーズ」。まずはその大きさに圧倒されました。天地2.3メートルですから、等身大よりも大きいわけですね。艶めいた緋の打掛けをまとい、扇子を手にこちらに視...

モネ「エトルタの夕焼け」
丘々は、胸に手を當て退けり。落陽は、慈愛の色の金のいろ。(中原中也「夕照」より)Sunset at Étretat(1885)Claude Monetクロード・モネ「エトルタの夕焼け」。国立西洋美術館の「モネ、風景をみる眼」という展覧会で一番印象に残ったモネの作品がこちらでした。オレンジ色の夕焼けと、青い海とが響き合い夜の前の許されたひとときを美しく染めていく。あるじのいない3艘の舟は打ち寄せる波に揺られ、潮騒にまじって船板がきし...

モネ「睡蓮の池」(地中美術館)
3週間前に京都で立ち寄った大山崎山荘美術館。大正から昭和初期にかけて建てられた洋館を本館とし、そこに増設されたコンクリート打ち放しの建物が安藤忠雄による「地中の宝石箱」です。半地下の円柱型の構造で、モネの睡蓮などの絵画が展示されています。その8年後、2004年に瀬戸内海の直島に誕生したのが地中美術館。同じく安藤忠雄の設計で、「地中の宝石箱」をさらに深化させたような美術館です。いつか行ってみたいと思ってい...

モネ「睡蓮」(ホテルオークラにて)
ホテルオークラの「第19回 秘蔵の名品 アートコレクション展」。チャリティーイベントとして毎年開催されているこの展覧会、9月1日が最終日だったので慌てて見に行ってきました。今回のタイトルは「モネ ユトリロ 佐伯と日仏絵画の巨匠たち」。副題は「フランスの美しき街と村のなかで」。印象派からエコール・ド・パリ、そしてフランスで活躍した日本人画家など日本各地の美術館や企業が所蔵する作品を公開するもので、なかでも心...

モネ「揺りかごの中のジャン・モネ」
クロード・モネ「揺りかごの中のジャン・モネ」。カミーユとの間に生まれた第一子を描いた、歓びに満ちた一枚です。このときまだモネとカミーユの結婚はモネ家から認めてもらえず経済的困窮を理由にモネは身重のカミーユをパリに残し、ル・アーヴルの実家や父の別荘があるサン=タドレスで制作を続けていました。長男誕生の知らせを受けて、カミーユの元に駆けつけたモネ。その目に飛び込んできたのは愛おしい幼子の顔。新しい命へ...

モネ「エトルタの断崖」(クラーク・コレクションより)
これはもう、実にモネらしい一枚です。そそり立つエギーユ島の先端は陽を受けて輝き、アーチ状のアヴァル門は揺らめく影のよう。海面では光の粒がきらきらとさざめき、その中央にボートらしき黒いシルエットが浮かんでいます。クロード・モネ「エトルタの断崖」。これぞ印象派、すばらしい! ……でも、なんか変なんです。 The Cliffs at Étretat(1885) Claude Monetこの絵の前に立ったとき、最初に左側のエギーユ島とアヴァル...

モネ「芍薬」
白き花香をかぐはしみ遠けども心もしのに君をしぞ思ふ Vase of Peonies(1882) Claude Monet一番大切な日。同じ時代に生まれてきてくれたことに、そしてぼくを見つけてくれたことに、今も感謝しています。お誕生日おめでとう。あなたがずっと、幸せでありますように。Night and day you are the one Only you beneath the moon and under the sunWhether near to me or far, it’s no matter, daring,Where you are I think of y...

モネ「アンティーブの朝」
目が覚めたら少しさびしい気持ちであいさつをして、まどろみのなかで思い出と遊んで、ベッドから出たら大好きなグラスでオレンジジュースを飲む。単純なもので、それだけで幸せな気持ちに満たされて今日もがんばろうと思えます。そんな朝を繰り返しています。 Antibes in the Morning(1888) Claude Monet雀はあなたのやうに夜明けにおきて窓を叩く枕頭のグロキシニヤはあなたのやうに黙つて咲く朝風は人のやうに私の五体をめざ...

モネ「エトルタの荒波」
荒れる海。クロード・モネ「エトルタの荒波」。エトルタというとクールベの「波」を連想するけど、こちらも負けず劣らず激しいですね。 Rough Weather at Étretat (1883) Claude Monet今日はこんな感じの、まさに春の嵐でした。みなさん、ご無事だったでしょうか?うちの会社は早々に帰宅命令が出まして、4時前には無事に帰宅いたしました。今もまだ雨風が激しくて竜巻警報が出てるらしく……桜が散らなければいいのだけれど...

モネ「窓に立つカミーユ・モネ」
手前には、いろとりどりの花々。その向こうにたたずむのは、モネの妻、カミーユ。クロード・モネ「窓に立つカミーユ・モネ」。この構図は、モデルへの深い愛情がなければ成立しないと思うのです。Camille Monet at the Window(1873)Claude MonetWhen I first held you I was cold.A melting snowman I was told.But there was no-one there to hold beforeI swore that I would be alone forever more.Wow, look at you now, flo...

モネ「ラヴァクールの日没」
沈む夕日をみて、美しいと思う人と悲しいと思う人がいるでしょう。ぼくはなるべく、美しいと思いたい。一日の終わりを惜しむより、次の一日に思いを馳せる人でありたいです。Sunset on the Seine at Lavacourt, Winter Effect(1880)Claude Monetこちらはクロード・モネの「ラヴァクールの日没」。有名な「印象、日の出」と似たような構図で、愛妻カミーユの死を乗り越えて、モネがたどりついた作品です。この年、モネは再起をか...

モネ「睡蓮」(アサヒビール大山崎山荘美術館にて)
2泊3日の京都旅行、行ってまいりましたー。初日は京都駅からJRで15分くらいのところにある、アサヒビール大山崎山荘美術館へ。モネの「睡蓮」を堪能しました♪Water Lilies(1914-17)Claude Monetアサヒビール大山崎山荘美術館は名前のとおりもともとは山荘だった建物を美術館として残したもので、本館には陶器を中心としたコレクションが展示されており、モネの「睡蓮」は新館のほうで見ることができます。新館は「地中の宝石箱」...

モネ「ヴェトゥイユの画家の庭」
光を求めて戸外へ歩み出した印象派のように、画中に描かれるひまわりは太陽に向かって大輪の花を咲かせています。クロード・モネ「ヴェトゥイユの画家の庭」。道の向こうからそよ風が吹いてきそうな、何だかいいことが起こりそうな気がする爽やかな一枚です。The Artist's Garden at Vetheuil(1880)Claude Monetさぞかしひまわりの黄色が鮮烈なんだろうな、と期待に胸をふくらませていたんですが、実物を見ると、意外に黄色は控...

モネ「日傘の女性、モネ夫人と息子」
1年ぶりの再会?でも、どこか違う。クロード・モネ「日傘の女性、モネ夫人と息子」。第2回印象派展に出品された時は「散歩道」と名付けられていた傑作です。国立新美術館の「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」より。Woman with a Parasol - Madame Monet and Her Son(1875)Claude Monetグリーンの日傘を手に、草原に佇む女性はモネの妻、カミーユ。こちらに気づいて振り返ったその瞬間を、モネは独特の流れるような筆致で...

モネ「印象、日の出」
みなさま、あけましておめでとうございます。今年もすばらしい年になるように……そんな思いを込めて、新年1回目はこの作品。Impression, Soleil Levant(1873)Claude Monet※画像をクリックすると、拡大してご覧いただけます。クロード・モネ「印象、日の出」。印象派の名前の由来ともなった作品で、1874年、第1回印象派展に出品された記念すべき1枚です。灰色にけぶるル・アーブルの港と、空をオレンジに染めながら昇りゆく太陽。...

モネ「赤とピンクの芥子」
渋谷Bunkamura ザ・ミュージアムの「モネとジヴェルニーの画家たち」を見に行ってきました。北九州市立美術館での展示のほうが先だったので今か今かと待ち望んでいたんですが、ようやく念願かなってご対面。めくるめくモネの世界を堪能……と思いきや、どっちかというと同時代にジヴェルニーで活動したアメリカ人画家の作品が中心だったみたいで。あ、もちろんモネの作品も堪能しましたよ。Red and Pink Poppies(1883)Claude monet...

モネ「アルジャントゥイユのひなげし」
今日はとてもいい天気。絶好のモネ日和!ということで、午後は渋谷のBUNKAMURAでモネ展を見に行こうと思います。ちなみにその前に映画「トロン」も。こちらも楽しみ。Coquelicots à Argenteuil(1873年)Claude Monet※クリックすると拡大してご覧いただけます。モネの「アルジャントゥイユのひなげし」。ぼくのお気に入りの作品です。日傘を指して、坂道をくだる母と子。2人が歩いたあとを追いかけるように咲き乱れる、真っ赤...

クロード・モネ「サンタドレスのテラス」
11月14日はクロード・モネの誕生日。ということで、本日はモネの作品を。初期の傑作「サンタドレスのテラス」です。Terrasse a Sainte-Adresse(1867)Claude Monet※画像をクリックすると拡大してご覧いただけます。「ひなげし」なんかもそうなんですが、モネの作品の赤ってすごく好きなんです。思わずはっとさせられる。陽光にきらめく花々、幸福な家族の一瞬。このとき、モネはまだ27歳。印象派の画風を確立する前の、みずみずし...

モネ「セーヌ河の朝」
結局モネかよ、と突っ込まれてしまいそうですが、ブリヂストン美術館の企画展「セーヌの流れに沿って」で、一番印象に残った作品はクロード・モネなのでした。Morning on the Seine(1897)Claude Monet※画像をクリックすると、拡大してご覧いただけます。「セーヌ河の朝(ジヴェルニーのセーヌ河支流」。近くで見た時はふうん、なるほどねーという感じで通り過ぎてしまったんですが、遠ざかって振り返って見たとき、思わず心をわ...

モネ「ラヴァクール」
セーヌ川の解氷をきっかけに、戸外での制作を再開したクロード・モネ。やがて、彼は再び官展(サロン)への挑戦を決意します。1970年の落選以来の挑戦でしたが、印象派のリーダー的存在だったモネの行動は、見方によっては裏切りとも受け取られかねないものでした。モネ自身は「絵を売るため」と言っていたようですが・・・。Lavacourt(1880)Claude Monetモネは1880年の官展に作品を2点出品し、うち1点が入選となります。それが...

モネ「ヴェトゥイユ近くの大解氷」
前回に引き続き、クロード・モネの作品を。「菊」を描いた翌年の1879年、モネは最愛の妻カミーユを病で失います。このときもモネは室内で絵筆を取り、カミーユの最期の姿を絵にします(「死の床のカミーユ・モネ」)。さらにこの年は天候が悪かったこともあり、モネは戸外ではなく、室内で制作することが多くなります。モネが再び屋外で制作するきっかけとなったのが、セーヌ川の大解氷でした。こちらは「ヴェトゥイユ近くの大解氷...

クロード・モネ「日傘の女性」(オルセー美術館展その7)
オルセー美術館展の副題は、「ポスト印象派」。とすれば、印象派の重要人物であるクロード・モネを紹介しないわけにはいかないでしょう。今回の目玉でもある「日傘の女性」は、1886年の作品。再婚相手のアリス・オシュデの連れ子、シュザンヌがモデルとされています。Woman with a Parasol(1886)Claude Monet透き通るような青空と風になびく鮮やかな草花、そして風景に溶け込むような白いドレスの女性が印象的な本作は、「風景画...

モネ「ラ・ジャポネーズ」と「死の床のカミーユ・モネ」
クロード・モネの「ラ・ジャポネーズ」。フランス印象派の面々が日本画の影響を受けていたのは有名な話ですが、こちらはそのなかでも極めて象徴的な作品です。絢爛な赤い着物をまとったモネの妻カミーユが、扇子を手に見返り美人のポーズでなんともコケティッシュな魅力をふりまいています。モネの作品でこんなに表情豊かな人物画って珍しいですよね。La Japonaise(1875)Claude Monetモネはカミーユをモデルにした絵を数多く残し...
このカテゴリーに該当する記事はありません。