足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

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ルオー「老いたる王」

ある晴れた日の暮れかかるころ大空に輝く一番星がなぜか私の心を締めつけて以来私の心から無意識のうちに一つの詩想が流れ出た、道端に止まっているあの流浪の人たちの車、痩せた草を喰む老いさらばえた馬、ぼろ車の片隅に坐って派手でけばけばしい衣装を繕っている老いぼれた道化師、そして人をおもしろがらせるために作られたどぎつくきらびやかな物と、少し高い所から見下ろせば限りなく悲しく思われるこの人生との対比……。それ...
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ルオー「トリオ」(アイ・ラブ・サーカス展より)

子どもの頃のあのサーカス貧苦にやつれた小さな顔の場末の町の貧しい子にはサーカスの光こそは太陽であり、心の夢の故郷だそれとももしかしたら、失われた楽園の反映か(ジョルジュ・ルオー) Trio(1935-40) Georges Rouaultフォーヴ(野獣派)の画家、ジョルジュ・ルオー。苦悩や歓びやあらゆる感情を塗り込めたような厚塗りのキリスト像が印象的な画家ですが、実は彼の作品の3分の1はサーカスをテーマにして描かれているそう...
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ルオー「キリスト」と遠藤周作「イエスの生涯」

ジョルジュ・ルオー「キリスト」。信仰心の有無にかかわらず、切々と胸に響いてくるものがあります。目を閉じて、顔を傾けて、ただただ祈る。Christ(1937-38)Georges Rouault右下には聖地をあらわす赤い建物があり、それと呼応するかのように、キリストの頭上にも赤い光が浮かんでいます。そして、ルオーの作品を象徴する深い青。慈愛の青なのか、悲しみの青なのか……。この作品は、版画作品「辱められるキリスト」のうえに色を加...
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ルオー「ブルターニュの風景」

先日、シダネル展のあとに向かったのがパナソニック汐留ミュージアム。この美術館はなんとジョルジュ・ルオーの作品を230点も所蔵しており、世界で唯一のルオー美術館なのだそうです。 Paysage de Bretagne(1915) Georges Rouaultこちらは「ブルターニュの風景」。1915年、40代のときの作品です。灰色の空のしたに広がる海は、深い青。赤褐色の大地、緑色の丘、立ち並ぶ家々。画面全体に靄がかかったような、どことなくノスタ...
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ルオー「ピエロ」

「秋の心」と書いて、「愁い(うれい)」といいます。「愁しい」と書いて、「かなしい」と読んだ詩人もいました。うつくしい夜空、月のない夜空。こんな夜には、目を閉じて消えてしまいたくなる。Pierrot(1925)Georges Rouaultジョルジュ・ルオー「ピエロ」。ひどく内省的な一枚です。この絵を見て笑う人なんていないでしょう。おどけて躍るピエロだからこそ、その悲しみも人知れず深いのだと思います。ここのところ、また気分が...
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ルオー「孤独者通り」

夜は遅い。母親はあそこに、父親はまだ帰らない。Rue des Solitaires, MiserereGeorges Rouaultジョルジュ・ルオー「孤独者通り(ミセレーレより)」。冒頭の文章は、この作品にルオー自らが添えた詩だそうです。母親は路地の向こうに佇む女性、娼婦のことを指しているのでしょうか。暗く荒んだ風景の向こうには、「郊外のキリスト」でも描かれた煙突がそびえています。パリ中心部の歓楽を支えるために稼働し続ける、労働者階級の...
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ルオー「郊外のキリスト」

夜更けの裏通り。白い満月に照らし出されるように、静かにたたずむ親子の姿。こんな夜中に子どもを連れて、とぼとぼと……。Le Crist en Banlieue(1920-24)Georges Rouaultジョルジュ・ルソー「郊外のキリスト」。石橋財団ブリヂストン美術館所蔵の作品で、現在はパナソニック電工汐留ミュージアムの「ルオーと風景」で展示されています。2人の子どもに寄り添い立つのは、親ではなくキリストなんですね。なんだか力なくうなだれて...
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ルオー「人物のいる風景」

1日遅れてしまいましたが、5月27日はジョルジュ・ルオーの誕生日でした。ということで前回の続き、ギュスターヴ・モローの愛弟子ルオーの作品です。Paysage animé(1897)Georges Rouaultジョルジュ・ルオー「人物のいる風景」。月明かりに照らし出された、森と湖。湖ではニンフが水浴をしており、霞がかった深い森はなんとも幻想的で、夢の中の情景のようで。レンブラントの再来といわれたのも納得です。郷愁を誘う一枚です...
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