
川合玉堂「水声雨声」
川合玉堂の“雨”のとりこになったのは、この作品がきっかけでした。山種美術館所蔵、「水声雨声」。縦長の画面いっぱいに、水の音が響き渡る一枚です。The Sounds of Water and Rain(c.1951)Kawai Gyokudo降りしきる雨の向こうには樹木が影のように薄らぎその手前では雨水が筧を勢いよく走り、水車をまわしています。傘をさして歩く農婦が2人、その色彩が画面に花を添えています。篠突く雨が枝葉を揺らす音、ザーッと筧を走る音、...

川合玉堂「山雨一過」と芦原すなお「オカメインコに雨坊主」
この道は、いつか来た道。川合玉堂「山雨一過」。先月、山種美術館で見た作品です。荷を負った馬をひいて、峠道を行く旅人。雨上がりのさわやかな風が樹々をゆらし、はるか彼方には青い山肌が。旅路はまだまだ続くのでしょうか、峠道の先は崖に隠れており、仙境につながっているような気もしてくるから不思議です。此岸と彼岸のあわいのような……。生と死の境界線のような……。芦原すなおの「オカメインコに雨坊主」という小説を読ん...
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