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足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

ジェローム「蛇使いの少年」(クラーク・コレクションより)

ブルートパーズのようにあやしく輝くタイル装飾。少年が体に巻き付けた蛇もまた、青くぬめった鱗光を発しています。ジャン=レオン・ジェローム「蛇使い」。フランス・アカデミズムの画家が作り上げた妖艶な異世界がここに。 The Snake Charmer(c.1879) Jean-Léon Gérômeジェロームはブグローなどと同時代に活躍した画家。宝石商の息子として生まれ、ドラローシュのもとで学び、1847年に「闘鶏」でサロン初入選を果たします。...
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ジェローム「二つの威厳」

ここ日本でも人気の高い印象派ですが、19世紀後半にフランスで産声を上げた当時は前衛的な作風ゆえ、異論を唱える画家も多かったとか。その1人が、当ブログでも何度か紹介しているジャン=レオン・ジェロームです。沈み行く太陽、そして岩壁にたたずむ一頭のライオン。周囲に草木は見当たらず、果てしない荒野がライオンの孤独を際立たせます。この作品は、ジェロームの「二つの威厳」。万物を明るく照らす太陽と、百獣の王ライオ...
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ジェローム「アレオパゴス会議でのフリュネー」

古代ローマの奴隷市場では、女性たちが売買されていました。彼女たちを待ち受ける運命とは・・・多くの人が想像するようなことが、行われていたわけです。性の対象として、男たちの欲望を満たすために売買された女性たち。ですが、なかには当時の知識階級に属する男もいて、そうした男の相手をすることで知識を身につけ、ウィットに富んだ会話で高級娼婦としてのし上がっていった女性も。プリティ・ウーマンをイメージしていただけ...
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ジェローム「ローマの奴隷市場」

かつて古代ローマでは女性の地位が低く、奴隷として売買されるケースも多かったとか。ジャン=レオン・ジェロームの「ローマの奴隷市場」は、あわれ女性が値踏みされ、売られていく瞬間を描いた作品です。奴隷の是非や女性蔑視の問題のことはさておいて。それにしても、ちょっと不思議なポーズですよね。ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」のような胸と股間を隠したいわゆる恥じらいのポーズなら分かるんですが、この作品では自...
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ジャン=レオン・ジェローム「ピュグマリオンとガラテア」

男は全裸の女性の腰に手をまわし、強く抱きしめながら口づけを交わす・・・。思わず赤面して顔を覆ってしまいそうな絵ですが、よく見るとおかしなことに気づきます。女性の足。足先に向かうに従って、色は白く、無機質に変質していきます。いや、この絵で描かれているのはその真逆。象牙で創られた裸婦像が命を与えられ、徐々に生身の肉体に生まれ変わる瞬間なのです。キプロス島の王、ピュグマリオンは現実の女性を愛することがで...
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