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足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

レーピン「月光」

月のうえに火星がうかぶこんな夜は、なんだかさびしくなるものです。明日は月が燃え上がりまたすこしだけ心をみだされそうな気がします。Moonlight(1896)Ilya Repin美しいものになら ほほゑむがよい涙よ いつまでも かわかずにあれ陽は 大きな景色のあちらに沈みゆきあのものがなしい 月が燃え立つたつめたい! 光にかがやかされてさまよひ歩くかよわい生き者たちよ己(おれ)は どこに住むのだらう——答へておくれ夜に ...
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レーピン「浅瀬を渡る船曵き」(レーピン展より)

せっかくBunkamuraのレーピン展に行ってきたのに、この作品を紹介するのをすっかり忘れていました。イリヤ・レーピン「浅瀬を渡る船曵き」。代表作「ヴォルガの船曵き」の制作過程で描かれた重要作品です。 Barge Haulers Crossing a Ford(1872) Ilya Repinレーピンは代表作「ヴォルガの船曵き」を描くにあたり1870年夏の3ヶ月をヴォルガ河畔で過ごし、労働者階級の最底辺の人々と身近に接したといいます。「ロシアの農夫をあ...
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レーピン「ゴーゴリの『自殺』」(レーピン展より)

暖炉の炎に照らし出された顔は醜くゆがみ、かっと見開かれた瞳は中空をさまよっています。左手に抱えた原稿は、小説「死せる魂」の第2部。ロシアの文豪ゴーゴリの狂気を描いたイリヤ・レーピン「ゴーゴリの『自殺』」。Bunkamuraのレーピン展で、一番怖いと感じたのがこの作品でした。個人的には「皇女ソフィヤ」よりこっちの方がよっぽど怖かった。 “Suicide” of Nikolai V. Gogol(1909) Ilya Repinゴーゴリといえばロシアを...
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レーピン「皇女ソフィヤ」(レーピン展より)

訳も分からず土下座して謝罪してしまいそうな、圧倒的な威圧感の女性。左側には影に隠れて息を殺しているような従者がいて、さらに窓の向こうには……吊るされた死体!!どこにもぶつけようのない怒りがこの部屋中に充満しているようです。イリヤ・レーピン「皇女ソフィヤ」。レーピンがはじめてロシア史を描いた記念すべき作品であり、中野京子さんの「怖い絵」シリーズでもおなじみの一枚です。 Princess Sofya(1879) Ilya Rep...
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レーピン「休息 —妻ヴェーラ・レーピナの肖像」(レーピン展より)

今日は渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムへ。「国立トレチャコフ美術館所蔵 レーピン展」を見てきました。ロシアが誇る19世紀絵画の巨匠、イリヤ・レーピンの作品が約80点。日本初の本格的回顧展ということで、期待に胸が高鳴ります。 “A Rest” Portrait of Vera A. Repina, Wife of the Painter(1882) Ilya Repinこちらはイリヤ・レーピン「休息 —妻ヴェーラ・レーピナの肖像」。肘掛け椅子にもたれてまどろむ妻の姿が描かれ...
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