
月岡芳年「月百姿」その1
また間があいてしまいましたが、先週行った町田市立国際版画美術館の月岡芳年展のことを。晩年の傑作であり代表作の「月百姿」と、遺作である「新形三十六怪撰」を前期・後期に分けてまとめて展示、しかも無料! という非常に太っ腹な展覧会なのです。「月百姿」はまとめて見る機会がこれまでなかったので、まずは前期で50点、思う存分堪能してまいりました。月百姿 No.007「稲葉山の月」「月百姿」は、月にまつわる和漢の物語や...

月岡芳年「月百姿 —玉兎 孫悟空」(月岡芳年展より)
月岡芳年、晩年の傑作「月百姿」。月にまつわる歴史上の人物・逸話を題材としたもので、その名の通り100種におよぶ大作です。美人画、歴史画、戯画、妖怪変化と描かれた図様はじつに幅広く、芳年の画業の集大成と呼ぶにふさわしい出来映え。そこで今回は、「月百姿」のうちの一点、「玉兎 孫悟空」をご紹介します。 100 Aspects of the Moon − Gyokuto - Songoku(1889) Tsukioka Yoshitoshi画面からはみ出すほどの巨大な月を...

月岡芳年「幽霊之図 うぶめ」(月岡芳年展より)
背をあらわに、身につけているのは赤い腰巻きだけ。なまめかしい女性の後ろ姿……と思いきや、よく見ると足がない。右側には、小さな足がのぞいている。子どもを抱えた幽霊なんですね。月岡芳年「幽霊之図 うぶめ」。怖いけど、目を離せなくなる作品です。 Ubume(1878-84) Tsukioka Yoshitoshi白い背中を強調するためか、濡れたようにウェーブした黒髪は左肩の前に落ちています。そして腰巻きの赤は、血の色なんですね。「うぶ...
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