
高島野十郎「月」と「蝋燭」
昨年、DIC川村記念美術館の「フラワースケープ」で作品を見て以来ずっと気になっていた大正・昭和の画家がいます。久留米出身の写実画家、高島野十郎。終生家族を持つことなく、画壇と交わることもなくやがてそのまなざしは光へと向けられ、闇へと収斂していきます。 Moon(after 1961) Takashima Yajuro高島野十郎「月」。福岡県立美術館の「光をさがして」というコレクション展でこの作品と出会いました。樹々の向こうにぽっ...

高島野十郎「百合とヴァイオリン」
色褪せた静謐。曲を奏でることもできず、倒れ伏すヴァイオリン。最期を看取るように百合の花が寄り添い、その白は儚い光のようです。高島野十郎「百合とヴァイオリン」。DIC川村記念美術館の企画展「フラワースケープ」より。 Lily and Violin(c.1921-26) Takashima Yajuroそれにしても……見るだに寂しい気持ちになる一枚です。少し弓が曲がってはいないか。ヴァイオリンが歪んではいないか。百合は枯れかけていないか。壁には...
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