
ギュスターヴ・モロー「化粧」
日本橋のブリヂストン美術館が、5月18日から新築工事のため数年にわたり休館するそうです。60年以上の歴史をいったん締めくくるにあたり、先月末から開催されているのがコレクション展「ベスト・オブ・ザ・ベスト」。文字通り、同館が誇る名品の数々がドドーンと展示されております。The Toilette(1885-90)Gustave Moreauブリヂストン美術館の作品で何が一番好きか…となるとなかなか難しくてドニの「バッカス祭」やルオーの「郊...

モロー「ヘロデの前で踊るサロメ」
手にした白い蓮は快楽、影のように伏せる黒豹は淫蕩のしるし。ヘロデ王の前で踊ったサロメは、褒美としてヨハネの首を所望します。ギュスターヴ・モロー「ヘロデの前で踊るサロメ」。新約聖書のエピソードに独自の解釈を加えた、悲劇の前の一幕です。Salome Dancing Before Herod(1876)Gustave Moreau平松洋の「名画 絶世の美女 魔性」という本を読んだんですが、書籍で紹介されていたルネッサンスから19世紀後半まで数多の有名...

モロー「パルクと死の天使」
フランス象徴主義の巨匠、ギュスターヴ・モロー。歴史や神話を題材とした作品を得意とし、ジョルジュ・ルオーやアンリ・マティス、アルベール・マルケらの師としても知られています。国立美術学校で画家志望の若者達に対し、デッサンよりも色彩の重要性を説いたモローがいたからこそフォービスムという鮮烈な色彩表現が生まれたのかもしれません。そんなモローと、一番弟子のルオーに焦点をあてた展覧会がパナソニック汐留ミュージ...

モロー「岩の上のサッフォー」
前回ご紹介した古代ギリシャの女性詩人レスビアは、またの名をサッフォーといいます。レスボス島に若い女性だけを集めた学校を開いたことからレズビアンの語源となったそうですが、彼女は悲恋の果てにみずから命を絶ったことでも知られており、そのエピソードをギュスターヴ・モローがたびたび描いています。Sapho sur le rocher(1872)Gustave Moreauギュスターヴ・モロー「岩の上のサッフォー」。象徴主義の雄、モローならでは...

モロー「旅する天使」
今年もいろんなところに旅行に行きたいと思っています。国内だったら京都、金沢、四国あたりがいい。思いきって海外にも行きたいな。パスポートとっくに切れてるから申請しに行かないと。。。The Migrant Angel Gustave Moreauこちらはギュスターヴ・モローの「旅する天使」。寺院の上で羽を休める天使の姿が描かれています。天使の足元を見ると、壁に溶け込んでしまっているようでもありどこか寂しげで、無力感や虚無感が漂う不思...

モロー「自画像」と遺書
ギュスターヴ・モローの「自画像」。1850年、24歳のときの作品です。現存する作品の中では最初期に属し、当時モローが傾倒していたドラクロワの影響が見てとれます。Self-portrait(1850)Gustave Moreau国立美術学校で学んだモローは前年の1849年、ローマへの国費留学をかけてローマ賞に挑むものの、あえなく失敗。「自画像」を発表した1950年には進路についてドラクロワに相談し、シャセリオーと親交を結び社交界に出入りするよ...

モロー「オルフェウス」
昨日に続き、オルフェウス神話より。バッカスの巫女に八つ裂きにされたオルフェウス。彼の頭と竪琴は川に投げ込まれてしまいます。あわれ、川を流されて行くオルフェウス。それを見つけ、手を差し伸べたのがトラキアの娘でした。OrpheusGustave Moreauフランス象徴主義の画家、ギュスターヴ・モローの「オルフェウス」は、トラキアの娘がオルフェウスの頭部と竪琴を拾い上げた瞬間を描いた作品。オルセー美術館展で見たという人も...
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