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足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

ゴヤ「我が子を喰らうサトゥルヌス」

深淵を覗きこむとき、深淵もまたこちらを覗いているのだ。            (ニーチェ) Saturn Devouring His Son(1820-23) Francisco de Goyaフランシス・ベーコンの作品を見たとき、反射的に思い浮かんだのはゴヤの作品でした。「我が子を喰らうサトゥルヌス」。ゴヤが晩年を過ごした「聾者の家」に描かれた14枚の壁画、通称「黒い絵」の一枚です。軋みを上げそうなほどに歪んだ肉体、画面におさまりきらぬ手足、そ...
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ゴヤ「砂に埋もれた犬」

フランシスコ・デ・ゴヤ「砂に埋もれた犬」。生き埋めにされた犬の表情は困惑に満ちており、自分の状況を飲み込めていないのか抗うそぶりも見えません。砂は……砂と呼ぶには湿り気を帯びて黒ずんでおり、犬の不安と痛みがひしひしと伝わってきます。この作品は、ゴヤが晩年の一時期を過ごした「聾者の家」に飾られていた「黒い絵」と呼ばれる連作のなかのひとつ。反射的に恐怖にとらわれる「我が子を食らうサトゥルヌス」と対照的に...
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ゴヤ「無原罪のお宿り」

グロテスクで思わず目を背けたくなるような作品が並ぶゴヤ展で、この作品は一際異彩を放っていました。張りつめていた気持ちがゆるゆるほどけていくような。ゴヤ「無原罪のお宿り」。信仰心のない自分でも、こうべを垂れる気持ちになる一枚でした。Immaculate Conception(1783-84)Francisco de Goya左側の天使が手にしているのは、純潔をあらわす白百合。そのすぐ近くには、原罪を意味する林檎をくわえた蛇の姿も。天上では大い...
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ゴヤ「着衣のマハ」

国立西洋美術館の「ゴヤ展」、ようやく行ってきました。なかなか腰が上がらなかったのは、昨年中はあわただしくて時間がつくれなかったのと、「着衣のマハ」だけ見てもなぁ……という変なこだわりがあったから。どうせなら、「裸のマハ」とセットで見たいですもんね。Clothed Maja(1800-07)Francisco de Goyaゴヤの代表作、「着衣のマハ」。さんざん迷ったけど見に行ってよかったです。というか、もっと早くに行くべきだったー!画...
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ゴヤ「異端審問所の裁判」

正義は、時に人を傷つける。正義は、時に人を追いつめる。正義は……正義を押しつける。 The Inquisition Tribunal(1812-19) Francisco de Goyaフランシスコ・デ・ゴヤ「異端審問所の裁判」。台の上に座らされた被告は反省の帽子をかぶらされ、祈りなのかあきらめなのか、手を組んで顔をうつむけています。当時、このような宗教裁判はスペインをはじめヨーロッパ全土で行われており、ゴヤも何度か、裁判にかけられそうになったと...
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ゴヤ「戦争の惨禍」

今日はセルバンテス文化センターの「ゴヤが見た戦争:版画集『戦争の惨禍』と報道写真」を……見に行けませんでした(T_T)お昼ご飯食べてから行こうと思ってたら、日曜は14時までらしく……今日で最終日だし。ぐわぁ。悔しいので、あたかも見てきたかのようにご紹介。 Disasters of War Francisco Jose de Goyaゴヤ「戦争の惨禍」より。聴力を失い、宮廷を辞し、ナポレオン軍の侵攻とスペイン独立戦争で無惨に蹂躙された祖国を、ゴ...
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ゴヤ「理性の眠りは怪物を生む」

お客さんと飲んでました。とても有意義な時間だったんですが、帰りの電車で見事に寝過ごしてしまい……。お酒飲むと眠くなる体質をどうにか改善したい。el sueño de la razón produce monstruos(1799)Francisco de Goya※画像をクリックすると、拡大してご覧いただけます。こちらはフランシスコ・デ・ゴヤの「理性の眠りは怪物を生む」。本日のネタとしてフュースリの「夢魔」とどっちにしようか迷ったんですが、向こうは...
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ゴヤ「ボルドーのミルク売りの少女」

フランシスコ・デ・ゴヤ最晩年の傑作にして、絶筆ともいわれる重要作品「ボルドーのミルク売りの少女」。聴覚を失い、視力も衰えた末にゴヤがたどりついた、輝ける世界。La lechera de Burdeos(1827)Francisco de Goya※画像をクリックすると、拡大してご覧いただけます。スペインの巨匠、フランシスコ・デ・ゴヤ。1786年に宮廷画家として絵筆をふるうも、不治の病に犯され聴力を失い、スペイン独立戦争などの動乱を経て彼の作品...
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ゴヤ「バルコニーのマハたち」

思わずフラフラと吸い寄せられてしまいそうな、蟲惑的な笑みを浮かべる2人の女性。エドゥワール・マネはスペイン旅行中にこの絵を見て、「バルコニー」を制作したといいます。Les Majas au Balcon(1810)Francisco de Goya作者はスペインの宮廷画家、フランシスコ・デ・ゴヤ。19世紀初頭に発表された本作「バルコニーのマハたち」で描かれるのは、2人の娼婦とその斡旋人。通りを行き交う男性を値踏みして、女性同士でひそひそ会...
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