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足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

コロー「セーブルへの道」

 The Road to Sevres(c.1859) Camille Corot田舎の白つぽい道ばたで、つかれた馬のこころが、ひからびた日向の草をみつめてゐる、ななめに、しのしのとほそくもえる、ふるへるさびしい草をみつめる。田舎のさびしい日向に立つて、おまへはなにを視てゐるのか、ふるへる、わたしの孤独のたましひよ。このほこりつぽい風景の顔に、うすく涙がながれてゐる。(萩原朔太郎「孤独」)今日も明日もがんばろう。  ...
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コロー「羊飼いの星」

湖のほとり、遠ざかる羊たちの群れ。右手をかざして、夜空を見上げる人。親指と人差し指のあいだから、星をのぞいているのでしょうか。カミーユ・コロー「羊飼いの星」。抒情あふれる、美しい一枚です。The Evening Star(1864)Camille Corot今夜はこんなふうに、西の空を見上げた人がたくさんいたのでしょうね。金星と三日月と木星が縦につらなる、奇跡のような一夜。会社からだと首都高のあかりが邪魔して見づらかったので、急...
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コロー「モルトフォンテーヌの想い出」とシュティフター「森ゆく人」

渇いて灰色になった畑の中に、森は濃紺の帯となって連なっていた。やがてボヘミアの森のさらに濃紺の緑が灰色の雲と混ざり合い、境界線も判然としないままに雲に溶け込んでいた。これを見ている青年の傍らでは、すでに野草の立ち枯れの茎が幾本か微風に煽られ、かさこそ音をたてていた。この微風は永い静かな時のあとに沸き立ち、事の急変を告げるものだった。(アーダルベルト・シュティフター「森ゆく人」より)Souvenir de Mort...
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コロー「ニンフと戯れるアムール」

今日は仕事で、環境関連のセミナーに出席しました。ちょうどCOP10開催中ということもあってか、満員御礼でとても勉強になるセミナーでした。少なく見積もっても、自然状態の100倍ものスピードで生物が絶滅していっているのだとか。恐ろしい話です。Une nymphe jouant avec un amour (1857)Jean-Baptiste-Camille Corotさて、環境と絵画といえば……ぱっと思い浮かぶのはバルビゾン派です。こちらはカミーユ・コローの「ニンフと戯れ...
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コロー「真珠の女」

「コローのモナ・リザ」とも呼ばれる、カミーユ・コローの代表作「真珠の女」(1858-1868年)。民族衣装を身にまとい、頭部には葉冠の装飾。その葉の一枚(影?)が額に重なり、これが誤って真珠と見なされ、「真珠の女」と呼ばれるようになったとか。Femme à la perle(1858-68)Jean-Baptiste-Camille Corotコローはダ・ヴィンチをお気に入りの画家に挙げており、その構図からも「モナ・リザ」を意識したことは想像に難くあ...
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