足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

円山応挙「七難七福図」

激しい炎に焼け出され、逃げ惑う人々。描かれているのは地獄絵図ではなく、決して人ごとではない現世の恐怖。円山応挙「七難七福図」という巻物の一場面です。京都の相国寺承天閣美術館の「円山応挙展」。その目玉ともいえるのが、上にあげた重要文化財「七難七福図」です。「天災巻」「人災巻」「福寿巻」の3つの巻物で、全部あわせると全長35mにもおよびます。天災・人災の被害にあうのが百姓や町民なのに対して福寿の対象となっ...
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円山応挙「藤狗子図」(応挙展より)

疲れたときは、応挙犬にかぎります。あぁ、とげとげしてた心がゆるんでいく…… Puppies and Wisteria(1781-89) Maruyama Okyo円山応挙「藤狗子図」。藤花図屏風とワンコのいいとこ取りのような作品ですね。藤の花をくわえた茶色いワンコと、おしりを向けた白いワンコがなんとも可愛らしい。この作品も愛知県美術館の円山応挙展に出ていました。展覧会では応挙だけでなく蘆雪や栖鳳などによるモフモフ画も比較的多めで、思わず目...
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円山応挙「牡丹孔雀図」(応挙展より)

前回は金地に墨一色の孔雀だったので、今回は極彩色の孔雀をご紹介します。円山応挙「牡丹孔雀図」。これぞ絢爛、めくるめく色彩の一幅です。 Peacocks and Peonies(1774) Maruyama Okyo寿石として珍重される太湖石のうえで飾り羽をあげて下をのぞきこむ雄の孔雀。よく見ると右下から雌の孔雀が顔をのぞかせていますね。うしろには富貴花とも称される紅白の牡丹が咲き誇り、見た目もモチーフも実に縁起のよい作品です。写生の...
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円山応挙「松に孔雀図襖」(応挙展より)

先週末、異常に早く目が覚めてしまいこれはもう行くしかない! とばかりに勢いで朝7時の新幹線に乗って、名古屋まで。愛知県美術館の「円山応挙展」に行ってきました。応挙を名乗る以前の作品も含め幅広く網羅的な展示でしたが、白眉はやっぱり……この作品でしょう。 Peacocks and Pines(1795) Maruyama Okyo円山応挙「松に孔雀図」(部分)。孔雀を多く描いた応挙ですが、墨一色で描いた作例は珍しいそうです。金地を背に、飾...
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円山応挙「狗児図」(かわいい江戸絵画より)

円山派の祖であり、写生を重視した画風によって日本絵画史に革新をもたらした画家、円山応挙。彼の最大の偉業といえば……やはり仔犬でしょう! Puppy(1784) Maruyama Okyo円山応挙「狗児図」(部分)。ああ、もう…。このおむすび型のたれ目といったら!情けない表情なのに愛らしくてキュンキュンしてしまいます。まんまるの体に見事な短足、申し訳程度にくっついた小さな尻尾。真ん中のワンコは手前の白いワンコに覆いかぶさっ...
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円山応挙「藤花図屏風」(応挙の藤花図と近世の屏風より)

最終日の閉館1時間前、ギリギリ滑り込みで根津美術館の「応挙の藤花図と近世の屏風」を見てきました。重要文化財にも指定されている円山応挙「藤花図屏風」とは、一昨年の三井記念美術館での応挙展以来のご対面。金地に描かれた2本の藤の美しさに、ひたすら心奪われるひとときでした。 Wisteria(1776) Maruyama Okyo円山応挙「藤花図屏風」(右隻)。輪郭線を描かず、刷毛による「付立て」という技法で一息に描かれた自由で伸...
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円山応挙「鯉魚図」

先日行ってきたサントリー美術館「毛利家の至宝」。目玉は当然あの国宝なんですが、その前に……この一枚を、先に紹介しておきたくて。 Carp and Waterfall Maruyama Okyo円山応挙「鯉魚図」。すごいんです、これ。三幅一対の掛け軸で、右上と左下に岩を、右下と左上に鯉を配することで対角線の構図になっています。この左右二幅だけでも十分成立しそうな作品なんですが、すごいのは……真ん中の鯉なんですね。滝の流れをかき分ける...
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円山応挙「老梅図」と津村節子「紅梅」

老いてなお美しく咲くのは、おのれが散るときを知っているからでしょうか。円山応挙「老梅図」。東本願寺所蔵のこの作品を、装丁に使用した作品が津村節子の「紅梅」です。癌で亡くなった作家・吉村昭との最期の日々を綴った作品で、感情をおさえた文章が、かえって悲しく感じられました。津村節子もまた著名な小説家であり、だからこそ、こういう書き方しかできなかったのでしょうか。「物を書く女は最低の女房だと言われている。...
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円山応挙「氷図屏風」

現代アート? 抽象画?いやいや、これが描かれたのは、今から230年も昔。しかも日本画家の手による屏風絵というから驚きです。Cracked Ice(c.1780)Maruyama Okyo円山応挙、「氷図屏風」。応挙といえば、空間の画家。現在三井記念美術館で開かれている企画展、「円山応挙 空間の創造」でもその魅力の一端に触れることができますが、大英博物館蔵の「氷図屏風」はとにかく異質というか奇想というか。直線だけで構成されているのに...
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円山応挙「朝顔狗子図」

私はこれを、「もふもふ画」と呼びたい。円山応挙「朝顔狗子図」(部分)。旧明眼院障壁画の一部です。現在は東京国立博物館所蔵。超細密描写もお手の物なら、こんなデフォルメもお手の物。思わず目尻が下がってしまいます。このへんの幅広さも、応挙の魅力なのでは。応挙というか、当時の絵師のすごさか。ちなみに三井記念美術館の応挙展に出品されているわけではないので、あしからず。ぽちっとお願いします!  円山応挙 (新潮...
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円山応挙「雪梅図襖」

三井記念美術館の「円山応挙 ~空間の創造」を見に行ってきました。こないだ当ブログでも紹介した新発見の屏風「松鶴図屏風」をはじめ、ほんとに素晴らしい作品ばかりで……何とも立ち去りがたかった。今年観に行った美術展のなかでも、極めて印象深い展示でした。こちらは1785年の作品、「雪梅図襖」(部分)。もう、なんて表現したらいいのか分からない。すばらしいとしか言えない。なんていうか、西洋画と日本画って、感動の質が...
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円山応挙の新作発見!「松鶴図屏風」

10月9日から開幕する三井記念美術館の「円山応挙 ~空間の創造」展で、新たに見つかった応挙の屏風が展示されるそうです。題名は「松鶴図屏風」。1770年発表、応挙38歳のときの作品だそうです。右隻と左隻が連続していないのがちょっと気になりますね。もともとこの作品は寺院の襖絵だったもので、後に屏風として改装されたのだとか。となると、もしかしたら中央に収まるべき部分がどこかにあるのかも……なんて色々想像してしまいま...
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