
ピカソ「扇子を持つ女」(プーシキン展より)
やはりピカソはすごい。横浜美術館の「プーシキン美術館展」ではピカソの作品が3点並べて展示されていましたが、旧態を跡形もなく壊しては新たな世界を切り開いていく彼の画風の変転と、尋常ならざるエネルギーに圧倒されるばかりでした。Woman with a Fan(1909)Pablo Picassoこちらはパブロ・ピカソ「扇子を持つ女」。前述の3点のうちのひとつです。制作年は1909年。あの「アヴィニョンの娘たち」から2年後、キュビスムの時代の...

ピカソ、最後の「自画像」
パブロ・ピカソ最後の「自画像」。死の前年に描かれた画家自身の顔は、どことなく寂しげで……じっと見ていられない。Self-Portrait(1972)Pablo Picasso深く刻まれたシワ、顔の色は青黒く人間以前のけだものに戻ったような、原始的な表情。かたく引き結んだくちびるは何かを耐え忍んでいるようで、ぽっかりとあいた洞窟のような瞳は……ピカソはこのとき、何を見ていたんでしょう。衰えを知らぬ精力と創造力で絵筆を振るい続けた20世...

ピカソ「腕を組んですわるサルタンバンク」
今日はブリヂストン美術館の「なぜ、これが傑作なの?」を見てきました。コレクションのなかから約120点を展示し、代表的な12点には詳細な解説文を付けるというもの。全体的な感想は後にまわすとして、まずはこの作品を。Saltimbanque Seated with Arms Crossed(1923)Pablo Picassoパブロ・ピカソ「腕を組んですわるサルタンバンク」。1923年、「新古典主義の時代」の作品です。サルタンバンクは軽業などを見せる大道芸人のこと...

ピカソ「シュミーズ姿の少女」
青空に手を伸ばしても、手は虚空を泳ぐばかり。青い海をコップに閉じ込めようとしても、少し濁った海水がたゆとうばかり。青は手に入らないから美しい。手に入らないから哀しい。Girl in a Chemise(1905)Pablo Picassoパブロ・ピカソの「シュミーズ姿の少女」。青の時代、1905年の作品です。正直に言ってしまうと、僕はピカソがあまり好きではないのです。ピカソの絵は、見ているだけで何だか疲れてしまう。見ているだけなのにエ...
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