
シャヴァンヌ「海辺の乙女たち」
先日、Bunkamuraの「シャヴァンヌ展」を見てまいりました。シャヴァンヌは19世紀後半、フランスで活躍した偉大なる壁画家です。その色彩はフレスコ画にも似ていて、穏やかで叙情的。まずはこちら、「海辺の乙女たち」という作品を。Young Girls by the Seaside(c.1879)Pierre Puvis de Chavannes三者三様、おのおのの世界に浸る半裸の女性たち。彼女たちは「目覚め」「期待」「自己回帰」をあらわすという説もあるそうです。海辺...

シャヴァンヌ「貧しき漁夫」
そういえば。来年1月より、Bunkamuraでシャヴァンヌ展が予定されているのでした。印象派やアカデミズムとは一線を画し、19世紀最大の壁画家と呼ばれたピュヴィス・ド・シャヴァンヌ。穏やかな色彩と詩情をたたえた作風は同時代のフランスの画家、ドニやルドン、スーラなどに支持されました。シャヴァンヌの作品というと、印象深いのはやはりこちらでしょうか。オルセー美術館所蔵、「貧しき漁夫」という作品です。The Poor Fisherm...

シャヴァンヌ「眠れるパリを見守る聖ジュヌヴィエーヴ」
シャヴァンヌ「眠れるパリを見守る聖ジュヌヴィエーヴ」。月明かりの下にたたずむパリの守護聖人を描いた作品です。光は街をつつみ、誰もそれには気付かず眠りについている。それにしても……向こうに広がるのは海でしょうか。パリから海は見えないと思うけれどおとぎ話の夜だから、そんな幻想も許されるのでしょう。おぼれるような明るさに家並は黙ししじまが広がってまいります。St. Genevieve Watches Over the Sleeping City of ...

シャヴァンヌ「もの思い」
薄暗い森に一人たたずみ、額に手をあて物思いにふける女性。ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ「もの思い」。彼女は何を、思っているのでしょうか……。recueillement(1867)Puvis de Chavannesこの「もの思い」と同じ構図の「瞑想」という壁画があり、前にご紹介した大原美術館所蔵の「幻想」とともにかつて彫刻家クロード・ヴィニョン邸を飾っていたのだとか。制作年代的には、「もの思い」のほうがレプリカということになるんでしょ...

幻想(大原美術館特集 2)
大原美術館特集、第2回はピュヴィ・ド・シャヴァンヌ。縦2.6m、横1.4mの装飾画「幻想」です。La Fantaisie(1866)Pierre Puvis de Chavannesまるで大理石のような質感の、ペガサスと裸体。手前の男性は花を摘んで冠を作っており、女性は植物のつるでペガサスを捕らえようとしています。そしてそれに抗うかのように前足を上げ、首をひねっていななかんとするペガサス。まさに幻想的な一幕です。背景にも注目です。先日twitterにて...
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