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足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

ムンク「カウチに座る女性」

60代のムンクが描いた人物画。どことなく優しげで、みずみずしくて、そして官能的ですらある。それもそのはず、ムンクはモデルの女性に恋をしていたから。「カウチに座る女性」という作品です。Model on the Couch(1928)Edvard Munchモデルの名前はビルギット・プレストー。生涯独身を貫いたムンクですが、彼女との結婚を望んでいたともいわれています。年齢差など関係なく、それほど彼女に惹かれたのでしょう。ムンクというと、...
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ムンク「接吻」と「光に向って」

国立西洋美術館で開催中の「モネ、風景をみる眼」という展覧会では印象派の光と色彩を存分に味わえるのですが、常設では一転、モノクロームの世界が広がります。画家の名はエドヴァルド・ムンク。生誕150周年を記念した版画展です。The Kiss(1895)Edvard Munchこちらはムンク「接吻」。同様のモチーフの作品をムンクは数多く残していますが、そのなかでもこの版画は凄艶で、刹那的で、じっと見ていると胸が苦しくなってくるほど...
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ムンク「サン・クルーのセーヌ川」

この速度でいいのかと自問することもあるけれど、いつか教えてもらったとおりときどき立ち止まりながらゆっくり歩いています。The Seine at St. Cloud(1890)Edvard Munchつれない世路を僕は歩いていました、痛々しいほど不安な気持で。親切なあなたの手が、道しるべになってくれました。青ざめてほんのりと遠い地平に夜あけの希望がほの見えていました。あなたのまなざしが朝でした。自分の高鳴る足音以外旅人を鼓舞するものとて...
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ムンク「接吻」

梅雨があけたら夏がやってくるのだとそう思うと少し寂しくなりました。Kiss(1897)Edvard MunchKiss me out of the bearded barleyNightly, beside the green, green grassSwing, swing, swing the spinning stepI wear those shoes and You will wear that dressOh, kiss me beneath the milky twilightLead me out on the moonlit floorLift your open handStrike up the band and make the fireflies danceSilver moon's spark...
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ムンク「吸血鬼」

「吸血鬼」というタイトルそのままに見るならば、この作品は男の首筋に牙をたてる女吸血鬼を描いたものということになります。でも、この絵にはやさしさがあふれていて女性が男性を包み込んでいるように思えるのです。もともとの題は、「愛と痛み」だから。Vampire(1893-94)Edvard Munch「すなおになろう」「大人になるのはやめよう」だからぼくは感傷にみをまかせ情けない自分と向き合っていこうと思います。それぞれの痛みを抱...
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ムンク「サン・クルーの夜」

1890年、フランス留学時代にエドヴァルド・ムンクが描いた「サン・クルーの夜」。深い青が、胸にせまる一枚です。Night in St. Cloud(1890)Edvard Munch窓の左下にかすかに見えるシルエットは、ハットをかぶった男性でしょうか。一人しずかに、夜の街並を見ながら物思いにふけっているのでしょう。遠い故郷のことを思っているのか、それともここにはいない誰かのことを思っているのか。ムンクは5歳のときに母親をなくしています...
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マドンナ(大原美術館特集 5)

マドンナと呼ぶには、あまりにも退廃的でどこか愁いの漂う作品。大原美術館特集第5回は、エドヴァルド・ムンクの「マドンナ」です。Madonna(1895-1902)Edvard Munch左下に胎児、周りには精子。中央には苦悶とも恍惚とも取れる表情の、影のある若い女性。「マドンナ」のモデルとなったのは、ムンクが当時思いを寄せていたダグニー・ユールといわれています。ダグニーはファム・ファタールと呼ぶにふさわしい、恋多き女。そしてム...
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