
ブリューゲルの新作発見!「聖マルティン祭のワイン」
プラド美術館で、ブリューゲルの新作が発見されたそうです。タイトルは「聖マルティン祭のワイン」。100人もの酔っぱらいが描かれた、農民ブリューゲルここにあり、といった趣きの傑作とのこと。四半世紀どころか4世紀半もの時を超えた、まさに世紀の大発見。サイズも148cm×270.5cmで、ブリューゲル作品の中で最も大きい部類に入るそうです。聖マルティン祭は、ドイツに今も伝わるカトリックの祭日。11月11日に行われ、クリスマス...

ブリューゲル「邪淫」(ブリューゲル版画の世界 その8)
ピーテル・ブリューゲルの「7つの罪源」シリーズより、最後にご紹介する7つ目の作品は「邪淫」です。Lust(1558)Pieter Bruegel the Elder下部の銘文は、「邪淫は活力を弱め、身体を軟弱にする」「邪淫には悪臭が漂い、汚らわしさでいっぱいである。 諸力を無力化して、四肢を弱める」。なんというか、どこまでを邪淫と呼ぶかにもよるんですがとりあえず我が身を振り返って反省しきりです。画面中央では、ヒキガエルの愛撫を受け...

ブリューゲル「大食」(ブリューゲル版画の世界 その7)
友達と飲みに行ってました。ここんところ、暇さえあれば飲んでる感じです。仕事が暇なんで飲んでばっかです。そんな自分が紹介するのもアレなんですが今回はピーテル・ブリューゲルの「7つの罪源」シリーズより、6番目の作品、「大食」です。Gluttony(1558)Pieter Bruegel the Elder下部の銘文は、「暴飲と暴食は慎むべし」「酩酊と暴食するのをつつしめ。度を超すのは、神と自分自身を忘れさせるから」。中央下部では擬人像が、...

ブリューゲル「嫉妬」(ブリューゲル版画の世界 その6)
ピーテル・ブリューゲルの「7つの罪源」シリーズのなかでは、この作品が一番難しいかもしれません。5番目に紹介するのは、「嫉妬」です。Envy(1558)Pieter Bruegel the Elder下部の銘文は、「嫉妬は恐るべき怪物であり、獰猛な疫病である」「死ぬことのない死とは嫉妬であり、残酷な疫病であり、誤った苦悩から自分自身を食らう獣である」。画面中央下部の人物は、右手で心臓を食べており、これが嫉妬を表す行為だとか。その右...

ブリューゲル「怠惰」(ブリューゲル版画の世界 その5)
暑い日が続いていますが、だからといってダラダラ過ごしていると・・・悪魔に目をつけられてしまいます。Sloth(1558)Pieter Bruegel the Elderピーテル・ブリューゲルの「7つの罪源」シリーズより、4番目に紹介するのは「怠惰」。下部の銘文は「怠惰は堅固な精神を打ち砕き、長き閑暇は意志の力を挫く」「怠惰は人を無力にさせて神経を枯らし、人をまったく役立たずにする」。なんともはや、他人事ではないこのテーマ。ついさっ...

ブリューゲル「激怒」(ブリューゲル版画の世界 その4)
曲がりなりにも平和な日本で曲がりなりにも平和な毎日を享受している僕らにとって、「7つの罪源」のなかでも実は一番この絵が怖いかもしれません。ピーテル・ブリューゲルの「激怒」です。Anger(1558)Pieter Bruegel the Elder下部の銘文は、「激怒は顔を膨れ上がらせ、血管は血でどす黒くなる」「激怒は口を腫れ上がらせ、感情を苛立たせ、精神を不調にし、血を黒く陰鬱にする」。中央下部には武装した人間の姿。その脇に従う熊...

ブリューゲル「傲慢」(ブリューゲル版画の世界 その3)
ピーテル・ブリューゲルの「7つの罪源」シリーズ。2番目に紹介するのは「傲慢」です。Pride(1558)Pieter Bruegel the Elder下部の銘文は、「傲慢な者は神々を愛することがなく、神々によって愛されることもない」「傲慢は神が何にもまして憎むもの、同様に神もまた傲慢から無視される」。もともと「傲慢」は、7つの罪源の中でも最も罪深いとされていたとか。敬虔な宗教徒にとっては、神を恐れぬ態度こそ罪悪だったのです。下部中...

ブリューゲル「貪欲」(ブリューゲル版画の世界 その2)
「ブリューゲル版画の世界」でぜひ見たいと思っていたのが、「7つの罪源」シリーズ。「貪欲」「傲慢」「激怒」「怠惰」「嫉妬」「大食」「邪淫」の7つからなり、前回紹介した「聖アントニウスの誘惑」と同様にヒエロニムス・ボス風の怪物たちが跳梁跋扈する幻想風景。今回から1つずつ、順に紹介していきたいと思います。Avarice(1558)Pieter Bruegel the Elderまずは「貪欲」。下部の銘文は、「飽きることなく貪欲な者に、どのよ...

ブリューゲル「聖アントニウスの誘惑」(ブリューゲル版画の世界 その1)
本日7月17日より開催の、渋谷Bunkamura ザ・ミュージアム「ブリューゲル版画の世界」に行ってきました。奇妙奇天烈奇々怪々な、ヒエロニムス・ボス風の怪物たち。でもボスに比べるとどこか愛嬌があって、コミカルな印象でした。まずはこちらをご覧あれ。The Temptation of St. Anthony(1556)Pieter Bruegel the Elderピーテル・ブリューゲル「聖アントニウスの誘惑」。ボス風の様式で描いた作品のなかでは、こちらが最初期のもの...

ピーテル・ブリューゲル「イカロスの墜落のある風景」
なんとなく、昨日の記事のオチがイマイチだったので・・・もう一回、ピーテル・ブリューゲルです。本日紹介するのは、初期の傑作「イカロスの墜落のある風景」。「イカロスの墜落」ではなく、「イカロスの墜落のある風景」。その意味とは・・・?Landscape with the Fall of Icarus(1556-58)Pieter Brueghel the Elder分かりますか?イカロスがどこにいるか、見つかりました?画面右下に注目すると、何やら水面に足がにょきっと...

ピーテル・ブリューゲル「バベルの塔」
昨日行って来た渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムですが、7月17日からは「ブリューゲル版画の世界」という企画展を予定しているそうで。これ、かなりおもしろそうです。ピーテル・ブリューゲルといえば、言わずと知れたネーデルランド絵画の巨匠。版画ではヒエロニムス・ボッス風のグロテスクな作品を多数発表しており、「ブリューゲル版画の世界」ではそっち系の作品が並ぶようで。さて、版画作品については展示を見てから紹介す...
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