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足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

今年一番、アクセス数が多かったのは……。

今年の9月27日にFC2にブログを引っ越して、気がつけばもう年末。比較的まじめに更新を続けてきましたが、みなさまお楽しみいただけたでしょうか。基本的には美術展で出会った作品紹介が中心なので、ちょっとマニアックなきらいもありますが……。今後も急がず焦らず無理のないように続けていこうと思っております。ということでで、たった3ヵ月分ではありますが拙ブログで一番アクセス数の多かった記事(作品)を。連日超満員を記...
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クリムト「ベートーヴェン・フリーズ」

年末といえば、「交響曲第九番」。ということで、渋谷のBunkamuraまでレニングラードの「第九」を聞きにいってきました。音の洪水と呼ぶにふさわしい怒濤の迫力で、あっという間の90分でした。さて、「第九」といえば……このあまりにも有名な交響曲を、絵画で表現した画家がいるんです。Beethovenfries - Freude / Der kuβ(1902)Gustav Klimt※画像をクリックすると拡大してご覧いただけます。「ベートーヴェン・フリーズ(第3場面...
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バーン=ジョーンズ×モリス商会「東方三博士の礼拝」

これ、絵画ではないんです。251.2×372.5cmの大型タペストリー。バーン=ジョーンズとモリス商会による「東方三博士の礼拝」です。画中の人物たちは、ちょうど等身大くらいってことでしょうか。100年以上も前にこんなのを作れるのが不思議でならない。The Adoration of the MagiDesigned by Edward Coley Burne-JonesFloral ground designed by John Henry DearleMorris & Co.この「東方三博士の礼拝」、デザインはエドワード・コリ...
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ハント「キリストと2人のマリア」

「ラファエル前派からウィリアム・モリスへ」より、もう一点。ウィリアム・ホルマン・ハント「キリストと2人のマリア」です。ハントらしい、いかにも艶やかな筆致。一歩間違えれば毒々しくもなりかねない色使い。これらの絶妙なバランスが、えも言われぬ神々しさを演出しています。Christ and the Two Marys(1847、1897)William Holman Hunt※画像をクリックすると拡大してご覧いただけます。ハントは1847年、20歳前後でこの作品...
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ウォーターハウス「フローラ」

今日は横須賀美術館の「ラファエル前派からウィリアム・モリスへ」を見てきました。片道2時間以上かけて、電車とバスを乗り継いで。会期が明日までだったんで勇を鼓して行ってみたんですが、いやーすごいよかったです。正面に海、後ろに山と立地も素晴らしいし、有名どころはないものの、ラファエル前派ならではの壮麗優美で精緻な作品ばかり。そして一番うれしかったのが、ウォーターハウスの「フローラ」でした。Flora(c.1914)...
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ルーベンス「眠る二人の子供」

クリスマスは、子どものためにあるのだと思います。目が覚めて、枕元にプレゼントが置いてあった時の喜びといったら。でも一番うれしいのは、喜ぶ我が子を見つめるお父さんお母さんなんだろうな。Two Sleeping Children(1612-13)Peter Paul Rubensペーテル・パウル・ルーベンス「眠る二人の子供」。国立西洋美術館所蔵の作品です。あどけなく頬を染めて寝息をたてる左側の子供と、目を覚ましてしまったものか、わずかに黒目が見...
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ドガ「バレエの授業」

今日は東京国際フォーラムへバレエを見にいってきました。レニングラード国立バレエの「くるみ割り人形」です。バレエは初体験だったんですが、いやはや何とも。軽やかで華やかで、美しいのはもちろんクスッと笑わせてくれる場面もあったりで。意外に子ども連れの方が多かったんですが、公演を見てなるほどと納得しました。これなら年齢問わず楽しめる。La Classe de danse(1873-76)Edgar Degas※画像をクリックすると拡大してご...
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ジョン・レスリー・ブレック「秋(新月)、ジヴェルニー」

どこかミレーの作品を思わせる、美しい農村風景。中央に一人、ややうつむきがちに佇む羊飼いの男性と、その向こうには黙々と草を食む羊たちの姿。空の向こうには白い月が浮かんでおり、羊たちが一カ所にまとまっていることを考えると、労働を終えてこれから家に帰ろうとする瞬間なのかもしれません。Autumn, Giverny(The New Moon)(1889)John Leslie Breckジョン・レスリー・ブレック「秋(新月)、ジヴェルニー」。前景は印象...
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ブランシュ・オシュデ=モネ「ジヴェルニーの庭、バラの小道」

Bunkamura ザ・ミュージアムで開催中の「モネとジヴェルニーの画家たち」ですが、見所のひとつがモネの義理の娘、ブランシュ・オシュデ=モネの作品でしょう。Giverny's Garden, The Path of Roses(after 1926)Blanche Hoschedé-Monetこちらは「ジヴェルニーの庭、バラの小道」。モネが亡くなった後に描かれた作品ですが、「モネの作品」と言われてもなるほどと納得してしまいそうな出来栄え。僕には見分けがつきません。ブ...
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エミール・ミラー「水のある庭」

傘も緑なら、椅子も緑。テーブルの脚も緑。むせかえるような緑のただなかで、静かに目を閉じて腰掛ける女性。彼女の右手は冷たい触覚を慈しむかのように、そっと池のふちに置かれています。The Pool(c.1910)Richard Emile Miller※クリックすると拡大してご覧いただけます。リチャード・エミール・ミラーの「水のある庭」。「モネとジヴェルニーの画家たち」で、特に印象に残ったのがこの作品でした。瞑想という行為が醸し出す、...
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モネ「赤とピンクの芥子」

渋谷Bunkamura ザ・ミュージアムの「モネとジヴェルニーの画家たち」を見に行ってきました。北九州市立美術館での展示のほうが先だったので今か今かと待ち望んでいたんですが、ようやく念願かなってご対面。めくるめくモネの世界を堪能……と思いきや、どっちかというと同時代にジヴェルニーで活動したアメリカ人画家の作品が中心だったみたいで。あ、もちろんモネの作品も堪能しましたよ。Red and Pink Poppies(1883)Claude monet...
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モネ「アルジャントゥイユのひなげし」

今日はとてもいい天気。絶好のモネ日和!ということで、午後は渋谷のBUNKAMURAでモネ展を見に行こうと思います。ちなみにその前に映画「トロン」も。こちらも楽しみ。Coquelicots à Argenteuil(1873年)Claude Monet※クリックすると拡大してご覧いただけます。モネの「アルジャントゥイユのひなげし」。ぼくのお気に入りの作品です。日傘を指して、坂道をくだる母と子。2人が歩いたあとを追いかけるように咲き乱れる、真っ赤...
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エヴァレット・ミレイ「あひるの子」

前回ご紹介した、ブグローの「少女」。国立西洋美術館でその隣に飾られているのが、ジョン・エヴァレット・ミレイの「あひるの子」です。Ducklings(1889)John Everett Millais※画像をクリックすると拡大してご覧いただけます。アンデルセンの「醜いアヒルの子」に材を取ったと思われる、少女の姿。髪は無造作に伸び、衣服は汚れ、暗い背景と足元から伸びる影が印象的です。画面下部には黄色いアヒルが描かれているものの、少女の...
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ブグロー「少女」

会社の同僚から、子どもができたと報告を受けたのは2ヵ月くらい前。生まれるのは来年初夏くらいだそうです。会社のなかで、一番最初に僕に教えてくれて……。以来いろいろと相談に乗ったり、いじくったりしているわけです。で、明日いよいよ、みんなに正式に発表するつもりなんだそうです。がんばれーー。Little Girl(1878)William Adolphe Bouguereau※画像をクリックすると拡大してご覧いただけます。こちらはウィリアム=アドル...
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ロバート・ヒューズ「星たちを引き連れた夜」

本日(12月14日)夜から翌未明にかけて、ふたご座流星群がピークを迎えます。流れ星に願いを込めて……。綾瀬は残念ながら曇り空ですが、みなさんのところはいかがでしょうか?Night with her Trail of Stars(1912)Edward Robert Hughesロバート・ヒューズ「星たちを引き連れた夜」。ラファエル前派の後継者として、最後のロマン主義として活躍した画家による、幻想的な夜の光景。羽根を広げた天使が胸に抱えるのは、眠りについた...
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エヴァレット・ミレイ「十月の冷気」

一瞬、写真と見まがう。よく見れば確かに絵画作品なんだけれど、どこか妙なリアリティがあって、実景のように思えて仕方がないのです。静けさが心にしみわたっていく。あぁ、これは心象風景なんだなぁ。Chill October(1870)John Everett Millais※クリックすると画像を拡大してご覧いただけます。ジョン・エヴァレット・ミレイ「十月の冷気」。かつて「オフィーリア」を描いたラファエル前派の画家が1870年代にたどり着いたのは、...
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ハント「シャロットの姫」

前回に引き続き、ハントの作品を。代表作「シャロットの姫」。外の世界を見ると死んでしまうという呪いをかけられたシャロットの姫ですが、ある日、鏡に映った騎士ランスロットの姿に心を動かされ、掟を破って窓の向こうを直接見てしまいます。その途端……鏡はひび割れ、織糸が彼女の体を縛り付けます。彼女はなんとか脱出し、ランスロットを追うも……。The Lady of ShalottWilliam Holman Hunt以前ウォーターハウスの「シャロットの...
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贖罪の山羊

荒れ果てた大地、生命の気配を感じさせない広大な湖と岩山。立ちつくす、一頭の山羊。The Scapegoat(1854~)William Holman Hunt ※クリックすると拡大してご覧いただけます。ウィリアム・ホルマン・ハント「贖罪の山羊」。歴史的に正確な描写を信条としたラファエル前派の一員だったハントは、この作品を描くために聖書に登場するソドムの街、ウスダムへ向かいます。エルサレムから約100km、死海の南岸。「この光景を見たならば、...
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パガニーニの肖像

天は二物を与えずというけれど、決してそんなことはないわけで。その典型的な例が、今回ご紹介する一枚。Portrait of Niccolo PaganiniJean-Auguste-Dominique Ingresドミニク・アングルの「パガニーニの肖像」。19世紀前半に活躍した天才バイオリニスト・パガニーニを描いた作品で、素描のすばらしさもさることながら、何より驚きなのはアングル自身がパガニーニも認めるほどのバイオリン奏者だったということ。四重奏の第二奏者...
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ガブリエーレ・ミュンターの肖像

カンディンスキーにしては、珍しく肖像画。というか、唯一の肖像画なんだそうです。Portrait of Gabriele Münter(1905)Wassily Kandinsky※画像をクリックすると拡大してご覧いただけます。ヴァシリー・カンディンスキー「ガブリエーレ・ミュンターの肖像」。ミュンターは青騎士のメンバーであり、1901年に結成したファーランクス以来の同志。そして2人は、道ならぬ恋に落ちていたんですね。カンディンスキーには既に奥さん...
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帽子店

この後ろ姿が好き。この色使いも好き。どことなく寂寥感も漂いつつ、じっと見ていたい誘惑に駆られます。Milliner's Shop(1913)August Macke※クリックすると拡大してご覧いただけます。アウグスト・マッケ「帽子店」。部屋に飾りたくなる一枚です。なんとなく、マッケの作品って後ろ姿のイメージが強いんだよな~。背中で語る、そんな感じですかね。ちなみにこの時期のマッケの作品は、人物がこちら側を向いていたとしてもたぶん...
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印象3(コンサート)

迫り来る黄色。熱狂が波のように押し寄せる、これぞ色彩のマジック。ヴァシリー・カンディンスキーの「印象 3(コンサート)」です。Impression 3 , Concert(1911)Wassily Kandinsky中央上部の黒い色面はグランドピアノ、その左右の白い帯は、コンサート会場の柱を表しているのだとか。画面左半分を埋めるのは、鮮やかな色彩で表現された聴衆の姿。彼らの興奮が、会場を埋め尽くす熱気が、そしてきらびやかな音の奔流が、黄色と...
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フランツ・マルク「虎」

今日は三菱一号館美術館の「カンディンスキーと青騎士展」を見てきました。お目当てはカンディンスキーではなく、フランツ・マルク。わずか10年ほどの画業のなかで、ひたすら動物の絵を描き続けた画家です。Tiger(1912)Franz Marc※クリックすると拡大してご覧いただけます。こちらはフランツ・マルクの「虎」。直線的な処理で思いっきりデフォルメされているのに、見た印象は虎そのもの。周囲には鉱石のような、結晶のようなエレ...
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竹窓裸婦

一度見たら忘れられないインパクト。どうも僕は好きになれないんだけど、大原美術館のたくさんの作品のなかで印象に残ったもの、となるとやはりこれははずせない。梅原龍三郎の「竹窓裸婦」です。Nude by the Window(1937)Umehara Ryuzaburo緑色の裸婦。なんともまがまがしく、そしてたくましいお姿……。夢に出てきたらうなされそうですね。エロスな感じはしない。きれい、というわけでもない。でも何か、強烈なものが込められて...
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マドンナ(大原美術館特集 5)

マドンナと呼ぶには、あまりにも退廃的でどこか愁いの漂う作品。大原美術館特集第5回は、エドヴァルド・ムンクの「マドンナ」です。Madonna(1895-1902)Edvard Munch左下に胎児、周りには精子。中央には苦悶とも恍惚とも取れる表情の、影のある若い女性。「マドンナ」のモデルとなったのは、ムンクが当時思いを寄せていたダグニー・ユールといわれています。ダグニーはファム・ファタールと呼ぶにふさわしい、恋多き女。そしてム...
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万有は死に帰す、されど神の愛は万有をして蘇らしめん(大原美術館特集 4)

劫火に焼かれ、死に絶える人々。眠りから覚め、息を吹き返す人々。そして神のもと、この世の春を謳歌する人々。9枚で1セットのこの大作には、とにかく数えきれないほどの人が描かれています。その迫力と威容たるや……。All Things Die, But All Will Be Resurrected Through God's Love(1893-1918)Leon Frederic※クリックすると拡大してご覧いただけます。ベルギー象徴主義の画家、レオン・フレデリック作、「万有は死に帰す、さ...
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りんご採り

印象派の面々のなかでただ一人、全8回にわたる印象派展に出品し続けた画家、カミーユ・ピサロ。国内で開かれる印象派関連の展覧会にはたいてい彼の作品が出品されていますが、どんな作品だったかと思い出そうとすると「あれ?」ってことがよくあります。美術館での扱いのせいなのか、どうも地味なイメージなんですね。でも、大原美術館で見たこの作品は一目見て気に入ってしまいました。Apple Picking(1886)Camille Pissarroカ...
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受胎告知(大原美術館特集 3)

岡山に行ったら、ぜひ見ておきたい一枚。エル・グレコの「受胎告知」です。これを見られただけでも、今回の旅は大正解だったかなぁと。Annunciation(1590-1603)El Grecoよく言われることですが、エル・グレコの宗教画って独特のねじれや色使いがちょっと気持ち悪いんですよね。歪んだ鏡に映った世界のような、そんな雰囲気で。「トレド眺望」なんて、極端にもほどがある。ただ、それがエル・グレコが唯一無二の画家である所以な...
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