足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

ルノワール「アンリオ夫人」

あいかわらず、お美しい。1年ぶりの再会に思わず胸がときめきました。ピエール=オーギュスト・ルノワール「アンリオ夫人」。昨年の国立新美術館「ルノワール 伝統と革新」に続き、「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」にいらっしゃってます。Madame Henriot(1896)Pierre-Auguste Renoirどうです、この優雅な微笑み。キリッとした弓なりの眉、やや大きめの、澄んだ瞳。青を基調とした画面のなかで、ほのかに朱がさした頬と...
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狩野一信「五百羅漢図」

昨日は国芳展のあと、江戸東京博物館の「五百羅漢」へ。マッチョな武者絵のあとで五百人の親父たちということで……おなかいっぱい、夢いっぱいでございました。ということで、狩野一信「五百羅漢」よりこの一幅。The Five Hundred Arhats-The Six Realms: HellKano Kazunobu第22幅、「六道 地獄」。雲の上から地獄を見下ろし、龍の炎をかきけさんばかりに突風をあやつる羅漢。ぱっと見どっちが悪役か分からない表情ですが、よく見れ...
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歌川国芳「相馬の古内裏」

破天荒の浮世絵師、歌川国芳。没後150年を記念した展示が太田記念美術館で開かれており、前期展示の最終日ギリギリで見てきました。まずはこちら、歌川国芳「相馬の古内裏」。Haunted Old Palace at Soma(1844-48)Utagawa Kuniyoshi場所は下総国相馬、かつて平将門が築いた内裏の廃屋。左端で巻物を広げる女性は将門の娘・滝夜叉姫。亡き父の遺志を継ぎ、兵を集め、彼女はやがて妖怪を操るように。滝夜叉姫を討伐しにやってきた...
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モディリアーニ「ジャンヌ・エビュテルヌの肖像」(恋愛美術館より)

西岡文彦氏の「恋愛美術館」を読みました。画家たちにまつわる純愛・悲恋、はたまた愛憎のドラマをおさめた良書で、モディリアーニ、ピカソ、ドガ、モネ、ルノワール、ムンクなど名だたる画家のエピソードがずらり。今回はそのなかからちょっとだけ、モディリアーニ「ジャンヌ・エビュテルヌの肖像」をご紹介します。Portrait of Jeanne Hébuterne(1918)Amedeo Modigliani大きな瞳で画面の中から、絵を見る者をじっと見つめ...
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ピカソ、最後の「自画像」

パブロ・ピカソ最後の「自画像」。死の前年に描かれた画家自身の顔は、どことなく寂しげで……じっと見ていられない。Self-Portrait(1972)Pablo Picasso深く刻まれたシワ、顔の色は青黒く人間以前のけだものに戻ったような、原始的な表情。かたく引き結んだくちびるは何かを耐え忍んでいるようで、ぽっかりとあいた洞窟のような瞳は……ピカソはこのとき、何を見ていたんでしょう。衰えを知らぬ精力と創造力で絵筆を振るい続けた20世...
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エドウィン・ロング「選ばれし5人」

今から1700年も昔。5人の美女を集めて裸にし、彼女たちの最も美しいパーツを組み合わせて理想とする美女を描こうとした画家がいます。彼の名は、ゼウクシス。古代ギリシャの伝説的画家です。Choosen Five(1885)Edwin Longesden Longこちらは19世紀イギリスの画家、エドウィン・ロングの「選ばれし5人」。ゼウクシスが5人の美女を集めて制作に没頭する場面を描いた作品です。画中のゼウクシスが描こうとしたのは、ホメロスの叙事...
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バジール「若い女性と牡丹」

国立新美術館の「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」ですが、個人的に嬉しかったのがバジールとカイユボット。特にバジールは夭逝の画家ゆえ作品数自体が少ないらしく、そんな彼の作品が3点も来日してるんですよね。ということで、今回はフレデリック・バジール「若い女性と牡丹」を。Young Woman with Peonies(1870)Frédéric Bazilleずらりと並んだ色とりどりの春の花。その中から淡いピンクの牡丹を手にとり、...
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マネ「鉄道」、不自然な母娘

ベンチに腰かけてこちらを見つめる女性、こちらに背を向けて柵の向こうを見つめる女の子。エドゥアール・マネ「鉄道」。鉄道は……どこにも描かれていないのです。The Railway(1873)Edouard Manet柵の向こうは、クロード・モネが繰り返し描いたサン・ラザール駅。モクモクと広がる白い蒸気が、かろうじて鉄道の存在を思わせます。鉄道といえば近代文明を象徴する存在ですが、無邪気に柵に手をかける女の子に対して、女性(母親?)...
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ルドゥーテ「美花選」

「花のラファエロ」「バラの画家」と呼ばれ、ナポレオン一世の皇妃ジョゼフィーヌらの庇護のもと宮廷付きの植物画家として名をはせた、ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテ。彼の集大成ともいえる版画集「美花選」を中心とした、Bunkamuraの「ルドゥーテ『美花選』展」に行ってきました。Fairest Flowers ~Roses~Pierre-Joseph Redouteこちらは「美花選」より、ルドゥーテが得意とした「バラ」。みずから「バラ図譜」という作品を出版...
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雪舟「四季花鳥図屏風」

出光美術館の「花鳥の美」を見てきました。明日(6月19日)までなんで、大慌てで。雪舟等楊(伝)の「四季花鳥図屏風」、すばらしかった!Flowers and Birds of Four SeasonsSesshu Toyoくっきりとした輪郭線で描かれた樹木や岩に対して、鳥たちは霧の向こうにいるかのような表現。全部で4羽描かれてるんですが、実物を前にしてもよく見ないと気づかないくらいです。じいっと見つめていると、そのうち幽玄の世界に迷い込んだような...
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カサット「青いひじ掛け椅子の少女」

こらこら、ちょっとお行儀が悪いのでは……?いたずらそうな口元、思わせぶりな目元。退屈そうに足をぶらぶらさせてるんでしょうか、反対側の椅子では、子犬がうるさそうな表情。メアリー・カサット「青いひじ掛け椅子の少女」。この子は将来、大物になりそうですね。Little Girl in a Blue Armchair(1878)Mary Cassattランダムに置かれた青い椅子は、メリーゴーラウンドみたいにくるくる回転しそうな、生き生きとした色彩。そうい...
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モネ「ヴェトゥイユの画家の庭」

光を求めて戸外へ歩み出した印象派のように、画中に描かれるひまわりは太陽に向かって大輪の花を咲かせています。クロード・モネ「ヴェトゥイユの画家の庭」。道の向こうからそよ風が吹いてきそうな、何だかいいことが起こりそうな気がする爽やかな一枚です。The Artist's Garden at Vetheuil(1880)Claude Monetさぞかしひまわりの黄色が鮮烈なんだろうな、と期待に胸をふくらませていたんですが、実物を見ると、意外に黄色は控...
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モネ「日傘の女性、モネ夫人と息子」

1年ぶりの再会?でも、どこか違う。クロード・モネ「日傘の女性、モネ夫人と息子」。第2回印象派展に出品された時は「散歩道」と名付けられていた傑作です。国立新美術館の「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」より。Woman with a Parasol - Madame Monet and Her Son(1875)Claude Monetグリーンの日傘を手に、草原に佇む女性はモネの妻、カミーユ。こちらに気づいて振り返ったその瞬間を、モネは独特の流れるような筆致で...
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クレー「嘆き悲しんで」

パウル・クレーは9600点もの作品を遺産コレクションとして管理するため8つのカテゴリーに分類し、カテゴリーごとに価格を設定していたそうです。一方、それ以外に非売品と位置づけられた作品もありクレーはこれを「特別クラス」とし、終生手元に残したそうです。今回は「特別クラス」の1点、「嘆き悲しんで」を。Trauernd(1934)Paul Klee無数の四角形と曲線で構成された、シンプルにして複雑な一枚。曲線で囲まれたエリアごとに...
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クレー「綱渡り師」

ねじれた階段、不安定な立体。バランス棒を握りしめて、慎重に歩を進める……パウル・クレー「綱渡り師」。観ているこちらが不安になったり応援したくなったり手に汗握ったりと、なぜだか胸を打つ一枚です。Seiltänzer(1923)Paul Kleeこの作品は、クレー独自の技術「油彩転写」によるもの。まず最初に素描があって、それを黒く塗りつぶした紙の上に置いて、線を針でなぞっていくと一番下に置いた紙に線が転写されると。カーボ...
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クレー「花ひらいて」

いよいよ東京にもやってきました、東京国立近代美術館「パウル・クレー おわらないアトリエ」。京都からの巡回で、今か今かと待ち望んでいたんです。思わず仕事中に会社を抜け出して……。ということで、まずはこちら。「花ひらいて」です。Blühendes(1934)Paul Kleeキルトのような、柔らかい四角形の集合体。見るだけでなく、触れて感触を確かめたいと思わせるのもクレーの作品ならでは。外側は暗く、中心部から徐々に明る...
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三井記念美術館『館蔵品展』

しばらく「写楽展」の感想が続きましたが、実は「写楽展」の前にこちらにも立ち寄っていました。三井記念美術館の「館蔵品展」です。もともとはホノルル美術館所蔵「北斎展」が予定されていたんですが、震災の影響で館蔵品展に切り替わったとのこと。こればっかりは仕方ないですね。急な予定変更にもかかわらず、展示作品はさすがの一言。長次郎、道入、一入、宗入と樂家代々の楽焼茶碗、重要文化財の「日月松鶴図屏風」のほか、特...
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喜多川歌麿「歌撰恋之部 物思恋」

東京国立博物館の「写楽展」、何気に歌麿の作品も結構出てました。特に雲母(きら)摺りの美人絵は、思わず足を止めてうっとり。実物だからこその艶やかな輝きでした。Reflective Love(1794)Kitagawa Utamaroこちらは喜多川歌麿「歌撰恋之部 物思恋(ものおもうこい)」。頬杖をついて物思いにふける、西洋絵画でいうところのメランコリーのポーズ。どこかうつろな表情に、想像をかきたてられます。グイグイこちらに押し込んでく...
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写楽「三代目市川高麗蔵の亀屋忠兵衛と初代中山富三郎の新町のけいせい梅川」

東州斎写楽、第2期の作品。「三代目市川高麗蔵の亀屋忠兵衛と初代中山富三郎の新町のけいせい梅川」。前回ご紹介した第1期の大首絵とはうってかわって、こちらは全身の二人図です。The Actors Ichikawa Komazo 3 as Kameya Chubei, and Nakayama Tomisaburo 1 as the Courtesan Umegawa of Shinmachi(1794)Toshusai Sharaku第1期と比べると……どうでしょう?同じ黒雲母摺りながら、構図の違いもあって受ける印象は大きく違います...
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写楽「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」とロートレック

役者は揃った。というか、揃いすぎ(笑)なんせ写楽の全作品146点のうち、142点(震災の影響で141点?)が揃い踏みというものすごいラインナップ。東京国立博物館の「写楽」、行かなきゃ損です。The Actor Otani Oniji 3 as Edobei(1794)Toshusai Sharakuこちらは東州斎写楽第1期の大首絵「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」。この目、この眉、この唇!画面から身を乗り出してきそうな迫力は、やっぱり写楽ならでは。ほかの絵師の大首...
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ドグーヴ・ド・ヌンク「黒鳥」

純潔と光を表す存在として、神話にたびたび登場する白鳥。一方、この黒鳥は……観る者に不安を強いる、深い闇。ウィリアム・ドグーヴ・ド・ヌンク「黒鳥」。夜景画を得意とした象徴主義の画家が描いたのは、悪い夢でも見ているかのような不穏な情景でした。Le Cygne Noir(1896)William Degouve de Nuncquesということで、「ブラック・スワン」を見てまいりました。念願だった「白鳥の湖」のプリマに選ばれるものの、優等生的な踊り...
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シャヴァンヌ「もの思い」

薄暗い森に一人たたずみ、額に手をあて物思いにふける女性。ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ「もの思い」。彼女は何を、思っているのでしょうか……。recueillement(1867)Puvis de Chavannesこの「もの思い」と同じ構図の「瞑想」という壁画があり、前にご紹介した大原美術館所蔵の「幻想」とともにかつて彫刻家クロード・ヴィニョン邸を飾っていたのだとか。制作年代的には、「もの思い」のほうがレプリカということになるんでしょ...
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マティス「黄色のドレスとチェックのドレスの娘」

安定したピラミッド型の構図を二分する、鮮烈な赤と黄色!!これぞマティスの色彩ですね。Deux jeunes filles, robe jaune, robe écossaise(1941)Henri Matisseアンリ・マティス「黄色のドレスとチェックのドレスの娘」。左側の女性はソファおよび床の色と呼応する、黄色のドレス。右側の女性は壁紙の色と呼応する、赤いチェックのドレス。2つの原色の絶妙な配置に、思わず目を奪われます。色彩の境界線をたどってみたり、...
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