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足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

モホイ=ナジ「A19」

新しい視覚。光と運動による造型。抽象。実験。モホイ=ナジ「A19」。難しいことは置いといて、この色使いは好き。Don't think.Feel!考えちゃだめですね。感じるのです。A19(1927)Moholy-Nagy Lászlóということで、京都国立近代美術館で開催中の「視覚の実験室 モホイ=ナジ/イン・モーション」です。モホイ=ナジはハンガリー出身の芸術家で、構成主義の美術家・写真家、バウハウスの教師として活動。絵画、写真、...
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フェルメール「手紙を書く女と召使い」

黄色の「手紙を書く女」、青の「手紙を読む青衣の女」ときたら、当然次は赤ですね。フェルメール「手紙を書く女と召使い」。京都市美術館の『フェルメールとラブレター展』で、一番印象に残ったのがこの作品でした。A Lady Writing a Letter with her Maid(c.1670)Johannes Vermeer左上の窓と対角線上におかれた、深紅のテーブルクロス。そのうえで、一心に手紙を書く女主人。召使いは微かな笑みを浮かべて、窓の外に視線を向け...
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フェルメール「手紙を読む青衣の女」

「フェルメールからのラブレター展」、一番の注目はなんといっても「手紙を読む青衣の女」です。アムステルダム国立美術館での修復後、世界初公開!フェルメールの青がよみがえる!これは期待が高まるぞ、と。Girl Reading a Letter(1663-64)Johannes Vermeerぎゅっと手紙の両端を握りしめ、熱心に見入る女性。わずかに口元を開いてますが、声に出して読んでいるのかもしれません。17世紀のオランダでは識字率の向上と郵便制度の...
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フェルメール「手紙を書く女」

東京への巡回が待ちきれず。行ってしまいました、フェルメール@京都市美術館。ということで今回は、フェルメールの「手紙を書く女」です。A Lady Writing(c.1665)Johannes Vermeer現存するフェルメール作品の約5分の1、計6点が手紙をモチーフとした作品。「手紙を書く女」もそのうちの1点で、左上からの柔らかな光に照らし出された女性が、手紙を書いている最中にこちらを振り向く瞬間を描いたものです。まず目を奪われたのが、...
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モネ「睡蓮」(アサヒビール大山崎山荘美術館にて)

2泊3日の京都旅行、行ってまいりましたー。初日は京都駅からJRで15分くらいのところにある、アサヒビール大山崎山荘美術館へ。モネの「睡蓮」を堪能しました♪Water Lilies(1914-17)Claude Monetアサヒビール大山崎山荘美術館は名前のとおりもともとは山荘だった建物を美術館として残したもので、本館には陶器を中心としたコレクションが展示されており、モネの「睡蓮」は新館のほうで見ることができます。新館は「地中の宝石箱」...
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東山魁夷「緑潤う」

萌ゆる緑は春の色。燃ゆる緑は夏の色。あぁ美しき、京の四季。静かに燃ゆる、京の夏。そんな京都の庭園を描いたのが、東山魁夷の「緑潤う」です。山種美術館「美しき日本の原風景」より。東山魁夷に京都の自然を描くよう薦めたのは、かの文豪、川端康成。「京都は今描いていただかないとなくなります。京都のあるうちに描いておいてください」この言葉を受けて、魁夷は「緑潤う」を含む京洛四季の連作を手掛けます。以下は魁夷の言...
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山本芳翠「灯を持つ乙女」

光と影が綾なす、無上の美しさ。山本芳翠「灯を持つ乙女」。日本人が忘れてしまった美意識が、この一枚に込められているように思います。灯した炎を消さぬように、手のひらで風よけのおおいを作る和装の女性。蝋燭の炎はかざした手を透かし、彼女の顔を照らし出し……えも言われぬ、神秘的な光景です。アート好きの方なら、この「灯りを持つ乙女」を見たときジョルジュ・ド・ラ・トゥールの作品を思い浮かべるかもしれません。女性と...
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ドラクロワ「墓場の孤児」

墓地を背にして、戸惑いの表情を浮かべる少女。ウジェーヌ・ドラクロワ「墓場の孤児」。彼女は何を見、何を思うのでしょうか。Jeune orpheline au cimetière(1824)Eugène Delacroix「墓場の孤児」は、ドラクロワが25歳のときに描いた作品。ギリシャ独立戦争における虐殺を描いた「キオス島の虐殺」の下絵として描かれたという説もあるそうですが、真相はいかに。当時のフランスは打ち続く戦争や政治的混乱の影響で、多...
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奥田元宋「奥入瀬(春)」

うだるような暑さのなかせめてもの涼を求めて山種美術館へ。そこで待っていたのは、「美しき日本の原風景」。なかでも奥田元宋の「奥入瀬(春)」の前には、息を呑むほどの清冽な景色が広がっていました。Oirase-Spring(1987)Okuda Gensou右から左へ、しぶきを上げてかけぬける清流。ぶつかり、うねり、ほとばしり、澄んだ流れは冷気を運びます。樹々の緑はあざやかに茂り、その隙間から差し込むのは、金泥による太陽光。春の花...
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雪舟「天橋立図」

1911年に現在の日本橋が架橋されてから、今年でちょうど100年。これを記念して、三井記念美術館で「日本美術にみる橋ものがたり -天橋立から日本橋まで-」という展覧会が開かれています。会期序盤の目玉は、何といっても雪舟の「天橋立図」でしょう!View of AmanohashidateSesshu Toyo松島、宮島と並ぶ日本三景のひとつ、天橋立。いまから500年以上も前に、この地を描いたのが雪舟の「天橋立図」で、国宝にも指定されている逸品...
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歌川国芳「かさねのぼうこん」

昨年(2010年)、80年ぶりに発見された歌川国芳の真作「かさねのぼうこん」。遅ればせながら、この浮世絵版画を見に原宿の太田記念美術館へ行ってまいりました。Specter of Kasane(c.1847-52)Utagawa Kuniyoshi「かさねのぼうこん」は「累の忘魂」と書き、財産に目がくらんで醜女(累)のもとに入り婿した男が妻の容姿に耐えられず殺害してしまい、以後、怨霊(忘魂)となった累が新しい妻を次々に殺してしまう、というお話。右...
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狩野永徳「唐獅子図屏風」

隆々と盛り上がる筋肉、堂々たる体躯。黄金の雲をかきわけ、悠々と歩を運ぶ二頭の神獣。圧倒的な重量感の一方で、しなやかさと軽やかさも併せ持つ。狩野永徳「唐獅子図屏風」。迫真の傑作です。Chinese Lion(16th century)Kano Eitoku「唐獅子図屏風」は、宮内庁三の丸尚蔵館の至宝。サントリー美術館「不滅のシンボル 鳳凰と獅子」にて、7月24日まで展示されています。今回ご紹介した部分は右隻にあたり、信長や秀吉にも仕えた...
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カシミール・マレーヴィチ「黒の正方形」

本日、覚えた一枚。カシミール・マレーヴィチ「黒の正方形」。たぶん、二度と忘れないでしょう。Black Square(1915)Kasimir Malevichマレーヴィチは、20世紀初頭のロシアの画家。彼は無対象を主義とし、シュプレマティスムを掲げ……という感じでいろいろ調べてみましたが、なんか難しすぎてついていけませんでした(笑)。個人的には作品そのものがスゴイというよりこの作品を世に認めさせたことがスゴイな、と。絵の良さは……おら...
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世界一美しい絵、伊藤若冲「菊花流水図」

暑いので、涼しげな一枚を。伊藤若冲「菊花流水図」です。日本画コレクターのジョー・D・プライス氏が世界一美しい絵と評する作品。「菊花流水図」は、全30幅の「動植綵絵」なかの一枚。京都・相国寺に寄進された作品です。以下、プライス氏のお言葉。あまりにも鮮やかな色と美しい構図に圧倒され、喜びのあまり体が震えました。そして嗚咽をこらえることができませんでした。それにつけてもこの構図。左下の垂れ下がった(落ちた...
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ゴッホの「自画像」は贋作!?

国立新美術館の「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」にて、目玉のひとつとして展示されているゴッホの「自画像」。これが贋作なのでは!?というショッキングな本があります。Self-Portrait(1889)Vincent van Gogh小林英樹「『ゴッホ』にいつまでだまされ続けるのか」という新書。同氏は他にもゴッホに関する書籍を出しており、今回も売名行為とかそういうのではなく本気の告発と思われます。それだけに、読むこちらも背筋...
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ブグロー「編み物をする少女」

暗がりでこちらを見つめる少女。手には編み針、何を作っているんでしょうか。ウィリアム=アドルフ・ブグロー「編み物をする少女」。う~む、すばらしい。ブグロー展やってほしい。Knitting Girl(1874)William Adolphe Bouguereauブグローは神話を主題とした裸婦像を得意としたフランス・アカデミズムの画家ですが、一方で現実の人々を農民風に描いた風俗画も手掛けていました。「編み物をする少女」に関しても、同様のタイトル...
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ロセッティ「マリゴールド」

ロセッティの描く女性って、基本的にみんな同じようなアクの強い顔でちょっと苦手だったんです。でもこの作品は別格。「マリゴールド」、これは素敵だ。Marigolds(1874)Dante Gabriel Rossettiということで、今日は目黒区美術館の「ラファエル前派からウィリアム・モリスへ」を見てきました。実は都内に巡回してくることを知らずに、昨年のクリスマスに横須賀美術館まで見に行っちゃったんですよ。もちろん一人で。 (。´Д⊂)それは...
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セガンティーニ「湖を渡るアヴェ・マリア」

羊が一匹、羊が二匹……いくら何でも乗せすぎでしょ、これ(笑)今回はセガンティーニ「湖を渡るアヴェ・マリア」です。Ave Maria on the Lake(1886)Giovanni Segantiniアルプスの画家・セガンティーニの出世作となったのが、1883年発表の「湖を渡るアヴェ・マリア」。アムステルダムの万国博覧会で金賞に輝き、彼は以降、同じタイトルの作品を複数制作しています。今回ご紹介するのは、1886年発表の第2作。第1作ではちょうど地平...
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発見! ダ・ヴィンチの真作「世の救い主」

長く行方不明になっていた、レオナルド・ダ・ヴィンチの作品が見つかったそうです。タイトルは「世の救い主」。描かれているのは救世主イエス・キリストです。Salvator MundiLeonardo da Vinci17世紀イギリス国王のチャールズ1世、2世が所有したあと行方不明になり、メトロポリタン美術館での鑑定の結果、このたび真作と確定したとのこと。新聞社とかのニュースで取り上げられてないんでマユツバものかと思ったけど、海外ではタイ...
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竹内栖鳳「大獅子図」

サントリー美術館「鳳凰と獅子」より、獅子といったらこの人でしょう。竹内栖鳳「大獅子図」。大きい獅子の図というか、獅子より大きい図(笑)Large Lion(c.1902)Takeuchi Seiho昨年冬にもニューオータニ美術館で竹内栖鳳の「獅子」を見たんですが、今回の「大獅子図」はさらにリアルですね。リラックスした姿勢なのに威圧感がピリピリ伝わってくるのは、これまさに王者の貫禄。いたずらに吠え立てることはせず、かといって容易...
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伊藤若冲「旭日鳳凰図」

テレビ東京「美の巨人たち」でパウル・クレー「襲われた場所」の色彩の秘密が紹介されてましたが、日本のこの方だって、色彩では負けてません。伊藤若冲「旭日鳳凰図」。文字通り旭日のような、鮮やかな光を発する一枚。Phoenixes and the Rising Sun(1755)Ito Jakuchu伊藤若冲の「旭日鳳凰図」はサントリー美術館の「鳳凰と獅子」で展示されているんですが、他の作品と比べて明らかに異質でした。遠く離れていても、目に飛び込...
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ゴッホ「薔薇」

次々にツボミがふくらみ、はじけるように花が咲く。フィンセント・ファン・ゴッホ「薔薇」。命が生まれる瞬間を切り取ったような、歓喜の一枚。Roses(1890)Vincent van Goghゴッホがこの作品を描いたのは、1890年の初夏。前年にゴーギャンとの諍いから耳切り事件を起こし、精神病院へ。病状が快方に向かい、退院前の最後の数週間のうちに描いたのがこの「薔薇」です。回復を実感したゴッホの喜びが、痛々しいほどに伝わってきま...
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ルノワール「踊り子」

振り向きざまの、この表情にノックアウト。ピエール=オーギュスト・ルノワール「踊り子」。幼さと凛々しさが同居する、不思議な一枚です。The Dancer(1874)Pierre-Augustê Renoir国立新美術館の「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」では、前回ご紹介した「アンリオ夫人」の隣にこの「踊り子」が展示されています。どちらも青を基調としており、透き通るような肌と白いドレスが背景と溶けあい、ルノワールの巧みな色使...
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