足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

小林古径「白華小禽」

白い花のとなりには、可憐な青い鳥。小林古径「白華小禽」。かわいらしい一枚です。いま、メインビジュアルに白い花を使った仕事をしています。そのまま最終形まで持っていけるか分からないけど、ここ数年で一番気合いをいれて臨んだ仕事です。小さい仕事だけど、うまく形になるといいな。ちょっと前までは、過去のメールを見返してそのたびに発作のように涙を流してたんですが最近になって、ようやくそれもなくなってきました。思...
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モーリス・ドニ「家族の肖像」

また、モーリス・ドニ展に行ってきました。2週間前に行ったばかりですが、まぁ、好きなもので。。。前回とはまた違う心境で展示を見てまわりましたが、ドニの描く妻と子どもの笑顔に、やっぱり心を打たれます。ちょっと泣きそうになりました(笑)Grand Portrait de Famille(1902)Maurice Denisこちらはモーリス・ドニ「家族の肖像」。家族全員がしあわせそうにこちらを見つめているのは、描き手である父親(ドニ)と心が通じ合...
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モネ「ラヴァクールの日没」

沈む夕日をみて、美しいと思う人と悲しいと思う人がいるでしょう。ぼくはなるべく、美しいと思いたい。一日の終わりを惜しむより、次の一日に思いを馳せる人でありたいです。Sunset on the Seine at Lavacourt, Winter Effect(1880)Claude Monetこちらはクロード・モネの「ラヴァクールの日没」。有名な「印象、日の出」と似たような構図で、愛妻カミーユの死を乗り越えて、モネがたどりついた作品です。この年、モネは再起をか...
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クリムト「ブナ林(白樺林)」

白樺とブナが立ち並ぶ、秋の森。足もとには、真っ赤な落ち葉が大地をおおっています。グスタフ・クリムト「ブナ林(白樺林)」。森の奥は見えないけれど、かすかに見える2本の青い花に、こころなぐさめられます。Birch Forest(1903)Gustav Klimt昨晩の決意は、次の朝には崩れてしまいます。朝方の決意は、昼ごろには崩れてしまいます。そうして堂々巡りをくりかえして、相変わらずぼくは、森のなかをさまよっています。「もう迷...
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お知らせ

ちょっと考えるところがあり、お休みをいただこうと思います。頭のなかがぐるぐるしていて、何を書いたらいいのか分からないような状態で。しっかりしなきゃと思いつつ、そういう状況なので充電期間、ということでご容赦ください。たぶん1、2週間でもとに戻ると思います。いつもごひいきにしてくださる方々には、たいへん申し訳なく思います。すえ...
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宮本輝「錦繍」と有元利夫「遥かなる日々」

手紙と本が届きました。何よりもうれしく、ちょっと切ない贈り物です。ずっと大切にしたいと思います。宮本輝の「錦繍」。かつて夫婦だった男女が交わす、往復書簡という形式の小説です。ぼくにとって何より大切な一冊なのですが、この表紙に使われているのが有元利夫の「遥かなる日々」という作品です。宮本輝は有元利夫の大ファンらしく、彼の作品の装丁には、たびたび有元作品が使われています。「遥か」という言葉には、過去と...
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マレーヴィチ「白の上の白」

白い花。白い服。白い月。白い正方形……むむむ?マレーヴィチ「白の上の白」。なるほど、まっしろだ。White on White(1918)Kazimir Malevich寝ても覚めても、わらってしまうくらい頭のなかは一色に染まってます。もう、まっしろ。ここに黒い正方形を置いたとしても、気が付けばまっしろに染まってしまいます。白は光。黒い鳥は壊れた翼を広げて、夜の光のなかへ飛んでいきました。このまま影を置き去りにして、光のなかで遊べたら...
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ミュシャ「音楽」

ちょっと前向きに。アルフォンス・ミュシャの「音楽」です。「四大芸術」という連作のうちの1枚で、小鳥たちのさえずりに耳をすませているような美しい女性が描かれています。Music(1898)Alfonse Mucha今もむかしも、音楽に助けられています。目を閉じて音楽を聴いていると、そのまま深く深く沈みこんでいくような気持ちになります。海の底で揺られているような、穏やかな気分。うるさい音楽も好きだけど、今は静かな音楽に浸っ...
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クノップフ「シューマンを聴きながら」

ひとり椅子にもたれ、物思いにふける女性。ピアノを弾く人は見当たらず、音楽は彼女の心のなかで奏でられているのでしょうか。フェルナン・クノップフ「シューマンを聴きながら」。彼女はいま、何を想っているのだろう。Listening to Schumann(1883)Fernand Khnopff今夜も月がきれいです。1ヶ月前の、月がきれいだった晩。どんな気持ちで電話をくれたのか、今更にして気づきました。真夜中の2時過ぎに、どれだけ勇気がいっただろ...
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奥田元宋「奥入瀬(秋)」と、乙川優三郎「安穏河原」

紅葉が燃える、秋の渓流。まるで別世界にまよいこんだような美しさです。奥田元宋「奥入瀬(秋)」。以前ご紹介した「奥入瀬(春)」と対をなす、清らかな瀬音が聞こえてきそうな一枚です。Oirase-Autumn(1983)Okuda Genso今日、乙川優三郎の「生きる」を読みました。「生きる」「安穏河原」「早梅記」の3編からなる作品で、第127回直木賞に選ばれた傑作です。3編のなかで、特にぼくが心ひかれたのが「安穏河原」でした。物語は...
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アンリ・ルソー「夢」

深い森に横たわり、月を見つめる女性の名は、ヤドヴィガ。かつて画家が愛した女性です。アンリ・ルソー「夢」。不器用な画家が夢みた甘美な世界が、ここにあります。The Dream(1910)Henri Rousseau今夜は中秋の名月でした。思い出をたどりながら、じっと月を見上げていました。月の光は、森の奥に届くのだろうか。ずっとこの森で彷徨っていたいと、そんなことを思いました。遠くで同じ月を見ているのかと思うと心が満たされて、...
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モーリス・ドニ「子どもの身づくろい」

子どもをそっと抱きよせ、右手のスポンジで頭を洗う母親の姿。モーリス・ドニ「子どもの身づくろい」。なんてやさしい作品なんだろうか。La Toilette de L'enfant(1899)Maurice Denis私はあなたの小さき子どもです、あなたが私を高めるのです。ドニはこんなふうに、妻のマルトを愛し、彼女とのあいだに生まれた子どもたちを愛しました。家族というものを描かせたら、この人の右に出る者はいないだろうとぼくは勝手に思っています...
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フェルメール「天秤を持つ女」

この夏、ぼくは世界一しあわせでした。このブログを定期的に読んでくださっている方ならとっくに気づいているかもしれませんが、人生でこれ以上はないというくらいの恋をして、自分のすべてを受け入れてくれる人と出会って、そんな2人だからこそ、短い期間でひとつの答えにたどりつきました。この絵をもって、区切りとしたいと思います。ぼくからの最後の回答であり、ここから再スタートとしましょう。Woman Holding a Balance(c....
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速水御舟「白芙蓉」

1日早くなってしまったけれど、白い花をたいせつな人に贈ります。今日が31歳の最後の日。あなたの大好きな土曜日から、また新しい日々がはじまりますね。どうか思い出にとらわれず、生まれ変わった気持ちで力強く歩んでくれることを祈っています。まっ白な花のように、ずっとすなおであってください。だからぼくも、これで最後にしようと思います。会社の近くに咲いていた、ムクゲの花です。白芙蓉と同じくアオイ科フヨウ属の花で...
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菱田春草「秋の夜美人」

秋の夜、着物の女性を思いつつ。菱田春草「秋の夜美人」。いいなぁ、この雰囲気。今日は仕事が夜の11時ごろに終わったんですが、外に出てみたらいつのまにか雨がやんで星が出ていて、ちょっと湿った涼しい風がすっかり秋の心地でした。雨上がりの秋の夜って、雰囲気がすごく好き。なんだか微かにいいニオイがしてあるく足音や車がはしる音もちょっとやさしく感じます。耳をすませば虫の声も聞こえてきたりして、しずかでしんみりし...
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青木繁「朝日(絶筆)」

先日、ブリヂストン美術館の青木繁展で見た、「朝日」。作品の舞台である唐津湾は北向きに開いているため、本来この海に朝日が昇ることはないそうです。青木繁は想像によって、昇るはずのない太陽を描きました。それまでの動的な海景から一転して、穏やかな海にのぼる朝日を。The Morning Sun(1910)Aoki Shigeru早逝の画家が最後に描いた海は、おどろくほどに穏やかでした。水平線の向こうからのぼった太陽はしずかに空を照らし...
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クールベ「こんにちわ、クールベさん」

たくさんの荷物を背負った、長い旅。ときには立ち止まることも必要です。「こんにちわ、クールベさん」。この絵のもうひとつのタイトルは、「出会い」です。Bonjour, Monsieur Courbet(1854)Gustave Courbet少し止まると書いて、「歩く」という。今日教えてもらった、すてきな言葉です。ときには立ち止まり、ときには迷い、ときには振り返り……そうしてぼくらは、歩いていきます。その先に信じられる出会いがあるのなら、それはき...
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ムンク「吸血鬼」

「吸血鬼」というタイトルそのままに見るならば、この作品は男の首筋に牙をたてる女吸血鬼を描いたものということになります。でも、この絵にはやさしさがあふれていて女性が男性を包み込んでいるように思えるのです。もともとの題は、「愛と痛み」だから。Vampire(1893-94)Edvard Munch「すなおになろう」「大人になるのはやめよう」だからぼくは感傷にみをまかせ情けない自分と向き合っていこうと思います。それぞれの痛みを抱...
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山下清「長岡の花火」

8月が終わり、今日から新しい季節が始まります。行く夏を惜しみながら、暑さを胸に引きずりながら、それでもぼくらは、がむしゃらに進むしかない。Fireworks of Nagaoka(1950)Yamashita Kiyoshi奇跡のような恋でした。真夏の打ち上げ花火のように、一瞬で夜空を満たし、激しい余韻を残して散っていきました。はじめから終わることがわかっていたから燃えあがったのか思いは続くと信じていたからこそ終わらせることができたのかい...
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