
ゴヤ「無原罪のお宿り」
グロテスクで思わず目を背けたくなるような作品が並ぶゴヤ展で、この作品は一際異彩を放っていました。張りつめていた気持ちがゆるゆるほどけていくような。ゴヤ「無原罪のお宿り」。信仰心のない自分でも、こうべを垂れる気持ちになる一枚でした。Immaculate Conception(1783-84)Francisco de Goya左側の天使が手にしているのは、純潔をあらわす白百合。そのすぐ近くには、原罪を意味する林檎をくわえた蛇の姿も。天上では大い...

ルドン「薔薇色の岩」
オディロン・ルドン「薔薇色の岩」。これもまた、ルドン展で知った意外な一面でした。Le Rocher Rose(1880)Odilon Redonグロテスクな版画作品を手掛けた黒の時代に、ルドンはこういった小さな風景画を油彩で制作しており、「作者のためのエチュード」と呼んで大切に手元に置いていたそうです。海辺に放り出されたような薔薇色の岩。孤独な背中を見ているようで、なんだか切ない気持ちになります。こういう風景を描くことで、何か...

ルドン「ポール・ゴビヤールの肖像」
昨日行ってきた三菱一号館美術館の「ルドンとその周辺ー夢見る世紀末」、いい意味で期待を裏切られた作品も多々ありました。そのひとつがこちら。オディロン・ルドン「ポール・ゴビヤールの肖像」です。Portrait de Paule Gobillard(1900)Odilon Redonルドンって、こんな作品も描いてたんですね。幻想的で夢の中にさまよいこんだような色使いも、現世との境界線がなくなってしまったような独特の世界感もなく、ここに描かれてい...

ルドン「グラン・ブーケ」
248.3×162.9cm。とにかく大きいので、最初はスクリーンに投影されてるのか思いました(笑)。オディロン・ルドン「グラン・ブーケ」。三菱一号館美術館「ルドンとその周辺ー夢見る世紀末」より。Grand Bouquet(1901)Odilon Redonこの「グラン・ブーケ」、もともとはフランスのドムシー城というお城の食堂に飾られていたそうです。ルドンは城主のドムシー男爵のために計18点の装飾画を制作したそうで、そのうち存在が確認されて...

勝川春章「雪月花図」
勝川春章「雪月花図」。日本が誇る、才媛三名の共演です。一見、江戸当時の女性たちですが左から清少納言、紫式部、小野小町に見立てて、それぞれ雪、月、花を絡めて描いたのだとか。Three Beauties Representing Snow, the Moon and Cherry BlossomsKatsukawa Shunsho左の清少納言は「香炉峰の雪は簾をかかげて見る」ですね。ある日、宮中で「香炉峰の雪いかならん」と問いかけられた清少納言。当時の知識人なら歌を詠んで答える...

黒田清輝「智・感・情」
久々に美術館へ行ってきました。東京国立近代美術館「ぬぐ絵画 | 日本のヌード 1880-1945」。あっちにもこっちにも美女のヌード。むふふ。と、冗談はさておいて。個人的には、黒田清輝の「智・感・情」を見れたのがよかったな。ずっと見たい見たいと思ってて、ようやく出会えました。Wisdom, Impression, Sentiment(1889)Kuroda Seiki金地を背景に並ぶ、等身大の3人の女性。実際のモデルの姿をもっと理想化して描いたものだそう...
いせひでこ「ルリユールおじさん」
イーモバイルでネットにつなげられることに気づきました。何のために毎月お金払ってたんだか(笑)ということで今回は、めずらしく絵本をご紹介。いせ ひでこ「ルリユールおじさん」です。ルリユールおじさん (講談社の創作絵本)(2011/04/12)いせ ひでこ商品詳細を見る大切にしていた植物図鑑をこわしてしまった、フランスの女の子。彼女は新しい図鑑を買うのではなく、こわしてしまった図鑑を直してもらうために本造り職人を訪ね...

フォード・マドックス・ブラウン「労働」
昨年から続けていた書籍の仕事、ようやく一段落つきました。まだ完全に終わったわけではないけど、来週から少し落ち着きそうな気配です。あ~疲れた!! がんばった!! いっぱい書いた!!Work(1852-63)Ford Madox Brownということで、今回ご紹介するのはフォード・マドックス・ブラウンの「労働」。この1枚に19世紀半ばのイギリスの、あらゆる階級が描かれているんだとか。まず目に飛び込んでくるのが、画面中央で体を動かす...
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