足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

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清宮質文「深夜の蝋燭」と中原中也「冷たい夜」

ポロック展を見たあと、東京国立近代美術館の所蔵品展へ。相変わらずの豪華な作品群のなかで、ひときわ心を奪われたのが清宮質文の版画作品でした。深い青と、哀しげな蝶の姿がなんともいえず叙情的で。小さな版画が8点、しょんぼりと居心地悪そうに並んでいてぼくにはそれが、とてもやさしくうつりました。Candle at Midnight(1974)Seimiya Naobumiいま、ぼくの手元には「また来ん春…」という本があります。見開きごとに中原中...
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ポロック「インディアンレッドの地の壁画」

東京国立近代美術館の「生誕100年 ジャクソン・ポロック展」、本日行ってまいりました。なんといっても、目玉は「インディアンレッドの地の壁画」。テヘラン現代美術館所蔵の、門外不出とされていた作品です。Mural on Indian Red Ground(1950)Jackson Pollock赤褐色の下塗りのうえに、踊るように撒き散らされた白、黒、銀、黄色の線。鮮烈な色彩は衝動的にも思えるけど、そこにはリズムがあって、情感があって、決して混沌とは...
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ルノワール「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」

NHK BSプレミアムでやってた新生オルセー美術館の特番、おもしろかったですね。展示室の壁紙の色や自然光の取り入れ方、印象派が活躍した当時のパリ市街の様子などとても興味深く、あっという間の1時間半でした。そのなかで、メインで取り上げられていた作品がルノワールの「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」でした。Le Moulin de la Galette(1876)Pierre-Auguste Renoirゴッホやロートレック、ピカソも描いた、風車(ムーラン)...
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ホドラー「木を伐る人」

これは見事な対角線!振り上げた斧が木の幹に打ち込まれていく軌跡が、目に見えるようです。フェルディナント・ホドラー「木を伐る人」。たくましく、力強い一枚です。Wood Cutter(1910)Ferdinand Hodlerそれにしても、今週はハードだったなぁ。トラブル連発で、後半は徹夜続きでした。その間、新人さんが入ってきたり辞めてしまったり、いろいろ働き方というものについて考えさせられました。来月以降はもっと大変なことになり...
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ジャコモ・バッラ「鎖に繋がれた犬のダイナミズム」

見るからにかわいらしい、この一枚。散歩に連れてってもらえて嬉しいんでしょうね。前足も後ろ足も、しっぽもグルグルと。ジャコモ・バッラ「鎖に繋がれた犬のダイナミズム」。パラパラ漫画を見ているみたいです。Dynamism of a Dog on a Leash(1912)Giacomo Ballaイタリア未來派の画家バッラ(バルラ)は、スピードを絵画に取り入れようとした画家だそうです。西洋絵画史上、はじめてスピードを描いた画家はウィリアム・ターナ...
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ピサロ「中国製の花瓶に入った菊」

カミーユ・ピサロ「中国製の花瓶に入った菊」。印象派のなかでも年長で温厚だったピサロが描いた花は、どことなく控えめで、けれど揺るぎない強さを感じます。花の美しさっていうのは、本来こういうものなんだろうな。Chrysanthemums in a Chinese Vase(1873)Camille Pissarro昨晩、キッチンに飾っていたストックの花が枯れかけていたので仕方なく処分しました。ぼくみたいに気の小さい人間は、花なんて飾るもんじゃないですね。...
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ホイッスラー「海と雨」

なんか今日は、何を書いてもダメになりそうで。書いては消して、その繰り返しです。Sea and Rain(1865)James Abbott McNeill Whistler羅(うすもの)や人悲します恋をして             (鈴木真砂女)一番悲しい思いをしているのは誰だろう。きっとぼくではないと思う。きっとぼくは、甘えてるだけなんだと思う。こう書くことがそもそも……考えだすときりがない。今日も明日もがんばろう。  ...
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ヴュイヤール「ベッドにて」

昨晩、すごく幸せな夢を見ました。目が覚めて少しさびしくなったけど、がんばろうと思える夢でした。In Bed(1891)Edouard Vuillardこちらはエドゥアール・ヴュイヤール「ベッドにて」。国立新美術館のオルセー展ではじめて見たとき、すごくのどかでほっこりした絵だなぁと思いました。ベッドのなかほど幸せな場所ってほかにないもんね。こんなふうにあたたかい布団につつまれて、夢の世界で自由にはばたいて。朝起きれないのも仕...
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カイユボット「屋根の眺め(雪の効果)」

雪が降りましたね。いくつになっても、白い雪がちらちら舞っているのを見るとわけもなくうれしくなってしまいます。やっぱり前世は犬だったんじゃなかろうか。View of Roofs(Snow Effect)(1878)Gustave Caillebotteこちらはギュスターヴ・カイユボットの「屋根の眺め(雪の効果)」。白銀におおわれたフランスの町を、カイユボットは高い位置から見下ろして描いています。屋根の上の雪、煙突からたちのぼる煙、とけていく空。...
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ウジェーヌ・グラッセ「3人の娘と3匹の狼」

この世のものとも思われぬ巨大な、まっ黒な猛犬なのである。しかもそのがっとあけた口からは火をはき、双眼はらんらんと輝き、あごから首の下にかけてぼうっと焔をふいているのである。凶悪とも残忍ともたとえようのないこんな妖魔がまたとあるだろうか?     (コナン・ドイル「バスカヴィル家の犬」より)Three Women and Three Wolves(1892)Eugène Grasset薄衣をまとって宙に浮かぶ3人の女性。一人は恐怖に目を見開...
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ジョン・コリア「ゴダイヴァ夫人」

昨日、2月14日はふんどしの日でした。日本男児たるもの、勝負のときにはふんどし締めてバッチコーイ……気を取り直して、一日遅れましたがバレンタインにちなんだ一枚を。Lady Godiva(c.1898)John Maler Collierジョン・コリア「ゴダイヴァ夫人」。一見、扇情的でエロティックなようですが、じっと見ていると、なんだか申し訳ない気持ちになってきます。胸をかくす右手は恥じらいともとれるけど、うつむいた顔には、深い憂いと強い...
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ドロテア・タニング「誕生日」

先月末に、ドロテア・タニングが亡くなったそうです。アメリカ出身のシュルレアリスムの画家で、マックス・エルンストの奥さん。有名なのは、やっぱり「誕生日」でしょうか。Birthday(1942)Dorothea Tanning「誕生日」はエルンストと出会ったばかりの頃に描かれ、タイトルを付けたのもエルンストだったそうです。それにしても、タイトルとは裏腹に不安をかき立てられるような絵ですね。胸元をあらわにし、遠くを見つめる女性。腰...
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ヤーコプ・オホテルフェルト「ラブレター」

封筒に書かれた名前を見ただけで、胸が熱くなる。手紙を読み始めたら、もう涙が止まらない。数えきれないほど読み返したけど、いつだってうれしくて、悲しくて、寂しくて、そうして自分が変わっていないことを知って、少しほっとします。ほんとは変わらなくてはいけないのかもしれないけれど。The Love Letter(c.1670)Jacob Ochterveltヤーコプ・オホテルフェルト「ラブレター」。去年の夏、京都に行ったときにフェルメール展で...
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ルソー「花束」

花を描いても、やっぱりルソーはルソーです。素朴で、穏やかで、どこかなつかしい。アンリ・ルソーの「花束」は、稚拙なようでいて、見るものを引き込む不思議な一枚です。Bouquet of Flowers(1909)Henri Rousseauリビングの一輪挿しは、白のフリージアに変えました。まだつぼみのほうが多いけど、順番に花が咲いていくっていうのはいいものですね。仕事で疲れて家に帰って、誰もいないのは寂しいけれどつぼみが新たに開いている...
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デュラン「母と子」

こないだゴヤ展を見たあとに、国立西洋美術館の常設展で見た作品です。エミール=オーギュスト・カロリュス=デュラン「母と子」。どうにもこの絵が忘れられなくて。Mother and Children(1897)Émile-Auguste Carolus-Duran作者のデュランは、マネと親しかったそうです。なるほど、画面の多くを占める黒のドレスも納得ですね。せっかく絵に描いてもらっているのに、男の子はお母さんに体をあずけて向こうを見てしまってます...
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ファンタン=ラトゥール「花と果物の静物」

花の画家、アンリ・ファンタン=ラトゥール。こちらは「花と果物の静物」。見てるとすーっと心が落ち着いて、やさしい気持ちがわいてきます。あざやかに匂い立つ美しさではなくて、もの言わずたたずむ、一歩引いた美しさなんだなぁ。Still Life with Flowers and Fruit(1865)Henri Fantin-Latour今日はすごくうれしいことがありました。会社の同僚が、年内に結婚するんですって!相手はぼくもよく知ってる人なので、それだけに歓...
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セリュジエ「急流のそばの幻影、または妖精たちのランデヴー」

赤い葉をつけた樹々の向こうを歩くのは、美しい衣装に身をつつんだ妖精たち。手前でその行進を眺めるのは、民族衣装を着た地元の人々。ポール・セリュジエ「急流のそばの幻影、または妖精たちのランデヴー」。画面にあふれるオレンジの色彩は、歓喜そのものだ。La vision prés du torrent, ou Le rendez-vous de fées(1897)Paul Sérusierポール・セリュジエといえば、ナビ派結成のきっかけとなった「タリスマン(...
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モロー「ピエタ」

十字架からおろされた、キリストの亡骸。その死を嘆き、寄り添う聖母マリア。暗緑色の画面のなかで、聖母子のからだは光をおびて厳かな情景を際立たせています。ギュスターヴ・モロー「ピエタ」。三菱一号館美術館で開催中のルドン展より。Pietà(1854)Gustave Moreau国立西洋美術館にもモローの「ピエタ」が展示されていますが、そちらはいかにもモロー的な、静かに燃える宝石のような色彩が印象的。聖母は幼子を抱くように...
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高山辰雄「坐す人」

こ、これはかっこいい!手塚治虫の漫画に出てきそうな造型です。高山辰雄「坐す人」。ザ・ベスト・オブ・山種コレクションより。Seated Man(1972)Takayama Tatsuo座っているのは苦行僧でしょうか。岩肌の灰色に溶け込んで、くぼんだ両目をこちらに投げかけています。背景と同化したように描かれているのは、悟りを開いて自我を捨て去ったことを意味しているのだろうか。でも、じっと見ているとそんな風には思えない。頑迷固陋な...
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岩橋永遠「暎」

沈み行く太陽。影を深くする山並み。そして金色に染まる水田。山種美術館の「ザ・ベスト・オブ・山種コレクション」で、一番こころを打たれたのが岩橋英遠の「暎」でした。Splendor of the Setting Sun(1977)Iwahashi Eien自然とは、かくも美しいものなのかと。田んぼになみなみとはられた水は、落日の光をたたえて今にもあふれかえりそうです。その上をすべるように舞う一羽の鳥。これから夜のとばりがひそやかにおりていくのだ...
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