
バーン=ジョーンズ「眠り姫」
Sleeping Lady(1872-74) Edward Coley Burne-Jonesエドワード・バーン=ジョーンズ「眠り姫」。ペローの童話に着想を得た連作のひとつで、公開時にはロンドンの観衆が熱狂したのだとか。バーン=ジョーンズが描く人物ってなんとなくマッチョな気がしてあまり好きではないんですが、こういう群像で引きの構図だと衣装の皺やこぼれ咲く花々や、細かな美しさが際立っていいですね。6月から三菱一号館美術館で開催のバーン=ジョ...

「地上最大の手塚治虫」展を見てきました♪
今日は京王線・芦花公園駅からてくてく歩いて世田谷文学館へ。「地上最大の手塚治虫」展を見てきました。鉄腕アトムの名エピソード「地上最大のロボット」にちなんだタイトルですね。これは期待が高まる高まる♪いつぞやの江戸東京博物館での企画に比べると規模はやや小さいながら、手塚治虫の戦争体験や未完作品、スター・システムなどに焦点を当てたマニア大喜びの良企画でした。特に人気キャラクターが作品の枠をこえて活躍する...

橋本雅邦「瀑布図」と月待の滝
前回に引き続き、滝を描いた作品です。橋本雅邦「瀑布図」。絶壁を駆ける轟音、ほとばしる水流。見ているだけで、涼しげな気持ちになる一枚です。瀑布といえば雅邦の弟子の川合玉堂もすばらしいんですが、今回はこちらの作品で。 Waterfall Hashimoto gaho前回は華厳の滝(栃木)、那智の滝(和歌山)と並ぶ三名瀑のひとつ、茨城の袋田の滝を紹介したんですが、じつはあれ、前フリでした。ほんとは次に見にいった滝のほうが印象...

千住博「ウォーターフォール」
雪崩落ちるような激しい水流。滝壺からは水煙があがり、暗闇に白が広がっていきます。千住博「ウォーターフォール」。現代日本で滝といえば、やっぱりこの人かなぁと。通常の日本画とはまったく異なる描き方をしており、紙を立てかけて、胡粉を溶いた水を上から流すことで水流を表現しているのだとか。 Waterfall Senju Hiroshi先日、茨城の大子町というところまで滝の撮影に行ってきました。袋田駅から10分ほどバスに揺られ、川...

歌川国芳「東都三つ又の図」
いよいよ開業しましたね、スカイツリー。そこでスカイツリーといえば、この1枚。歌川国芳「東都三つ又の図」です。画面左川の川向こうにそびえ立つのは……!? The View of Tokyo's Mitsumata Area(c.1831) Utagawa Kuniyoshi隅田川の向こうにそびえる塔、左側の小さい方は火の見櫓なんですが、右側は当時の建造物にしては高すぎるそうで。まさか未来を予見して描いたのでは??なんて想像が膨らんでしまうのも、描いた人が奇想の...

エルンスト「灰色の森」
マックス・エルンスト「灰色の森」。古代の岩肌のような、特異な形状の森がありその上に燦然と輝くのはバームクーヘン……ではなくて。日食なんでしょうかね。 The Gray Forest(1927) Max Ernst今朝はめずらしく朝の6時に起きて、じっとそのときを待っていました。空は薄曇り、時折雲のすきまから日が差し込んできて、そのたびにドキドキと胸が高鳴ります。そして7時半。外に出て空を見上げてみましたが……やっぱり日食グラスない...

曾我蕭白「唐獅子図」
なんともおどろおどろしい唐獅子。一気呵成に描き上げたような勢いのある筆致で、今にも襲いかかってきそうな迫力です。曾我蕭白「唐獅子図」、豪壮奇想のインパクト! Chinese Lions(c.1764) Soga Shohakuということで。最終日駆け込みになってしまいましたが、今日は千葉市美術館の「蕭白ショック!! 曾我蕭白と京の画家たち」を見てきました。ギリギリまでためらっていたのは「あまりに濃そうだから」というアレな理由なんで...

フリードリヒ「樫の森の中の修道院」
葉の落ちた樫の木。廃墟、十字架。霧の立ちこめた、薄暗い風景。カスパー・ダーフィト・フリードリヒ「樫の森の中の修道院」。いかにもこう、吸血鬼とかが出てきそうな雰囲気です。 The Abbey in the Oakwood(1808-1810) Caspar David Friedrichということで、今日は映画「ダーク・シャドウ」を見に行ってきました。映画館に行くのはずいぶん久しぶりで、しかもティム・バートン×ジョニー・デップの黄金コンビ!これは期待せざ...

カンディンスキー「コッヘル――まっすぐな道」
まっすぐな道でさみしい (種田山頭火) KochelーStraight Road(1909) Wassily Kandinskyヴァシリー・カンディンスキー「コッヘル――まっすぐな道」。昨年の「カンディンスキーと青騎士」展で見た作品です。極端に単純化された道、山、並木。幾何学的な風景は鮮やかに彩られ、けれどどこか、さみしく感じられます。画面左で、農作業をする人物たちの存在がそう思わせるのかな。退職のこと、なかなか話がうまく進まず足...

スタンラン「黒猫」(ポスター)
かつてモンマルトルにあった文学キャバレー、「シャ・ノワール(黒猫)」。ゾラやヴェルヌをはじめ、文学者、音楽家、画家などさまざまな文化人が集まった場所で、ここのポスターを描いたのがテオフィル・アレキサンドル・スタンランです。 Soon, the Black Cat Tour by Rodolphe Salis(1896) Théophile Alexandre Steinlenロートレックと同時期にポスターや新聞、雑誌で活躍し、モンマルトルに暮らす庶民のありのままの...

高橋由一「芝浦夕陽」
東京藝術大学大学美術館の「高橋由一展」。なんといっても注目は3枚の「鮭」なんですけど、個人的に心ひかれたのは風景画のほうでした。由一が描く夕景は、そりゃあもうロマンチックで。 The Setting Sun at Shibaura(1877) Takahashi Yuichiこちらは高橋由一「芝浦夕陽」。2年前に府中市美術館の企画展「バルビゾンからの贈りもの」でも展示されていた作品で、あらためて素敵だなーとほれぼれしました。リアリズムを追求し、...

「KATAGAMI STYLE」を見てきました♪
昨日は根津美術館のあと、どこに行こうかあれこれ迷いまして。時間も微妙だし、パパッと見て帰るかなーくらいの気持ちで三菱一号館美術館の「KATAGAMI Style」を見てきたんですが……これがものすごく面白かった!!結局閉館ギリギリまで食い入るように見てきました。KATAGAMI(型紙)は、絹や綿に模様をつけるために使われた道具。菊や千鳥、流水などの模様を彫り抜いた厚紙のことで、尾形光琳の「燕子花図屏風」も、これを利用して...

尾形光琳「八橋図屏風」
5月といえば、根津美術館ですね。庭園のカキツバタに加えて、尾形光琳の「燕子花図屏風」を一般公開!さらに今年は、メトロポリタン美術館所蔵の「八橋図屏風」を並べて見ることができるのです。 Eight Bridges(18th century) Ogata Korinということで、根津美術館の「KORIN展」より尾形光琳「八橋図屏風」です。国宝「燕子花図屏風」を制作してからおよそ10年を経て、再び光琳が描いたのはカキツバタの群生。金地に群青と緑青...

ピサロ「エラニーの牛を追う娘」
GW最終日の5月6日、前々から気になっていた宇都宮美術館に行ってきました。めずらしく友達と、いわゆる旅猿みたいな。お目当ては「カミーユ・ピサロと印象派 永遠の近代」です。 Vachère à Eragny(1884) Camille Pissarroこちらはピサロ「エラニーの牛を追う娘」。実物はもう少し暖色が強めで、柔らかな光が印象的でした。ピサロは印象派展の1回目から8回目まで律儀に出品し続けた唯一の画家であったり気難し屋のセ...

高島野十郎「百合とヴァイオリン」
色褪せた静謐。曲を奏でることもできず、倒れ伏すヴァイオリン。最期を看取るように百合の花が寄り添い、その白は儚い光のようです。高島野十郎「百合とヴァイオリン」。DIC川村記念美術館の企画展「フラワースケープ」より。 Lily and Violin(c.1921-26) Takashima Yajuroそれにしても……見るだに寂しい気持ちになる一枚です。少し弓が曲がってはいないか。ヴァイオリンが歪んではいないか。百合は枯れかけていないか。壁には...

岡鹿之助「花と廃墟」
DIC川村記念美術館で開催中の、「フラワースケープ ー画家たちと旅する花の世界」。古今東西、花にまつわる作品が一堂に会しているわけですが、そのなかでも一番目を奪われたのが岡鹿之助の「花と廃墟」でした。 Flowers and the Ruins(1966) Oka Shikanosuke前景には、鮮やかなアマリリスと君子蘭。その後ろ、これは窓の向こうなんでしょうか、人気のない廃墟がそびえています。生命のシンボルともいえる花々と、無機質な廃...

DIC川村記念美術館に行ってきました♪
絶好のお出かけ日和。初夏凛々。ということで、ちょっと遠出してDIC川村記念美術館まで行ってきました。場所は千葉県佐倉市、うちから電車で約1時間。駅から無料バスで30分ほどかけて、田園地帯を抜けた先に……ありました。見渡す限りの緑、すごいロケーション。この時期に来てよかった!館内はちょっとつくりが変わってて、常設展示を見てからでないと企画展示にたどりつけないみたい。常設はルノワール、ボナール、マティス、ピカ...

フラゴナール「読書する娘」
真剣な表情で、読書に没頭する女性。う~む、きれいな横顔です。ジャン・オノレ・フラゴナール「読書する娘」。これが現実だったら、邪魔をしないようにずっと見ていたい。 The Reader(1770-72) Jean Honoré Fragonardさて。昨日IKEAに行って本棚を買ってきまして、今日はずっと書籍の整理をしていました。とちゅうパラパラと画集やら詩集やらをめくったりしながら、気がつけば一歩も外に出ないまま夜に(笑)古今和歌集...

フェルメール「小路」
フェルメールが描いた風景画で現存しているのはたった2点。そのうちのひとつが「小路」という作品で、2008年に東京都美術館で開催された「フェルメール展 光の天才画家とデルフトの巨匠たち」で来日してましたね。 The Little Street(1657-58) Johannes Vermeer空は厚い雲に覆われているけど、決して暗くはなくて。赤いレンガ造りの建物、白く塗られた壁、そして生活感あふれるデルフトの女性たちが描かれていて、見ているとな...

雪舟「四季山水図」(山水長巻)
サントリー美術館「毛利家の至宝」、やっぱりこの作品に触れないわけにはいきませんよね。雪舟等楊「四季山水図」(山水長巻)。全長16mをまるまる展示しているんです。 Landscape of the Four Seasons(1486) Sesshuさすがに長いので一部分だけ。この幽玄な世界観、じっと見てると自分の周りに霧が立ちこめて、水墨の世界にいざなわれてしまいそうな……。なんせ16mですから、歩きながら見ていたらいつの間にか別世界にさまよい...

マティス「赤い部屋(赤のハーモニー)」
あざやかな原色の部屋。大エルミタージュ美術館展の一番の目玉、アンリ・マティス「赤い部屋(赤のハーモニー)」です。 Red Room(Harmony in Red) (1908) Henri Matisseもともとこの絵は「青のハーモニー」というタイトルで制作されたそうで、赤い部分も青(緑?)で塗られていたようです。画面の一番下を見ると、わずかにその名残りが見て取れますね。いったん青で展覧会に出品したものの、「装飾性が不十分に思えて、どう...
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