足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

ピカソ「貞奴」

作品名は「貞奴」。描いたのは……なんとパブロ・ピカソ。う~む、こんな作品も残してたんですねぇ。 Sada Yacco(1901) Pablo Picasso1900年のパリ万国博覧会。日本からこの祭典を訪れたのが、川上音二郎・貞奴の一座でした。貞奴は伊藤博文や西園寺公望にも贔屓にされるほどの芸妓だったそうで、万博会場の一角で日本舞踊の公演を行った際にはかの彫刻家ロダンをも魅了するほどだったとか。やがて大統領官邸にも招かれ、「マダ...
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バーン=ジョーンズ「果たされた運命:大海蛇を退治するペルセウス」

海神ポセイドンの生け贄として、荒海の巌に鎖でつながれた美女アンドロメダ。彼女を救うためにあらわれたのが、ご存知ペルセウスです。バーン=ジョーンズ「果たされた運命:大海蛇を退治するペルセウス」。三菱一号館美術館の「バーン=ジョーンズ展」より。 The Doom Fulfilled(Perseus Slaying the Sea Serpent) (c.1882) Edward Burne-Jones大蛇神はその長大な胴体でペルセウスを圧しつぶそうとしています。それに抗い、...
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バーン=ジョーンズ「王宮の中庭・習作――連作『いばら姫』」

昨日行ってきた三菱一号館美術館のバーン=ジョーンズ展、展示作品は80点くらいで、習作もわりと多めでした。でもね、「なんだ習作かよ」と侮るなかれ。緻密に描かれた完成作品よりもむしろ画家の息づかいが聞こえてくるようで、ていうか今回の展覧会は習作のほうがよかったような気も……。 The Briar Rose Series: Study for the Garden Court(1889) Edward Burne-Jonesこちらはバーン=ジョーンズ「王宮の中庭・習作――連作『...
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バーン=ジョーンズ「運命の車輪」

ラファエル前派・後期の画家、エドワード・バーン=ジョーンズ。彼の代表作がこちらの「運命の車輪」です。象徴主義関連の書籍ではおなじみの作品で、ようやく三菱一号館美術館の「バーン=ジョーンズ展」で出会えました♪ The Wheel of Fortune(1871-85) Edward Burne-Jones目を閉じて左手にたたずむのは、運命を司る女神フォルトゥナ。そして車輪につながれた裸体の男たちは、上から奴隷、王、詩人をあらわすそうです。身分や...
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ルソー「夢」と原田マハ「楽園のカンヴァス」

画家の目が、この世の生きとし生けるもの、自然の神秘と人の営みの奇跡をみつめ続けたからこそ、あんなにもすなおで美しい生命や風景の数々が、画布の上に描かれ得たのだ。唯一無二の楽園として。  (原田マハ「楽園のカンヴァス」より) The Dream(1910) Henri Rousseau原田マハの「楽園のカンヴァス」を読みました。書店で表紙を見たときからずっと気になっていた一冊です。アンリ・ルソーの代表作「夢」と酷似した幻の作...
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シャガール「画家の夢」

マルク・シャガール、なんと93歳のときの作品。年老いて、筋力も衰えた画家が描いた絵はそれでも色彩が優雅に戯れていて、近くで見ればずいぶん雑な塗り方なのにちょっと遠くから見れば途端に全体がやわらかくなって、あぁ、やっぱり幻想的でした。 Le rêve du peintre(c.1980) Marc chagallシャガール「画家の夢」。夢を意味するフランス語「rêve」には幸福、空想、希望という意味もあるそうで、なるほど見るだに幸...
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クラナッハ「ルクレティア」

悲劇のヒロイン、ルクレティア。みずからの命をかけて、貞潔を証明しようとした女性ですが……あれ?あれれ? Lucretia(1533) Lucas Cranach the Elderなんて挑発的なお顔なんでしょう!国立西洋美術館の「ベルリン国立美術館展」で見た一枚、ルーカス・クラナッハ「ルクレティア」。ものすごく何かを企んでそうな、悪い顔をしていらっしゃる(笑)いったい何があったのだろう……。そもそもクラナッハが描く女性って、たいてい不...
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ミケランジェロ「聖家族のための習作」

密度が違う。エネルギーが違う。ベルリン国立美術館展で並んでいた素描のなかでも、この1点は明らかに別格でした。ミケランジェロ「聖家族のための習作」。500年以上もの時を経た、天才の思考がここに。 Studies for a Holy Family(1503-04) Michelangelo Buonarroti絞り出していたのではなく、溢れ出ていたんだなぁと。いろんなアイデアが縦横に走って、結実していく。その過程に触れることができるのは、本当に幸せなことだ...
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フェルメール「真珠の首飾りの少女」

今年はフェルメールの“真珠”が立て続けに来日します。まずはこちら、「真珠の首飾りの少女」。国立西洋美術館で13日から始まった「ベルリン国立美術館展」で、さっそく見てまいりました♪ Young Lady with a pearl necklace(1662-65) Johannes Vermeer左側の窓から光が差し込み、右側には女性の姿。おなじみの黄色い上着を着て、真珠の首飾りについたリボンをつまんでいます。鏡にうつった自分の姿に、あるいは真珠の輝きに見と...
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カラヴァッジョ「悔悛のマグダラのマリア」

椅子に腰かけて、うなだれる女性。彼女の名はマリア。罪深き女として、聖書に登場するマグダラのマリア。そしてこの作品を描いたのが……罪深き男、カラヴァッジョです。 Maria Magdalena(1594-96) Michelangelo Merisi da Caravaggioカラヴァッジョ初期の宗教画、「悔悛のマグダラのマリア」。娼婦としての生活を悔やむマリアの姿が描かれており、周囲には宝飾品が散らばっています。ある日マグダラのマリアは、食事をとるイエ...
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ミロ「歌う魚」

ぐりとぐら的な動物、ではなくて。これ、お魚を縦に描いてるんですね。ジョアン・ミロ「歌う魚」。踊り出しそうな、歌い出しそうな色彩だ♪ Singing Fish(1972) Joan Miro明日からしばらく雨が続いてジメジメしそうなので、明るくてキレイで楽しい絵を、と思って。それでは今回はこのへんで~今日も明日もがんばろう。  ...
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ザオ・ウーキー「07.06.85」

青、蒼、碧。白と青が響き合う、静かなる抽象。ザオ・ウーキー「07.06.85」。 07.06.85(1985) Zao Wou-kiブリヂストン美術館の60周年記念展、やっぱりこの作品ははずせません。縦114.8cm、横195.2cmの大作は、目の前に海が広がったみたいで。一人砂浜に立って、さざ波に心を寄せているような気持ちになります。風は吹いているだろうか。鳥は啼いているだろうか。足跡ひとつない砂浜は、忘れられた場所なんだろうか。この世界を...
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黒田清輝「針仕事」

何かに没頭する女性は美しいと思うのです。レースのカーテン越しに陽が射して、光と青が混じり合って……とてもきれいな絵だな。黒田清輝「針仕事」。ブリヂストン美術館の60周年記念展より。 Woman Sewing(1890) Kuroda Seikiそれにしても、誰のための裁縫なんだろう。生計のためなのか、それとも大切な人のためなのか。ひと針ひと針に思いを込める、その真剣さが顔と手の距離にあらわれているようで。その間には光があって、希...
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藤島武二「天平の面影」

古代情緒ただよう婦人像。彼女が手にしているのは、「くご」という楽器。藤島武二は正倉院でこの楽器を見て、天平時代をテーマにした作品を描こうと考えたのだとか。垂直に伸びた桐の木と、対角線に置かれた「くご」が織り成す安定感。黄金色の背景は、輝ける古代の文化を思わせます。日本の浪漫主義の傑作「天平の面影」、遠く昔の楽の音が聞こえてきそうな一枚です。 Reminiscence of the Tempyo Era(1902) Fujishima Takeji...
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カイユボット「ピアノを弾く若い男」

今日は仕事の合間に、ブリヂストン美術館に行ってまいりました。開館60周年記念の「あなたに見せたい絵があります。」という企画が前々からずっと気になっておりまして。おなじみ東京のブリヂストン美術館と福岡の石橋美術館の名品を集めた展示なんですが、一番のお目当ては……新収蔵品のこちらでした。 Young Man Playing the Piano(1876) Gustave Caillebotteギュスターヴ・カイユボット「ピアノを弾く若い男」。オルセー所蔵...
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イヴ・タンギー「想像上の数」

「弧の増殖」と同じ年に描かれた、イヴ・タンギー晩年の傑作「想像上の数」。これもまた、深く考えさせられる一枚です。 Imaginary Numbers(1954) Yves Tanguy手前に見えるのは、黒い海でしょうか。その上に橋のようにわたされた、生物的形態。徐々に海を侵食し、覆い尽くさんばかりに。増殖の結果としての「弧の増殖」も怖いけど、その過程ともとれる「想像上の数」も、なんとも言えず……。原題の「Imaginary numbers」ですが...
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イヴ・タンギー「弧の増殖」

前回に引き続き、イヴ・タンギー。あれから図録をパラパラと眺めてたんですが、やっぱり描かれている物体は人間のように思えてきて。人間でないにしても、何か命あるものだと思うのです。「biomorph(生物的形態)」とも呼ばれているのだとか。でも……そうだとしたら、この作品はあまりに怖い。 Multiplication of the Arcs(1954) Yves Tanguyイヴ・タンギー「弧の増殖」。無限に増え続け、ついに地平を覆い尽くしてしまった生...
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イヴ・タンギー「棒占い」

結局何が描いてあるのかよくわからないけど、どこからどう見ても彼の絵にしか見えない。ひたすら不可思議な世界を描き続けたシュルレアリスムの画家、イヴ・タンギー。作品名は「棒占い」。3色の背景の前に構築された、奇妙な集合体。いったい画家は、何を描こうとしたんだろう。 Rhabdomancie(1947) Yves Tanguy今から35年以上も前に銀座で開かれたイヴ・タンギーの版画展の図録が手元にありまして。古本屋で買い求めたもので...
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尾形光琳「松島図屏風」

前回に引き続き、東博の「特別展 ボストン美術館展 日本美術の至宝」より。尾形光琳「松島図屏風」です。う~む、ダイナミック! 壮観壮観♪ Waves at Matsushima Ogata Korin光琳の「松島図屏風」は琳派の先達・俵屋宗達の同題の作品を模したものだそうで、比べてみると素人目にも、岩や波の表現が力強く立体的で動きのある印象です。偉大なる先人を模倣するだけでなく、独自の解釈を加えて昇華させたんですねぇ。 俵屋宗達「松...
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曾我蕭白「雲龍図」

くわっと見開いた目。噛み締めた口元からは牙がのぞき、いかにもな龍神様なんですが……どことなく剽軽で愛らしい。曾我蕭白「雲龍図(部分)」、東京国立博物館「特別展 ボストン美術館展 日本美術の至宝」より。 Dragon and Clouds(1763) Soga Shohaku今からおよそ100年前にボストン美術館にわたり、修復を経て日本初公開となった「雲龍図」は、高さ165.6cm、幅135.0cmを8枚連ねた圧倒的な迫力。しかももともとは胴体部分があ...
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マグリット「無限の感謝」

空の上で語り合う2人。気持ちいいだろうな。楽しいんだろうな。ルネ・マグリット「無限の感謝」。無限に広がる青空に、空の美しさを教えてくれた人に、深く深く感謝しながら。 Infinite Gratitude(1963) Rene Magritte旅行系の仕事が増えてきて、あっちこっち旅してます。南の島やらアジアやら北欧やら。といっても脳内旅行ですが(笑)取材に行かせてほしいんだけどなー。青空を旅して、いろんな思いに浸りたい。全国紙やweb...
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