足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

ムンク「接吻」

梅雨があけたら夏がやってくるのだとそう思うと少し寂しくなりました。Kiss(1897)Edvard MunchKiss me out of the bearded barleyNightly, beside the green, green grassSwing, swing, swing the spinning stepI wear those shoes and You will wear that dressOh, kiss me beneath the milky twilightLead me out on the moonlit floorLift your open handStrike up the band and make the fireflies danceSilver moon's spark...
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鏑木清方「紫陽花咲く頃」

いよいよ関東も梅雨入りとのこと。梅雨といえば紫陽花、紫陽花といえば鎌倉、鎌倉といえば……鏑木清方です。The Time When Hydrangeas Bloom(1921)Kaburaki Kiyokata鏑木清方「紫陽花咲く頃」。雨にうたれたものか、しっとり濡れたような黒髪と大きくあいた首まわり、わずかにのぞく赤い襦袢がなまめかしくいったいどんなシチュエーションなのかと妄想してしまいます。紫陽花は背景ににじんで消えそうで、今もまだ雨が降り続いて...
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竹内栖鳳「清閑」

今日はやたらと眠たい一日でございました。竹内栖鳳「清閑」。「美の競演 京都画壇と神坂雪佳」で見た作品です。清閑とは、俗事にわずらわされず静かなことという意味。最近いろいろ仕事でトラブってまして、静かに平和にぼんやり過ごしたいなぁとつくづく思います。今日も明日もがんばろう。  竹内栖鳳 (ちいさな美術館)(2009/11/20)竹内 栖鳳商品詳細を見る...
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神坂雪佳「四季草花図屏風」

5月29日より、日本橋高島屋にて「美の競演 京都画壇と神坂雪佳」という展覧会が始まります。これ、ちょっと前まで横浜の高島屋でやっていてすっごくよかったんですよね。神坂雪佳の作品をまとめて見る機会もこれまでなくてあらためて、琳派を受け継ぐ画家だったのだなぁと認識。日本橋の展示もぜひ見に行きたいと思っております。ということで、まずはこちらの作品を。Flowers and Grasses of the Four SeasonsKamisaka Sekka神坂...
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映画「ハーブ&ドロシー ふたりからの贈りもの」

クラーク・コレクションやプライス・コレクション、ファインバーグ・コレクションなどなどアメリカの資産家の絵画コレクションが次々に来日して話題になっています。そんななか、数年前に50州の美術館に50点ずつ、計2500点もの現代アートを寄贈したコレクター夫妻がおりまして……どんだけお金持ちなんですか!と思いきや、彼らが住んでいたのはNYの1LDKのアパート。そんな前代未聞の不思議な夫妻の物語「ハーブ&ドロシー ふたりか...
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鏑木清方「秋宵」(夏目漱石の美術世界展より)

明治時代の女学生は課業として毎日ヴァイオリンを弾いていたそうで、小説「三四郎」のヒロイン美穪子も例に洩れず作中では彼女が紡ぐ音色に対して「妙に西洋の臭いがする。それからカソリックの連想がある」とあります。これにちなんで、東京藝術大学大学美術館の「夏目漱石の美術世界展」では鏑木清方の「秋宵」という作品が展示されていました。Autumn Evening(1903)Kaburaki Kiyokataモデルは清方の奥さんとされています。袴...
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ウォーターハウス「シャロットの女」(夏目漱石の美術世界展より)

この時シャロットの女は再び「サー・ランスロット」と叫んで、忽ち窓の傍に馳け寄って蒼き顔を半ば世の中に突き出す。人と馬とは、高き台の下を、遠きに去る地震の如くに馳け抜ける。 ぴちりと音がして皓々たる鏡は忽ち真二つに割れる。割れたる面は再びぴちぴちと氷を砕くが如く粉微塵になって室の中に飛ぶ。七巻八巻織りかけたる布帛はふつふつと切れて風なきに鉄片と共に舞い上る。紅の糸、緑の糸、黄の糸、紫の糸はほつれ、千...
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ウォーターハウス「人魚」(夏目漱石の美術世界展より)

好きな絵画を3つ挙げよと言われたら、そのうちひとつは迷うことなくこの作品を選びます。ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス「人魚」。ずっと焦がれ続けた傑作に、ようやく出会うことができました。舞台は東京藝術大学大学美術館。「夏目漱石の美術世界展」で、この作品が来日しています。Mermaid(1900)John Williams Waterhouse漱石の「三四郎」に登場するこの作品。以前にもご紹介したことがありますので、小説との関連性は...
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映画「モネ・ゲーム」

印象派の巨匠、クロード・モネ。彼の代表作「積みわら」をめぐる映画「モネ・ゲーム」をさっそく見てまいりました。主演はコリン・ファースとキャメロン・ディアス。「積みわら」の連作にはナチスの手に渡り所在不明になった作品があり、その1枚を使った贋作詐欺を企てる! というもので、美術ファンにとってはニヤリとさせられる内容なわけです。ちょっとお下品なドタバタコメディなわけでして、となるとキャメロンが完璧にはまり...
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アントニオ・ロペス「グラン・ビア」

想像してみてください。画家は7年もの長きにわたり、まだ眠りから覚めやらぬ夏の大通りにイーゼルを立ててわずか30分あまりの創作の時間を積み重ねていきました。車や人の影もなく、遠くの建物はのぼったばかりの太陽に照らされてぼうっと白く浮かび上がっています。じっと見ていると、筆を動かす音と画家の息づかいが聞こえてきそうな——そんな一枚です。Le Gran Vía(1974-81)Antonio López渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで、...
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山口晃「邸内見立洛中洛外図」

前回ご紹介した桃山時代の結晶ともいえる「洛中洛外図」ですが、これを現代の絵師が描いたらどうなるでしょうか……?こうなります。山口晃「邸内見立洛中洛外図」。そごう美術館の「山口晃展」で見た作品なんですが、まぁこの方の作品の面白いこと!「邸内見立洛中洛外図」の場合は京都のあらゆる名所を駄洒落で表現して、ひとつの邸のなかで表現してしまうというもの。仁和寺なら「みんな痔」でトイレに並ぶ男性たちが描かれ、金閣...
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狩野永徳「洛中洛外図」

描かれた人物は、なんと2479人。16世紀半ばにつくられたこの屏風には、当時の京都市中と郊外のあらゆる名所、そこに集まる人々が貴賎を問わず生き生きと描かれています。時代を席巻した天才絵師のすべてが込められた、絵画史上に燦然と輝く傑作。国宝、狩野永徳「洛中洛外図」です。   Views in and around the City of Kyoto(1564-5)Kano Eitoku……細かすぎてこのサイズの画像じゃ伝わらないですね(笑)拡大図はこちらで見る...
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小村雪岱「青柳」

芽吹いたばかりの青柳。い草の香りがただよってきそうな青畳。美しく並べられた2挺の鼓と三味線は主がやってくるのを待っているかのようです。小村雪岱「青柳」。春風薫る、すがすがしい一枚ですね。Green Willow(1924)Komura Settai小村雪岱は大正から昭和にかけて活躍した日本画家。版画家、挿絵画家、装幀家としても作品を多数発表しており、泉鏡花が雅号を与えたことでも知られています。昨年ニューオータニ美術館で展覧会が...
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川合玉堂「春峡」

山から切り出した材木を筏に組んで下流へと運ぶ筏流し。日本古来の伝統でありながら、いまではごく一部の地域で見られるばかりです。そんな古きよき時代の一場面を描いたのが、川合玉堂の「春峡」。五島美術館の「近代の日本画」で展示されていました。Valley of Spring(1956)Kawai Gyokudo懸崖に咲き誇る山桜と急流の青との対比が見事ですね。静かに舞い散る桜と、それを飲み込む奔流と。筏のうえでは筏師がただ一本の棒でバラ...
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小茂田青樹「緑雨」

昨日は雨のなか、上野毛の五島美術館に行ってきました。館蔵の名品を集めた「近代の日本画展」が始まっており、これがもう、ラインナップを見ただけで生唾ごっくんもの。万難を排してでも行かねば! との次第でして。今回は出品作品のなかから、小茂田青樹の「緑雨」という一枚を。Early Summer Rain(1926)Omoda Seiju鮮やかな緑に覆われた世界。大きな芭蕉の葉っぱの下で、雨の気配に誘われたものか一匹の蛙があたりをうかがっ...
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マリオ・ジャコメッリ「私にはこの顔を撫でてくれる手がない」

白が損なわれないように、黒が閉ざされないように、黒の内と同じように白の内が読めるように。白、それは虚無。黒、それは傷跡だ。(マリオ・ジャコメッリ)Io non ho mani che mi accarezzino il volto(1961-63)Mario Giacomelliイタリアの写真家、マリオ・ジャコメッリ。幼いころに父親を亡くし、町のホスピスで洗濯婦として働く母についてホスピスに出入りしていた彼はそこに立ちこめる死や老い、苦悩、孤独に触れながら多感...
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鏑木清方「桜もみぢ」

季節外れではございますが、鏑木清方の「桜もみぢ」という作品を。Red Leaves(1932)Kaburaki Kiyokata季節の移ろいや自然のありように対してしみじみと心から湧き出ずる「あはれ」という感情。ことに秋の紅葉はあでやかに美しくも色づいた葉が風に舞うさまはどこか寂しいものです。サントリー美術館の「もののあはれと日本の美」では源氏物語や古今和歌集などにちなんだ古くは平安から昭和にかけての作品が展示されておりなかに...
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山元春挙、竹内栖鳳、都路華香「世界三景 雪月花」

世田谷美術館の「暮らしと美術と高島屋展」。当初はさほど気にも留めていなかったんですが、この作品が出ていると知ってあわてて行ってきました。 「世界三景 雪月花」。1910年の日英博覧会に出品された巨大なビロード友禅で、山元春挙、竹内栖鳳、都路華香の3名による下絵がもとになっています。それぞれアメリカ、イタリア、日本の風景が描かれており、今回の展覧会では、この下絵が出品されていたわけです。それでは順に見て行...
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河鍋暁斎「美人観蛙戯図」

やせ蛙 負けるな一茶 これにあり            (小林一茶) Beauty Watching Frogs at Play(after 1871) Kanawabe Kyosaiうちわ片手に腰を下ろした女性が、蛙たちの戯れを見つめています。組み合って相撲をとる蛙、蓮の茎を煙管のようにくわえる蛙、灯籠のしたからこっそり顔をのぞかせる蛙など……どれも滑稽でにくめない表情。女性が心を奪われてしまうのも分かる気がします。この作品は、太田記念美術館で開催中...
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「貴婦人と一角獣」

鮮やかで、けれど気品漂う深紅の背景。そこにはミルフルール(千花文様)と呼ばれる花々が散りばめられ、兎や猿、犬といった愛らしい動物たちが遊びます。円形の浮き島には美しい貴婦人がたたずみ、両脇に侍るのは一角獣と獅子——。夢の花園のような情景は、6つのタピスリーに封じられています。その名も「貴婦人と一角獣」。1500年ごろにつくられた中世美術の最高傑作は今、六本木の国立新美術館で公開されています。この連作はフ...
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鈴木其一「夏秋渓流図屏風」

檜の森を流れる渓流。右隻には白百合が、左隻には色づいた桜葉が描かれています。樹木も花も岩肌も写実的に描かれている……と思いきや、右隻の笹の葉は極端に簡略化されていますし、百合の花も妙に大きいんですよね。よくよく見れば群青の流水もなまめかしく、現実と非現実が混ざり合い、均衡を保っています。鈴木其一「夏秋渓流図屏風」、仙境かくやと思わせる一双です。     Mountain Streams in Summer and Autumn(19th ce...
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速水御舟「名樹散椿」

東京にはいろんな通りがありますが、昨年3月、新たに「美術館通り」と呼ばれるルートが開通したのをご存知でしょうか。山種美術館、根津美術館、国立新美術館などのアートスポットをつなぐ道で、これら3館では今、花にまつわる展覧会が開かれています。ということで、まずは山種美術館の「百花繚乱 -花言葉・花図鑑-」から同館が誇る重要文化財、速水御舟の「名樹散椿」を。 Camellia Petals Scattering(1929) Hayami Gyoshu椿...
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クリムト「アッター湖畔」(クリムト展より)

クリムトというと黄金に彩られた官能的な人物画を思い浮かべますが生涯で手がけた200点あまりの油彩のうち、実は4分の1を風景画が占めています。分離派の会長としての責務に追われ、思うように筆を握れぬ苛立のなかでいつしか手がけるようになった風景画は、自然回帰願望もあいまってクリムトにとって重要なテーマになっていきます。 On Lake Attersee(1900) Gustav Klimtグスタフ・クリムト「アッター湖畔」。宇都宮美術館の...
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クリムト「人生は戦いなり(黄金の騎士)」(クリムト展より)

さてさて、ようやく宇都宮美術館のクリムト展の感想です。生誕150年を記念し、愛知県美術館所蔵の「人生は戦いなり(黄金の騎士)」を中心に据えた展覧会。展覧会の正式名称も「クリムト 黄金の騎士をめぐる物語」となっています。まずは作品を見てみましょう。 Golden Rider(1903) Gustav Klimtウィーンに花開いた聖なる春「ヴェル・サクラム」。その旗手であり絢爛豪華な金彩で一世を風靡した画家がグスタフ・クリムトです。...
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