
レオナール・フジタ「誕生日」
藤田嗣治、レオナール・フジタといえばモディリアーニやキスリングなどエコール・ド・パリの画家たちと交流し陶磁器のような乳白色の裸婦像や、やんちゃそうな猫の絵で有名です。第二次大戦中に戦争画を書いたことで責任を問われ、傷心のままにフランスへ戻り、洗礼を受けてレオナール・フジタの名に。その後、パリでフジタが多く描いたのが子どもを主題とした作品でした。Birthday(1958)Léonard Foujitaこちらは「誕生日」とい...

モロー「パルクと死の天使」
フランス象徴主義の巨匠、ギュスターヴ・モロー。歴史や神話を題材とした作品を得意とし、ジョルジュ・ルオーやアンリ・マティス、アルベール・マルケらの師としても知られています。国立美術学校で画家志望の若者達に対し、デッサンよりも色彩の重要性を説いたモローがいたからこそフォービスムという鮮烈な色彩表現が生まれたのかもしれません。そんなモローと、一番弟子のルオーに焦点をあてた展覧会がパナソニック汐留ミュージ...

2014年7月より、オルセー美術館展開催です♪
1874年、パリで開かれた第1回印象派展。モネやドガ、ピサロ、セザンヌ、ルノワールなどが参加したこの展覧会は当初は酷評の憂き目にあいますが、彼らが生み出したムーブメントはフランスのみならず世界を魅了し、絵画の歴史を変えることになります。この記念すべき第1回印象派展から、来年で140年。これを記念して、2014年7月より国立新美術館にて「オルセー美術館展」だそうです!3年前のテーマは「ポスト印象派」でしたが、次回...

酒井抱一「夏秋草図屏風」(東博、秋の特別公開)
ひさびさに、東京国立博物館に行ってきました。秋の特別公開ということで、9月29日まで東博秘蔵の国宝・重文の一部が展示されているのです。そして秋にふさわしい作品といえば……やはりこれしかないでしょう。酒井抱一「夏秋草図屏風」です。Screens of Summer and Autumn Grasses(19th century)Sakai Hoitsu前にも紹介しましたが、あらためて。本作はもともと、尾形光琳「風神雷神図屏風」の裏面に描かれたもの。よって、雷神の...

長澤蘆雪「白象黒牛図屏風」(プライスコレクション展より)
どどんと大きな白象と黒牛。ちょっとやり過ぎなくらいの造型ですが、よーく見ると思わずニンマリさせられてしまいます。長澤蘆雪「白象黒牛図屏風」。今回のプライスコレクション展で、この作品をベストに挙げる人も多いんじゃないでしょうか。 White Elephant and Black Bull(18th century)Nagasawa Rosetsu白象のうえには2羽の黒いカラスが羽を休め、黒牛のおなかのところでは、まぁ何とも愛らしいワンコが!カラスはちょっ...

森狙仙「猿図」(プライスコレクション展より)
もしも火事にあって、自分のコレクションから1点だけしか持ち出せないとしたら——そんな質問に対して、プライス夫妻が選んだのは意外にも若冲ではなく、こちらの作品なのでした。Monkey Looking at a Wasp(18th-19th centuries)Mori Sosen森狙仙「猿図」。猿を描かせたら右に出るものはなく、「猿描き狙仙」とも言われた江戸時代の絵師の作品です。リアルに描かれた猿の視線の先には、小さな蜂の姿。ジャンプして捕まえようとして...

森徹山「松に鶴図屏風」(プライスコレクション展より)
仙台市博物館からはじまり、岩手県立美術館、福島県立美術館と巡回した「プライスコレクション 江戸絵画の美と生命」。展覧会名には「若冲が来てくれました」ともあって、やはり見どころはこれまで紹介してきた伊藤若冲なんですが他にも円山応挙や長澤蘆雪、曾我蕭白、酒井抱一、鈴木其一などなど江戸絵画を代表する絵師達の作品が来日しています。そのなかでもひときわ印象に残ったのが、森徹山の「松に鶴図屏風」でした。Myriad ...

伊藤若冲「紫陽花双鶏図」(プライスコレクション展より)
引き続きプライスコレクション展の作品なんですが、伊藤若冲といえばやっぱりこれ。鶏でしょう!Rooster and Hen with Hydrangeas(18th century)Ito Jakuchu伊藤若冲「紫陽花双鶏図」。かっこいい! と思わず声に出てしまいそうな、凛々しすぎる二羽の鶏が描かれています。まるで見栄を切る役者のようなお顔ですね。若冲は庭に数十羽もの鶏を放して朝から晩まで仔細に観察したそうで、見るだけで1年、そこから写生に2年を費やし...

伊藤若冲「鳥獣花木図屏風」(プライスコレクション展より)
1cm四方の枡目を組み合わせた、タイル画のような不思議な作品。その数、8万6千個というから驚きです。ひとつひとつの桝のなかにもさらに小さな四角が描かれ、一体どれだけの時間と労力がかかったのかとため息をつくばかり。これぞ伊藤若冲の畢生の大作「鳥獣花木図屏風」。あらゆる鳥獣が仲良く身を寄せ合うこの屏風こそ、プライス夫妻が被災地の人々に見てほしいと願った作品でした。 Birds, Animals, and Flowering Plants in...

伊藤若冲「葡萄図」(プライスコレクション展より)
粒の大きさは不揃いで、葉っぱはところどころ虫に食われています。よく見なければ葡萄を描いた作品とは分からない。正直なところ、いい作品なのかどうかも分からない。なんとなく、見ていて飽きない面白い作品だとは思うけれど。伊藤若冲「葡萄図」。奇跡はここからはじまります。Grapevines(18th century)Ito Jakuchu今から60年前の、1953年。若冲の「葡萄図」と出会った青年の名はジョー・D・プライス。石油パイプライン会社の...

山口蓬春「唐壺芍薬」
ひととせをふたとせをなお流れ生く芍薬の花とわに匂えとChinese Vase and PeoniesYamaguchi Hoshun子どもみたいですが、誰よりも先にお祝いしたかったので。お誕生日おめでとう。いつまでも、笑顔のあなたでいてください。あなたの幸せを願っています。I believe in youYou know the door to my very soulYoure the light in my deepest darkest hourYoure my saviour when I fallAnd you may not thinkI care for youWhen you kno...

ロイスダール「オートマルスムの眺め」
ヤーコプ・ファン・ロイスダール。フェルメールと同時代にオランダで活躍した風景画家です。最近ではベルリン展やマウリッツハイス展で作品が来日してましたが、彼の作風は空の描き方に特徴があります。地平線を低くとり、空と雲を大胆に美しく。たとえばこの、「オートマルスムの眺め」のように。赤い屋根の家並み、尖塔、白い風車、手前の人物など語るべき要素はたくさんありますが、やはり目をひかれるのは空なんですよね。View...

大野麥風「鮎」(大日本魚類画集)
ギョギョーーー!!大野麥風「鮎」。そりゃあもう、本物と見まがうばかりの鮎なのです。Sweetfish, Familiar Fishes of Nippon(1937)Ohno Bakufu東京ステーションギャラリーで開催中の「大野麥風展」。麥風は魚類の作品を多く描いたことで知られる日本画家で、代表作の「大日本魚類画集」は「原色木版二百度手摺り」と言われるほどの精緻さ。通常は10回程度の摺りで浮世絵が完成するところを、麥風は実に200回も重ねて摺っている...

レイトン「ビオンディーナ」
フレデリック・レイトン「ビオンディーナ」。イタリア語で「ブロンドの少女」を意味するこの作品、まだ幼さを残しつつも、芯の強そうな利発な表情に眼を奪われます。Biondina(1879)Frederic Leighton今回は特に意味もなく、なんとなくお気に入りの作品紹介でした。レイトンは19世紀に活躍したイギリスの画家。来年1月から三菱一号館美術館ではじまる「ザ・ビューティフル ー英国の唯美主義1860-1900」展で彼の作品が出ないかなぁ...

モネ「睡蓮」(ホテルオークラにて)
ホテルオークラの「第19回 秘蔵の名品 アートコレクション展」。チャリティーイベントとして毎年開催されているこの展覧会、9月1日が最終日だったので慌てて見に行ってきました。今回のタイトルは「モネ ユトリロ 佐伯と日仏絵画の巨匠たち」。副題は「フランスの美しき街と村のなかで」。印象派からエコール・ド・パリ、そしてフランスで活躍した日本人画家など日本各地の美術館や企業が所蔵する作品を公開するもので、なかでも心...
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