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足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

伊藤若冲「松図」

門松のかわりに、松の絵を。伊藤若冲の「松図」という作品です。ファインバーグ・コレクション展でも来日していましたが、この前衛的な構図といったら!かっこよすぎて惚れ惚れしますなぁ。Pine Tree(1796)Ito Jakuchuさて、2013年も残すところあとわずか。思い返せば1年間、いろんなことがありました。仕事がいそがしかったのはいつものことですが、その合間でいろんなところに旅行に行って、土地の風物にふれたり美術館をまわ...
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川瀬巴水「尾州半田新川端」

しんしんと雪が降るなか、犬一匹を道連れに川沿いを歩く男。轍のように雪の積もらぬ道があるのは少し前まで人々が往来していたからでしょう。けれど今は、誰もいない。軒並み灯りはともらず、かろうじて左奥の家に人心地が感じられます。ここが男の帰る場所なのかもしれません。川瀬巴水「尾州半田新川端」。「東海道風景選集」のなかの1枚です。Snow at Shinkawabata, Handa, Bishu(1935)Kawase Hasui今年最後の美術館参りは、...
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カイユボット「ヨーロッパ橋」

年の瀬ですね。ようやく仕事も片付いて、飲み会も一段落しておうちでゆっくり過ごしております。展覧会のチラシなど整理して……いけない、あれをご紹介するのをうっかり忘れておりました。ブリヂストン美術館の「カイユボット展」。今日でおしまいじゃないか。。The Bridge of Europe(1876)Gustave Caillebotteということで、カイユボット展より「ヨーロッパ橋」。第3回印象派展に出品された作品です。サン=ラザール駅の構内の上...
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ピサロ「小川で足を洗う女」

森のなか、木漏れ日の下川縁に腰をおろして足を洗う女性。澄んだ小川は彼女の白いすねを写し、光を受けてきらきらと輝いています。筆触さえも柔らかく思わず表面をなでてみたくなる一枚。カミーユ・ピサロの「小川で足を洗う女」という作品です。Woman Bathing Her Feet in a Brook(1894-95)Camille Pissarroこの作品も東京富士美術館の「光の賛歌 印象派展」で展示されていました。描かれているのは何気ない日常、ささやかな営...
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ルノワール「ブージヴァルのダンス」

引き続き、「光の賛歌 印象派展」より。展覧会の目玉ともいうべき作品、ルノワールの「ブージヴァルのダンス」です。前にもご紹介してますが、あらためて。Dance at Bougival(1883)Pierre-Augustê Renoir「都会のダンス」「田舎のダンス」と並ぶ、3部作のひとつ。セーヌ川沿いの行楽地ブージヴァルで、ダンスを踊る男女を描いた傑作です。女性のモデルはマリー=クレマンティーヌ=ヴァラドン。アート好きの方には、シュザンヌ・...
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シスレー「モレの橋」

3連休最終日は八王子の富士美術館へ。ちと遠いものの、「光の賛歌 印象派展」というタイトルからして見に行かないわけにはいきません。非常に評判がいいみたいで、多く聞かれる声が「あの画家の作品がいっぱい!」。さて、あの画家とは……?Moret Bridge(1893)Alfred Sisleyアルフレッド・シスレー。パリ周辺の水辺を多く描いた、印象派の画家です。約37年のキャリアのなかで画風を大きく変えることなく、特に斬新な構図や実験的...
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下村観山「小倉山」

今日は大田区立郷土博物館の「川瀬巴水展」(中期)を見て、そのあとぶらっと横浜へ。横浜美術館の「下村観山展」を見てまいりました。  Mt. Ogura(1909)Shimomura Kanzanこちらは下村観山「小倉山」。鬱蒼たる秋の木立に一人腰をおろすのは、平安時代の貴族・藤原忠平。彼が詠んだ「小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば 今ひとたびの 御幸待たなむ」という和歌を絵にあらわしたものだそうです。小倉山の峰の紅葉よ、もし心があるの...
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アーサー・ハッカー「雲」

ラファエル前派の影響を受けた英国の画家、アーサー・ハッカー。彼の代表作「雲」は、1901年の発表当時英国ロマン派の詩人・シェリーの詩とともに展示されていたそうです。ラファエル前派、そしてシェリーといえば夏目漱石の大好物。英国留学が1900年から1902年なので、もしかしたらこの作品を目にする機会があったかも……ですね。とくに根拠もないけれど、こういう妄想をするのはなかなか楽しいものです。Cloud(1901)Arthur Hack...
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藤島武二「蝶」

あたかも蝶のごとく、花にくちびるをあてて蜜をすう乙女。その鱗粉が、花の香が、画面からこぼれ落ちてきそうですが……。それよりもっと激しいのは胸元をはだけた乙女の色香でしょうか。藤島武二「蝶」。実に官能的な一枚です。Butterfly(1904)Fujishima Takeji心に傷手をうけた時のことだった。私は野を歩きまわった。すると、私は一羽のチョウが青い風に吹かれているのを見た。チョウはきわだって白く、また濃い赤のまだらだっ...
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Calendar Girl

If I am lost for a day; try to find meBut if I don't come back, then I won't look behind meAll of the things that I thought were so easyJust got harder and harder each dayDecember is darkest and June is the light but this empty bedroom won't make anything rightWhile out on the landing a friend I forgot to send homeWho waits up for me all through the nightCalendar Girl who's in love with the world ...
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ターナー「レグルス」

ごめんなさい。やらかしてしまいました。東京都美術館のターナー展、18日(水)まででした。。「日曜まで」とか前回書いちゃって。。もしそのせいで諦めちゃった方がいたら、本当に本当に申し訳ございません。海より深く反省しております。Reglus(1828)Joseph Mallord William Turner気を取り直して……こちらはターナーの「レグルス」。敵軍の捕虜となり、地下牢で瞼を切り取られたレグルス将軍が最後に見た光を描いた作品です。...
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ターナー「ヴァティカンから望むローマ」

ここのところ仕事がバタバタなのに加えて土日は旅行やら何やらで慌ただしく東京都内の展覧会についてあまり紹介できてませんが、実はちょこちょこ見に行っています。今日が最終日だったターナー展も、ちゃんと行ってきましたよ。ということで、まずはこの作品を。↑ 勘違いでした。最終日は12月18日(水)。。追記。Rome, from the Vatican. Raffaelle, Accompanied by La Fornarina, Preparing his Pictures for the Decoration of...
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ラファエロ「ヴェールを被った婦人の肖像」

フォルナリーナ。ラファエロが愛し、自らの野心ゆえに結ばれ得なかった女性。画家としての高みを目指し、枢機卿の姪を選んだラファエロでしたがかつて愛したパン屋の娘への思いを捨てきれずその思いを絵に託します。婚礼の衣装をまとわせて。The Veiled Woman, or La Donna Velata(c.1516)Raffaello Sanzio結局ラファエロは枢機卿の姪・マリアとの結婚に踏み切れずかといってフォルナリーナ(マルゲリータ・ルティ)の元に戻るわ...
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カルロ・ドルチ「受胎告知」

古今東西、聖書の「受胎告知」をテーマにした作品は多いけどカルロ・ドルチのこの対作品はとても甘やかで、優しくて、敬虔でなんだか慎み深い気持ちにさせられます。 左は「受胎告知 天使」、右は「受胎告知 聖母」。みごもったよ! おめでとう! ぱんぱかぱーん!みたいな一方的な感じじゃなくて、後に起こるあらゆる災難をこの天使(ガブリエル)は知っていてその痛みを分かち合おうとしているかのようで。国立西洋美術館にカ...
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川瀬巴水「伊豆長岡 霜之朝」

仕事の関係で、伊豆に来ております。明日が取材なので前乗りして温泉でもってことで。当初は修善寺にしようと思ってたんだけどなかなか良さげな宿が見つからず伊豆長岡に。露天風呂で極楽極楽、料理もおいしくて至福なのであります。たぶん今年最後の旅行になるだろうから、もうひたすらのんびりしようと思って。Izu Nagaoka: Frosty Field(1939)Kawase Hasuiこちらは川瀬巴水「伊豆長岡 霜之朝」。伊豆に着いたのが5時過ぎだっ...
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直島の銭湯「愛♡湯」

直島では自転車を借りてスイスイ楽々移動……のはずだったんですが、まぁ島なんで非常に坂道が多いわけです。なので電動自転車にしとけばいいのに、変に見栄をはって「普通の自転車で大丈夫です!」なんて言っちゃったもんだから出発から5分後にはひぃひぃ言いながら自転車を押して坂道を登っていた次第でして。優雅とはほど遠い、汗まみれの観光だったのです(笑)で、汗をかいたら流しましょってことで行ったのがこちら。有名な直...
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李禹煥「線より」

正直に言って、この手の作品は普通の美術館に展示されていても素通りしてしまいます。どう見ればいいかわからないし、どこに共感すればいいかもわからないし。それはもう、自分の感性に合わなかったということであきらめるしかないんですが場所が変わることで、その作品から受ける印象が大きく変わることがあります。李禹煥「線より」。シンプル極まりないこの人の作品は、混じりけのない白の空間でこそ映えるのだと感じました。直...
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モネ「睡蓮の池」(地中美術館)

3週間前に京都で立ち寄った大山崎山荘美術館。大正から昭和初期にかけて建てられた洋館を本館とし、そこに増設されたコンクリート打ち放しの建物が安藤忠雄による「地中の宝石箱」です。半地下の円柱型の構造で、モネの睡蓮などの絵画が展示されています。その8年後、2004年に瀬戸内海の直島に誕生したのが地中美術館。同じく安藤忠雄の設計で、「地中の宝石箱」をさらに深化させたような美術館です。いつか行ってみたいと思ってい...
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草間彌生「赤かぼちゃ」

おなじみ草間彌生のカボチャ。正式な作品名は「赤かぼちゃ」と言いまして、炎のようないでたちで瀬戸内の海ににらみをきかしているわけです。ここは瀬戸内海に浮かぶアートの楽園、直島。仕事で金曜から徳島におりまして、そのついでにえいやっと足を伸ばしたのです。徳島から特急で高松まで出て、そこからフェリーで1時間ほど。すがすがしい晴天の下、潮風が実に気持ちよいのです。直島の宮浦港に鎮座する赤かぼちゃ、旅行者がま...
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