足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

小野竹喬「宿雪」

ついに気温は30度。まだ5月だというのに……!土日も暑さが続くみたいなので、せめて涼しげな作品をば。The Remaining Snow(1966)Ono Chikkyo小野竹喬「宿雪」。消えずに残った雪と裸木ですが、そこには春の訪れを予感させるような鮮やかな緑やオレンジの色彩が。本来はありえない色使いなのに、軽やかな詩情がただよっていてなんだか心が洗われたような気持ちになります。さて、アイスでも食べようかな……(笑)今日も明日もがんば...
0

エリザベス・キース「藍と白」

暖簾、番傘、浴衣に作務衣。藍に染まった夏の往来はとても涼しげで、店頭に並んだ染め付けもまた白と青とで涼を運びます。よく見れば、北斎の「神奈川沖浪裏」も。情緒溢れる大正時代の一コマです。Blue and White(1925)Elizabeth Keith作品名は「藍と白」。川瀬巴水や伊東深水で知られる渡邊木版の新版画で、作者はスコットランド出身のエリザベス・キース。外国人の作品とはとても思えない、見事な和情緒の世界です。元々独学...
0

ブーダン「トルーヴィルの海岸」

海の画家といえば、連想するのはウジェーヌ・ブーダン。戸外制作の重要性をモネに伝えた画家として知られており、船長だった父親とともに少年時代から船に乗っていたせいか作品の多くにフランスの海が描かれています。The Beach at Trouville(1867)Eugene Boudinこちらはウジェーヌ・ブーダン「トルーヴィルの海岸」。夏の保養地として人気が高かったノルマンディー地方のトルーヴィルで、ヴァカンスを楽しむ裕福な人々が描かれ...
0

バルテュス「夢見るテレーズ」

東京都美術館で「バルテュス展」を見てきました。キャッチコピーは「称賛と誤解だらけの、20世紀最後の巨匠」。それは言い過ぎじゃないかと思うものの、「20世紀最後の巨匠」と称えたのは、かのパブロ・ピカソだそうで。さてどんなものだろうと、淡い期待を抱いて見に行ったのでした。Therese Dreaming(1938)Balthusこちらはバルテュス「夢見るテレーズ」。描かれているのは、まだ年若い少女の無防備な姿。「性の目覚め」と言わ...
0

「埴輪 乙女頭部」と川端康成

ほのぼのとまどかに愛らしい。均整、優美の愛らしさでは、埴輪のなかでも出色である。この埴輪の首を見てゐて、私は日本の女の魂を呼吸する。日本の女の根源、本来を感じる。ありがたい。埴輪には丸い顔が多いが、この首ほどやはらかく丸い顔はめづらしいやうである。丸さは横顔へもつづく。頭のうしろも丸い。そして、首の細く長いのがいい。丸の均整と調和のまはりに温かいひろがりがある。しかし、目は切り抜かれて、奥に深い暗...
0

歌川広重「月二捨八景之内 葉ごしの月」

19世紀はじめ、日本に伝わってきた新しい青。それはベロ藍と呼ばれる透き通るような青でした。100年も前にドイツ・ベルリンで発見されたことから名付けられ、またの名はプルシアンブルー。当時入手困難だったベロ藍をいち早く取り入れたのが葛飾北斎でしたが、同じころにこの人も、ベロ藍に注目し独自の世界を生み出しました。絵師の名は、歌川広重。彼が用いた青に注目した展覧会「広重ブルー 世界を魅了した青」が、明治神宮前...
0

根津美術館の『燕子花図と藤花図』

毎年初夏の恒例イベントともいえる、根津美術館の尾形光琳「燕子花図屏風」公開。今年は同館が所蔵するもうひとつの傑作、円山応挙「藤花図屏風」と合わせての展示でした。金地を背に濃紺の花々がおどるように咲き群れる、琳派芸術の到達点ともいえる「燕子花図屏風」。そして幹や枝は一筆で流れるように描きながら、藤の花には写生を尽くした「藤花図屏風」。これら傑作を並べて見られるという贅沢の極みなのです。そして振り返れ...
0

川端康成「古都」と東山魁夷「冬の花」「北山初雪」

ゴールデンウィークに浜松に行った際、静岡市美術館の「巨匠の眼 川端康成と東山魁夷」を見てまいりました。文豪・川端康成と昭和を代表する日本画家・東山魁夷の交流に焦点をあて、それぞれの所有する美術品を紹介していくというもの。まずは、2人の親交を象徴する一枚を。Winter Flower(1962)Higashiyama Kaii東山魁夷「冬の花」。川端が文化勲章を受賞した翌年(1962年)にお祝いとして魁夷が贈ったもので、このとき川端は睡...
2

加山又造「冬」

また忙しくなってまいりまして、徹夜だったり終電間際だったり。しばらく我慢の日々になりそうです。Winter(1957)Kayama Matazo加山又造の「冬」という作品。季節外れもいいところですがなんとなくそんな気分でありまして。その背中はあまりに厳しくて、寂しいな。孤高といえば聞こえはいいけど白い雪へのあこがれは隠しようもない。きらびやかでもないけれどこの一本の手綱をはなさずこの陰暗の地域を過ぎる!その志明らかなれ...
0

佐伯祐三「人形」「ロシアの少女」

前回に引き続き、佐伯祐三について。展覧会では陰鬱で重い印象の作品が多かったのですが、例外的に明るくて愛らしい作品もありました。たとえばこちら。「人形」という作品です。Doll(c.1925)Saeki Yuzo佐伯はこの人形に一目惚れしてしまったのか、1000フランで購入してしまい、その結果、実家や友人から借金をするはめになったのだとか。それくらい愛らしい人形だったのでしょう。このほか、「ロシアの少女」という作品でも黄色...
0

佐伯祐三「立てる自画像」

創作活動に悩みや迷いはつきものですが、心の葛藤をここまで直截に描いた作品も珍しいと思います。佐伯祐三「立てる自画像」。自画像の命とも言える顔を削り落した、苦悩の一枚です。Standing Self-Portrait(1924)Saeki Yuzo30歳という若さで亡くなるまで、わずか6年たらずの活動期間の多くをフランスで送った佐伯祐三ですが、そこでの画家生活は決して順風なものではありませんでした。1924年の初夏、最初の渡仏時に自信作の裸...
0

モンドリアン「夕暮れの風車」

よくも悪くも、たった1枚の作品によって展覧会の印象が大きく変わってしまうことがままあるものです。これもそんな1枚。ピエト・モンドリアンの「夕暮れの風車」という作品です。Windmill in the Evening(c.1917)Piet Mondriaan闇をのみこんで屹立する風車。黒一色で形態を単純化し、それだけに不穏な存在感がいや増します。灰色の雲は空をまだらに覆い、そのすきまから、頼りなくも満月が顔をのぞかせています。まだ夕暮れ時だ...
0

ヴァイセンブルフ「トレックフリート」

19世紀にフランスで生まれ、印象派にも多大な影響を与えたバルビゾン派。ミレーやコローを中心とし、農村や美しい自然風景を多く描きました。その影響はオランダにも及び、ハーグ派という一派を形成します。損保ジャパン東郷青児美術館で、このオランダ・ハーグ派に焦点をあてた展覧会が開かれています。The Trekvliet(1870)Jan Hendrik Weissenbruchこちらはヤン・ヘンドリック・ヴァイセンブルフ「トレックフリート」。トレッ...
0

モーリス・ドニ「トランペットを吹くアコ」

少し間があいてしまいましたが、森アーツの「こども展」のことを。チラシにはルソー、ピカソ、ルノワール、モネ、マティスといった名前が並んでいましたが、子どもの絵といえばこの人を忘れてはいけません。モーリス・ドニ「トランペットを吹くアコ」。9人もの子どもの父親であったドニは非常に子煩悩だったそうで、子どもを描いた絵を多く残しています。古今東西、我が子を最も多く描いた画家のひとりであった、とのこと。この絵...
0
該当の記事は見つかりませんでした。