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足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

クロード・メラン「聖顔」

昨日行ってきた、町田市立国際版画美術館のおもしろい作品を。Veronica(1649)Claude Mellanクロード・メランの「聖顔」という作品です。聖骸布にうつった、イエスの御顔。これをおもしろいと表現してしまうのは罰当たりかもしれませんが、よーく顔を近づけて見てみると……。この作品、年輪のように円を中心から重ねていって、その線の幅を微妙に太くしたり細くしたり調節することで絵を浮かび上がらせているのです。これを見たと...
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没後400年 古田織部展

またしても明日で終了の展覧会になりますが……。松屋銀座の「没後400年 古田織部展」のことを。古田織部は、桃山時代の武将茶人。漫画「へうげもの」でもおなじみですね。師の千利休とは対照的な、斬新な美の世界を茶の湯に取り込んだ人物です。その作風は奔放で自由そのものですが、心地よい調和と精神性があって……と知ったようなことを書いておりますが、実は織部焼ってあんまり好きじゃなかったんですよねー(笑)奇抜すぎるとい...
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東山魁夷「郷愁」

「郷愁」という言葉は、どこか寂しさや哀しさを帯びています。「愁う」は「憂う」ですもんね。遠い故郷を思って涙したり、変わりゆく自然や町並を見て心をいためたり。大切な場所だからこそ、いつかは失われることが分かっているからこそ、なおさらそう思うのでしょう。Nostalgia(1948)Higashiyama Kaii東山魁夷「郷愁」。魁夷が好んだ青を基調とした、日本の原風景です。小川が流れ、寄り添うように土手道が続き、その先には山...
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ミレー「種をまく人」

気がつけば明日(1月12日)が最終日。三菱一号館美術館の「ミレー展」、すっかり紹介するのが遅くなってしまいました。まずは日本でもなじみの深い、こちらの作品から。The Sower(1850)Jean-François Milletジャン=フランソワ・ミレー「種をまく人」。ボストン美術館所蔵の、ミレーの傑作です。伸ばした右手で種をまいており、その上(画面左上)に目を転じると、鳥たちが飛び立っているのが分かります。まいた種が大地に根をは...
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英一蝶「富士山図」

2015年最初の美術館詣では、恒例の東博にいたしました。長谷川等伯の「松林図屏風」も素晴らしかったけれど、一番印象に残ったのはこちら。英一蝶の「富士山図」という作品です。富士山というだけでも吉祥のめでたい一枚なんですが、なんだかとてものんびりと、ゆるゆるとしていて。寝正月を引きずっていったせいか、その気楽なたたずまいがことさら心にしみたわけです(笑)実際のところは険路を黙々と進む旅人の姿なんでしょうけ...
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セガンティーニ「編み物をする娘」

明けましておめでとうございます。今年は未年。ひつじというと、思い浮かぶのはセガンティーニです。A Girl Kniting(1888)Giovanni Segantiniこちらはセガンティーニの「編み物をする娘」という作品。細かな線を連ねた明るい色彩と、羊達のそばで熱心に編み物をする女性が微笑ましい一枚です。アルプスの柔らかな日差し、冷たく澄んだ空気。羊も目を細めて、なんだか気持ち良さそうです。大きな羊と書いて「美」ということで、今...
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