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足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

小杉放庵「天のうづめの命」

天照大神(アマテラスオオミカミ、地元ではテンテルさんと呼んでた)が天の岩戸に隠れてしまうと、たちまち世界は真っ暗になってしまいます。そらもう、わやくちゃな有様でこりゃあ困ったと八百万の神様方。思案のすえに鏡やら勾玉やらをこしらえて、満を持して登場したのがこの人、アメノウズメです。Ame-no-Uzume-no-Mikoto(1951)Kosugi Hoanアメノウズメが神懸かりして(神様なのに??)胸をさらけ出して踊ると、神様達はい...
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ティツィアーノ「鏡の前の女」

四角い小さな手鏡とまるい大きな鏡にはさまれて女性は右手に髪の毛を、左手に香水瓶を持ち身繕いの最中です。ティツィアーノ「鏡の前の女」。こちらも国立新美術館の「ルーブル美術館展」より。Woman with a Mirror(1512-1515)Tiziano Vecellio胸元が大きく開いたドレス、あらわになった左肩の曲線、右腕のカーブも指先も、実に官能的です。「ふくよかな女性もいいよねー」と思った男性も多いのでは。女性も自分の美しさに見惚れ...
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ムリーリョ「物乞いの少年(蚤をとる少年)」

17世紀スペインの画家、ムリーリョ。「無原罪の御宿り」など宗教画で知られる画家ですが、こちらは初期の風俗画。「物乞いの少年(蚤をとる少年)」という作品です。国立新美術館の「ルーブル美術館展」にて。A Beggar Boy Picking a Flea(1647-48)Bartolome Esteban Murillo熱心に蚤を取る少年。かたわらには水差し、芋、海老が描かれており、昼食後のひとときであると考えられます。となると、「物乞い」ではない――という説も...
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北陸新幹線、フェルメールのことなど

昨日から長野―金沢区間が開業した北陸新幹線。これで東京から金沢まで最速2時間28分、大阪や京都あたりへ行くのと同じ感覚で行けるようになります。朝起きてふっと思い立って、気がついたら午後には金沢なんていう荒技もできるわけですね。となると、何がうれしいかって……金沢21世紀美術館に行けるじゃありませんか!!タレルの部屋が見れるじゃありませんか!!というわけで夏くらいに行けたらいいなぁと思っている次第であります...
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フェルメール「天文学者」

またひとつ、フェルメールの作品に会うことができました。国立新美術館の「ルーブル美術館展」にて。The Astronomer(1668)Johannes Vermeerフェルメールの「天文学者」。前にBunkamuraで見た「地理学者」と対をなすような、書斎の学者、叡智の象徴のような作品です。いかにもフェルメールらしい窓から射す光。学者は天球儀に手をあてて、物思いにふけっているようです。天球儀のうえにかかっている時計のようなものは星座の早見...
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杉本博司「月下紅白梅図」

真昼のひかりが鮮烈であれば、なおさら夜の闇は深く感じられるものです。そして暗闇のなかでこそ、目にうつる美しさというものがあります。月明かりが照らし出した、紅梅白梅の別の顔。杉本博司の「月下紅白梅図」という作品です。言うまでもなく、これは尾形光琳の「紅白梅図屏風」をベースにした作品です。モノクロームの世界で梅はいっそう匂い立ち、流水もまた磁力を増して、鑑賞者を飲み込もうとするかのよう。この作品は薄暗...
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尾形光琳「紅白梅図屏風」

金曜にお休みをいただいて、熱海へ一泊一人旅にいってきました。お目当てはMOA美術館の「光琳ART」。尾形光琳300年忌を記念する特別展です。Red and White Plum Blossoms(eco, 18th century)Ogata KorinこちらはMOA美術館所蔵の国宝、尾形光琳「紅白梅図屏風」です。梅の咲く時期にこの屏風を見てみたいと、長年の夢がようやくかないました。幹の大部分を画面外にかくした白梅と、画面いっぱいに咲き匂う紅梅。そのあいだには、...
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