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足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

ヴィンターハルター「フロリンダ」

ザ・女子会。フランツ・ヴィンターハルター「フロリンダ」。タホ河のほとりで水浴びをする娘たち、そのなかで一際美しいのがスペインのフリアン侯爵の娘・フロリンダです。このあと西ゴートの王ロドリゴが半裸でたわむれる彼女達を目撃してしまい、情欲抑えられず……ついにはこれが引き金となって戦争に発展してしまうわけです。女性の美しさに罪はなけれど、こんな水浴びの場面を見てしまったら。。自分もどうなってしまうか分から...
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速水御舟「洛北修学院村」

海の底の理想郷を沖縄ではニライカナイというそうです。きっとこんな風景ではないでしょうか。深くまた深く、青に満たされて。Shugakuin Village in Rakuhoku(1918)Hayami Gyoshu速水御舟「洛北修学院村」。描かれているのは海の底……ではなく、京都北部の修学院。朝方の田園風景はまだ夜の気配をたたえていて、静けさのなかで少しずつ、人の営みがはじまっていきます。近づいてみれば手前の樹々がうごめいているようで、遠ざかっ...
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チェイス「カナリア」

The Pet Canary(c.1886)William Merritt Chase唄を忘れたかなりやは後ろの山に棄てましょかいえいえ それはなりませぬ唄を忘れたかなりやは背戸の小薮に埋けましょかいえいえ それはなりませぬ唄を忘れたかなりやは柳の鞭でぶちましょかいえいえ それはかわいそう唄を忘れたかなりやは象牙の船に銀の櫂月夜の海に浮かべれば忘れた唄をおもいだす(西条八十「かなりや」)今日も明日もがんばろう。  ...
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マレキアーロの3本用ペンケース

また文具の話です。かねて気になっていた、マレキアーロの3本用ペンケースを手に入れました。ペンケースってどうも渋いデザインのばっかでなかなか食指が動かなくてですね。でも万年筆を持ち歩くなら、ちゃんとしたのを使わないと……と思ってて。ようやく巡り会ったのが、デルタの革製品ブランド・マレキアーロだったわけです。デルタといえばイタリア、そしてドルチェビータ(一番右に入ってるやつ)。真ん中にさりげなくオレンジ...
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小林清親「浅草夜見世」

しみじみと胸に迫り来るのは郷愁でしょうか。ずっと続くと思っていたのに、いつのまにか失われていた少年時代。その面影を、清親の版画を見るたびに思うのです。小林清親「浅草夜見世」。描かれているのは明治時代の情景ですが、子どもの頃に行ったお祭りのことを思い出すんですよねぇ。親からもらった小銭をだいじに握りしめて、何を買おうかと一生懸命あたまを働かせて。昔から人混みがきらいな自分ですが、このときばかりは胸を...
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ダリ「記憶の固執」

The Persistence of Memory(1931)Salvador Dali素粒子の宿り木チコの残光イチジクの花、ハチスの実ああぼくは、どこにあるこの海の果てなき広さよ!今日も明日もがんばろう。  ...
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イヴ・タンギー「火、色彩」

大好きなイヴ・タンギーの作品を。富山県立近代美術館の所蔵、「火、色彩」です。例によって謎めいたタイトルです。「色彩」はなんとなく分かるけど、「火」は何を意味しているのだろう。タンギーが描く形態はどことなく、炎の揺らぎに見えなくもないけれど。これらをむすぶ糸、そして実在を主張するような濃い影。不可解な世界なのにどこか心地よく、いつまでも浸っていたいと思わせる魔力があります。この作品は、東京ステーショ...
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俵屋宗達「伊勢物語図色紙《大淀》」

大淀の浜に生ふてふみるからに心はなぎぬ語らはねども俵屋宗達「伊勢物語図色紙《大淀》」。対角線上に置かれた男と女。たがいに見つめ合いながらも、その距離感がすべてを物語っています。「あなたを伊勢の国につれていって一緒に住みたい」とささやく男に対し、女は冒頭の歌でこたえます。伊勢の大淀の浜には海松(みる)が生えていますが、その名のように、私はあなたを見ているだけで心が落ち着くのです。いただいた言葉だけで...
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ルオー「老いたる王」

ある晴れた日の暮れかかるころ大空に輝く一番星がなぜか私の心を締めつけて以来私の心から無意識のうちに一つの詩想が流れ出た、道端に止まっているあの流浪の人たちの車、痩せた草を喰む老いさらばえた馬、ぼろ車の片隅に坐って派手でけばけばしい衣装を繕っている老いぼれた道化師、そして人をおもしろがらせるために作られたどぎつくきらびやかな物と、少し高い所から見下ろせば限りなく悲しく思われるこの人生との対比……。それ...
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