モネ「ラ・ジャポネーズ」と「死の床のカミーユ・モネ」
クロード・モネの「ラ・ジャポネーズ」。
フランス印象派の面々が日本画の影響を受けていたのは有名な話ですが、
こちらはそのなかでも極めて象徴的な作品です。
絢爛な赤い着物をまとったモネの妻カミーユが、
扇子を手に見返り美人のポーズで
なんともコケティッシュな魅力をふりまいています。
モネの作品でこんなに表情豊かな人物画って珍しいですよね。
La Japonaise(1875)
Claude Monet
モネはカミーユをモデルにした絵を数多く残していますが、
「ラ・ジャポネーズ」と合わせて紹介しておきたいのが
「死の床のカミーユ・モネ」。
永遠の眠りについた最愛の妻の姿を、
機械的に描写している自分自身に疑問を抱きつつも、
手を止められない画家の本能。
「ラ・ジャポネーズ」とは正反対の、
極めて静謐で深い悲しみの漂う作品です。
Camille Monet sur son lit de mort(1879)
Claude Monet
「私はもはや動かなくなってしまった彼女の顔に、
死が加え続ける色の変化を機械的に写し取っている自分に気づいた」
モネの述懐は、喜びも悲しみも絵にしなくては済まされない
画家の業のようなものを感じさせます。
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