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足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

ゴッホ「星降る夜」(オルセー美術館展その4)

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オルセー美術館展では、「ゴッホとゴーギャン」というテーマのブロックがあって
さすがにこちらはものすごい人だかりでした。
中でもこの絵は・・・いやでも足が止まってしまう、強烈なインパクト。
フィンセント・ファン・ゴッホの1888年の作品、「星降る夜」です。
色合いといい、筆使いといい、
一歩間違えればグロテスクになりかねない絶妙なバランス。
まるで嵐の前の静けさのような。


星降る夜
Starry Night Over the Rhone(1888)
Vincent van Gogh




夜空はゴッホがアルルで魅せられたテーマであり、
この絵を描き上げて間もなく、ゴーギャンがアルルにやってきます。
そしてゴーギャンとの共同生活、耳切り事件などを経て、
ゴッホは精神病院へ・・・。
入院中に描かれた晩年の傑作が、かの有名な「星月夜」です。
星降る夜」とは一変して、のたうちまわるような夜空。
星ははるかに大きくなり、地の底からもだえ這い上がるような糸杉が天を突き、
やり場のないエネルギーが弧を描き、渦となって夜をかき混ぜるかのようです。
かつて幻想的だったアルルの夜は、そのとき画家の目にどう映っていたのでしょうか。


星月夜
Starry Night(1889)
Vincent van Gogh




もう一度、「星降る夜」に話を戻しましょう。
この絵の上部、夜空に浮かぶ星をつなげていくと北斗七星が浮かび上がります。
でも、実際にこの絵の構図のように目の前にローヌ川を、
対岸の左手にアルルの街が見える位置に立つと、
北斗七星は見えないはずなんだそうです。
絵の方角は南西、北斗七星は北の方角なので。


星降る夜2



じゃあ、なぜゴッホは見えないはずの北斗七星を描いたのか。
北斗七星は夜空の中で目立ちやすく、
天の中心にあたる北極星を探す基準に使われる星々。
アルルという地に落ち着き、芸術家として
さらなる高み(北極星)を目指そうとしたゴッホの
決意の表れだったのかもしれません。
ちなみに「星月夜」で右上に浮かぶのは、大きく欠けてしまった三日月。
これもまた、なんとも象徴的ではありませんか。


オルセー美術館展のサイトはこちら
ゴッホの作品は「星降る夜」のほか、
「自画像」「アニエールのレストラン・ド・ラ・シレーヌ」
「ウジェーヌ・ボック(詩人)」「アルルのゴッホの寝室」など、
計7点が展示されています。


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