海北友松「雲龍図」
東京国立博物館で開催中の「栄西と建仁寺」展。
開祖・栄西の800年遠忌にあわせて建仁寺ゆかりの宝物を集めた展覧会で、
やはり目玉は俵屋宗達の「風神雷神図屏風」なわけですが、
もうひとつの見どころは安土桃山時代の絵師・海北友松。
実は海北友松展なんじゃないかと思うくらい、彼の作品が多く展示されているのです。
こちらは重要文化財「雲龍図」。
阿吽の双龍が襖の左右に描かれ、見るものを威圧します。
雷鳴でもって大気を震わし暗雲をかきわけるその姿は、
武家に生まれた絵師だからこそ到達し得た境地なのでしょうか。
海北友松のこの襖絵は、左4幅と右4幅を前期と後期に分けて展示しているのですが、
4月22日から5月6日までに限っては、全8幅をまとめて見ることができます。
阿吽の龍なのだから、合わせて見ないともったいないですよね。
ぼくは片方しか見れてませんが……。
ちなみに建仁寺を開いた栄西ですが、
鎌倉時代に宗から日本へお茶を持ち帰った人物として知られており、
「喫茶養生記」という著作ではお茶の効用や製法について書いています。
実は長いことお茶に関する原稿を書いたりしてまして、
栄西や「喫茶養生記」についても何度か書いたことがございまして。
今回の展覧会ではこの「喫茶養生記」も出ていて、
ようやく本物を見ることができたなぁと。思わぬ収穫でありました。
今日も明日もがんばろう。
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