ヴァイセンブルフ「トレックフリート」
19世紀にフランスで生まれ、印象派にも多大な影響を与えたバルビゾン派。
ミレーやコローを中心とし、農村や美しい自然風景を多く描きました。
その影響はオランダにも及び、ハーグ派という一派を形成します。
損保ジャパン東郷青児美術館で、
このオランダ・ハーグ派に焦点をあてた展覧会が開かれています。
The Trekvliet(1870)
Jan Hendrik Weissenbruch
こちらはヤン・ヘンドリック・ヴァイセンブルフ「トレックフリート」。
トレックフリート運河に浮かぶ舟、
オランダの原風景ともいえる風車、赤い屋根。
全体的にやや灰色を帯びた色合いもバルビゾン派の影響でしょうか。
空の面積が広い点は、オランダ出身のロイスダールや
フェルメール(ともに17世紀)を思わせます。
ハーグ派という存在については今回初めて知ったのですが、
先に挙げたロイスダール、フェルメールやレンブラントから続く
オランダ絵画の流れを思えば、風景画が重要視されるのも納得です。
バルビゾン派がなかったら、もっと違った風景画が生まれていたのかな、
なんて思ったりもしながら。
展覧会ではバルビゾンはを入り口に、
ハーグ派の面々の風景画や人物画、
そして最後に、オランダで生まれハーグ派の影響を受け、
後の絵画史に変革をもたらしたゴッホ、モンドリアンの2名を取り上げています。
美しいオランダの景観はみずみずしい初夏の時期に見るのもいいですし、
梅雨時の清涼剤として見るのもいいかもしれません。
新宿の約180メートルの高さに広がる大自然、
バルビゾン派が好きな方なら是非。
会期は6月29日までです。
左:ヤコブ・マリス「漁船」 右:ヨーゼフ・イスラエルス「縫い物をする若い女」
さて、話は変わりまして……。
ロードバイクの話を過去に何回かしていますが、
これが見事に夢中になってしまいまして
先週は東京湾まで往復40キロ、
GW初日の昨日は、川越まで往復100キロを走破してきました。
どちらも荒川沿いをひたすら走るルートで、
川風がなんとも心地よくてスイスイ進めるんですね。
次はもう少し装備を整えて、
泊まり前提で遠方の美術館でも行こうかなーと思っております。
今日も明日もがんばろう。
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