マティス「夢」
幸せな夢を見ました。
電車のシートに並んで座って、
たわいもないことを静かに語り合う。
窓の向こうに見える空はとても青くて、
なぜかぼくは空ばかり見ながらしゃべっていて。
そんな夢でした。
Dream(1940)
Henri Matisse
それは 花にへりどられた 高原の
林のなかの草地であつた 小鳥らの
たのしい唄をくりかへす 美しい声が
まどろんだ耳のそばに きこえてゐた
私たちは 山のあちらに
青く 光つてゐる空を
淡く ながれてゆく雲を
ながめてゐた 言葉すくなく
──しあはせは どこにある?
山のあちらの あの青い空に そして
その下の ちひさな 見知らない村に
私たちの 心は あたたかだつた
山は 優しく 陽にてらされてゐた
希望と夢と 小鳥と花と 私たちの友だちだつた
(立原道造「草に寝て…… 六月の或る日曜日に」)
今日も明日もがんばろう。
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