足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ヴァロットン「ボール」

0   0


フェリックス・ヴァロットンといえば、連想するのはこの作品。
2010年のオルセー美術館展に続き、
三菱一号館美術館で開催中のヴァロットン展でも展示されていました。
「ボール」という作品です。


ヴァロットン「ボール」
Ball(1899)
Felix Vallotton




麦わら帽子をかぶった女の子が、
赤いボールを追いかけて陽だまりのなかを走る。
向こうでは2人の女性が立ち話をしている。
ただそれだけの、のどかな風景のはずなのに……
なぜか胸騒ぎを覚えるのです。
よく見れば黒雲のように木々が覆い被さり、
画面の半分以上を影が支配しています。
そして異なる角度から撮影されたスナップ写真を元にしたことによる、
ぐにゃりと歪んだ視点。
赤いボールに導かれて少女が異世界から逃げてきたような、
そんな気持ちにさせられる作品です。


展覧会の副題は「冷たい炎の画家」。
なるほど、ヴァロットンの作品は概してこうした矛盾、ずれを感じさせます。
エロティックで、謎めいて、そして非日常的な世界観。
展覧会ではひんやりとした裸婦像に始まり、
奇妙にねじれた風景画、黒面を大胆に配した木版画、
どこか滑稽で違和感を覚える神話を題材とした絵画が並んでいました。
いずれも一筋縄ではいかない磁力を放っていて、
見れば見るほどこの画家のことが分からなくなっていく。
そしてその独特の世界に惹かれていくわけです。
会期は9月23日(火)まで。
先日お伝えしたドニの作品のこともあって、
今後何度か通うことになりそうです。

ヴァロットン「貞節なシュザンヌ」
「貞節なシュザンヌ」。聖書に登場する貞節の代名詞スザンヌ(シュザンヌ)もこの通り。





今日も明日もがんばろう。
人気ブログランキングへ  Twitterボタン


関連記事

Leave a reply






管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

trackbackURL:http://suesue201.blog64.fc2.com/tb.php/1029-928f1cdd
該当の記事は見つかりませんでした。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。