モネ「ラ・ジャポネーズ」
当ブログの記念すべき第一回で紹介した、
クロード・モネの「ラ・ジャポネーズ」。
ボストン美術館所蔵のこの作品が、
およそ1年の修復を終えて世界初公開ということで
世田谷美術館に来ています。
La Japonaise(1876)
Claude Monet
鮮やかに当時の色彩を取り戻した「ラ・ジャポネーズ」。
まずはその大きさに圧倒されました。
天地2.3メートルですから、等身大よりも大きいわけですね。
艶めいた緋の打掛けをまとい、
扇子を手にこちらに視線を投げ掛けるのはモネの妻、カミーユ。
壁にはられた団扇、扇子の模様、そして体のラインが大きくS字を成しており、
そのほぼ中心で、武者の刺繍が飛び出さんばかりの立体感で表現されています。
モネの作品で、衣装の質感に魅せられたのは初めてかも……。
実物を見るまでは装飾が少し過ぎるかと思ってましたが
いやいやとんでもない、非常によく考えられた構図なんですよねぇ。
展覧会場では本作のX線による解析結果についても触れており、
それによると団扇の配置について何度も修正がなされているとのこと。
たとえば右側の赤い団扇は、もともとは左側の鶴の団扇の近くに置かれていたそうです。
本作は言うまでもなく、日本美術の影響を顕著に受けています。
印象派の面々が日本の浮世絵などに強く惹かれていたのは有名な話で、
今回の世田谷美術館の「ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展」は、
こうした日本美術と西洋の画家たちのつながりを、
ボストン美術館の所蔵品をもとに紐解いていくというもの。
ですので西洋画だけでなく、北斎や広重などおなじみの浮世絵も多く展示されています。
印象派もモネを筆頭にルノワール、マネ、ドガ、カサット、ピサロなどなど。
さらにロートレックやゴッホ、スーラ、ホイッスラーなど有名どころが並びます。
日本美術の素晴らしさを再発見するというよりは、
異文化を柔軟に取り入れて試行錯誤しながら(時に失敗しながら)
新たな芸術を生み出そうとした西洋画家たちの心意気に感じ入る、そんな展覧会でした。
会期は9月15日まで。その後京都市美術館、名古屋ボストン美術館に巡回します。
期間中は100円の直行バスが出ていて便利ですよ。
話は変わって、昨晩は七夕でした。
台風が近づいており、今年もまた雨模様かと思いましたが
夜になって晴れ間が見えてきて。
天の川とまでは行きませんが、
かすかにいくつかの星がまたたいているのが見えました。
願い事はやはり変わらず、だからこの時期はすこしさびしく
いやいや、頑張らねば! と自分を叱咤しております。
ryusei 投稿者 cloudy_007
今日も明日もがんばろう。
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