足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

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ゴッホ「ひまわり」

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今日は損保ジャパン東郷青児美術館に行ってきました。
企画展の感想より前に紹介するのもどうかと思いますが、
やっぱり一番印象に残ったのは……
常設のゴッホ「ひまわり」でした。


ひまわり
Tournesols(1889)
Vincent van Gogh




溜め息が出るほどの、鮮やかな黄色。
黄色というより黄金色といったほうがいいくらいの、
強烈な存在感でした。
その強さは色彩や構図だけでなく、
絵の具の塗り跡が立体的に残る、
ゴッホならではの筆さばきにあるのだと思います。
特に種子の部分なんて、遠く離れても立体感が分かるほど。
ただ、一般にひまわりという花に対して抱く明るいイメージよりも、
僕はもっとネガティブなものを感じました。


記録に残っている限りでは
ゴッホはパリ時代・アルル時代で
合わせて11点の「ひまわり」を制作していますが、
アルル時代の作品は大きく2つに分けられます。
ゴーギャンがアルルを訪れる前(1888年8~10月)と、
ゴーギャンがアルルを去った直後(1889年1月)。
そして今回紹介する「ひまわり」は、後者に属し、
前者のレプリカと位置づけられています。


そもそも、ゴッホが活動の場をパリからアルルへ移したのは、
同時代の印象派の画家たちと共に生活し、ともに制作するため。
「黄色い家」に移り住み、ゴッホは志を同じくする画家たちの到着を待ちます。
やがて共同生活の中心人物となるべき画家、ゴーギャンが到着しますが……。


共同生活から1年後、今回紹介する「ひまわり」と
ちょうど同じ時期にゴッホが描いたのが、「耳を切った自画像」です。
緊迫するゴーギャンとの共同生活の末に、
精神を病んだゴッホはみずから、左耳の半分を切り落としてしまうのです。
結果、アルルでの共同事業は終焉を迎え、
ゴーギャンはゴッホの元を去ってしまうわけです。

耳を切った自画像
Portrait de l'artiste par luimême(1889)
Vincent van Gogh




「ひまわり」は、アルルの黄色い家に集まるはずだった
画家たちをあらわしている、という説もあります。
しおれかかったひまわりは、
ついに成就しなかったゴッホの夢を意味しているのかもしれません。
なぜゴッホは、ゴーギャンが来る前のひまわりのレプリカを制作したのか。
過去への決別なのか、それとも未練なのか。


東郷青児美術館の「ひまわり」は、
行き場を失ったエネルギーがくすぶり、せめぎあっているような印象でした。
「ひまわり」の内側に収斂しようとする力と
外側へ発散しようとする力がぶつかり合っているような。
ゴッホの精神状態そのものが、
まさにそういった危うさをはらんでいたのでしょうか。


損保ジャパン東郷青児美術館のサイトはこちら。
比較的すいてることもあって、
「ひまわり」は文字通り釘付けになって、じっくり鑑賞できます。



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-2 Comments

稟猫 says...""
2011.03.15 14:56 | URL | #- [edit]
スエスエ201 says..."Re: s"
> 稟猫さん

いえ、どちらかというとmです。
2011.03.19 12:56 | URL | #- [edit]

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