竹内栖鳳「海幸」
私は、鯛の刺身が大好きだ。
鯛の腹のあたりの、すこし脂が乗っているところを、
あまり厚くない刺身にして、
ワサビも何もなしに、生醤油だけで食べる。
これに、すこし濃目の煎茶へ塩をひとつまみ落したのを吸物がわりにして、
たきたての飯を食べられたら何もいうことはない。
(池波正太郎「散歩のとき何か食べたくなって」より)
Marine Products(1942)
Takeuchi Seiho
鯛。食べたいですねぇ。
画像は竹内栖鳳の「海幸」。
これまた何とも……。
冒頭で引用した池波正太郎の食エッセイ集では、
名古屋の鯛の名店として「たい家」と「鯛めし楼」を挙げています。
本が書かれてから30年以上たっていますが、どちらも営業を続けてらっしゃるみたい。
次に名古屋にいったときには、ぜひ足を運びたいと思います。
小さいころは魚介類が苦手だったという話は前にしたかもしれませんが、
白身魚のお刺身はなぜか好きで、鯛も喜んで食べていた記憶があります。
母方の祖父もやはり白身魚だけを好んでいたらしく、
ほかにも食の好みに共通するところがあると親や親戚がよく言っていました。
ぼくが生まれたときには祖父はすでに他界していたので
祖父の食の好みを自分が知っていたはずもないのですが、
隔世遺伝的なものなのか、
それとも親がうれしそうに祖父に似てるというから
無意識に自分も白身魚が好きになっていったのか……。
今では赤身の魚も美味しくいただいておりますけどね(笑)
今日も明日もがんばろう。