菱田春草「黒猫」
狩野派の末裔である橋本雅邦に学び、
岡倉天心のもと横山大観らとともに「朦朧体」という新たな空気表現に挑み
近代日本画の革新を成し遂げた重要人物、菱田春草。
彼の生誕140年を記念する「菱田春草展」が、
東京国立近代美術館で開かれています。
Black Cat(1910)
Hishida Shunso
菱田春草と言えば、朦朧体を経てたどり着いた装飾的な「落葉」の連作や
後世の画家にも大きな影響を与えた猫の連作。
上にあげた作品は1910年の「黒猫」(播磨屋本店所蔵)という作品で、
柿の木のしたでいたずらそうな表情を見せる黒猫が描かれています。
こちらの存在を気にしているのか、少し背中をまるめて緊張したそぶりです。
同じ年に春草は「黒き猫」(重要文化財・永青文庫)、「柿に猫」(個人蔵)、
そして「黒き猫」(霊友会 妙一コレクション)など猫を主題とした作品を描いており、
東近美の菱田春草展ではこれらが勢揃いします。
(永青文庫の「黒き猫」は後期展示なので要注意)
日本画というと少し堅苦しくて難しそうだと感じる方も多いかもしれませんが、
春草の黒猫ちゃんは日本画入門にぴったりかもしれません。
このほか、展覧会では重要文化財の「王昭君」「賢首菩薩」「落葉」や、
回顧展初公開の作品など100点あまりの作品が集まります。
東京美術学校時代の初期作品から、
36歳という若さで亡くなるまでの画業を振り返る一大回顧展。
会期は11月3日(月・祝)まで、10月15日からは後期展示に切り替わります。
永青文庫の黒猫を見に、ぼくも後期にもう一度足を運ぶ予定です。
さて、東京国立近代美術館は職場の近くなので
勝手知ったる何とやら、定期券で気軽に行けるのですが、
今回は涼しくなってきたこともあってロードバイクで行ってみました。
片道40分くらいといったところでしょうか。
鑑賞後は皇居沿いを2周ほどのんびり走って、
なんだかとても充実した一日になりました。
この感じなら、都心の美術館は晴れてさえいればロードバイクで行けそうです。
とはいえ、普通の服装でリュックサック背負ってなので、
美術館に到着したときは背中の汗がすごいことになってましたが(笑)。
今日も明日もがんばろう。
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