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足立区綾瀬美術館 annex

東京近郊の美術館・展覧会を紹介してます。 絵画作品にときどき文学や音楽、映画などもからめて。

ボッティチェリ「パラスとケンタウロス」

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わけもなく、
「ごめんなさい!」と口走りそうになる一枚です。


ボッティチェリ「パラスとケンタウロス」
Pallas and the Centaur(1480-85)
Sandro Botticelli




サンドロ・ボッティチェリ「パラスとケンタウロス」。
斧のついた大槍を左手に持ち、蔑むような表情で
ケンタウロスの髪の毛をわしづかみにしているのは、学問の女神パラス。
ギリシア神話のパラス・アテナ、
またはローマ神話におけるミネルヴァと言った方が分かりやすいかもしれません。
半人半獣のケンタウロスは暴力や肉欲の象徴であり、
勝利と平和をあらわすオリーブを体に巻き付けた処女神が
愚かな獣性を戒める、というもの。


なので、やはり男性諸氏は「ひぃ、ごめんなさい」となるんですが
よくよく見ればこの2人、どちらも少し嬉しそうに感じてしまうのはぼくだけでしょうか。
パラスはキリッとした表情のなかに快感恍惚が垣間見えますし
ケンタウロスも情けなく顔を歪めているものの、
「もっときつくお願いします!」という心の叫びが聞こえてきそうで(笑)
できる女性に叱られたいというマゾゴコロを刺激されるような
……あぁ、何言ってるんでしょうね。いかんいかん。
ちなみにこの作品は女性または花嫁の貞潔に結びつくということで
結婚に際しての贈りものとして描かれたという話もあるそうです。
それはそれですごいなぁ、と。


今回ご紹介したボッティチェリの「パラスとケンタウロス」は、
東京都美術館の「ウフィツィ美術館展」で見ることができます。
ルネサンスの中心都市フィレンツェで活躍した
15世〜16世紀の芸術家達の作品を集めたもので、
ボッティチェリをはじめブロンヅィーノ、ギルランダイオ、
リッピ、ペルジーノ、ヴァザーリなど錚々たる顔ぶれ。
華やかなりしルネサンスの真髄に触れられる展覧会です。
会期は12月14日まで。
リッピを思わせる、ボッティチェリの聖母子像も要チェックです。


ボッティチェリ「聖母子と天使」
Madonna and Child with an Angel(c.1465)
Sandro Botticelli






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