鈴木其一「芒野図屏風」
山種美術館の「輝ける金と銀」、
会期終了直前の滑り込みセーフで鑑賞してまいりました。
Eulalias(19th century)
Suzuki Kiitsu
こちらは鈴木其一「芒野図屏風」。
金よりも銀を好んだ其一らしく、
銀地の屏風には群生する芒が描かれ、
そのうえに秋の夜霧が流れるようにかかっています。
画像では伝わりにくいのですが、
銀地だけに角度によって見え方が変わり、
霧にぬれた芒が月光をうけて静かに輝いているような——
とても幻想的な作品でした。
「秋の夜の 霧立ちわたり おほほしく 夢にぞ見つる 妹が姿を」
こんな気持ちで眺めておりました。
展覧会では「金」「銀」にちなんだ作品をまとめており、
川端龍子の「草の実」や速水御舟「名樹散椿」、
酒井抱一「秋草鶉図」あたりが見どころでしょうか。
川端龍子の弟子にあたる、牧進の「春颯」も素晴らしかったです。
いずれもきらびやかではあるけど仰々しくはなく、
金や銀の表情をたくみに引き出していて、
日本画の真髄を見る思いでした。
残念ながらこの展覧会は本日までで、
来週からは「東山魁夷と日本の四季」が始まります。
こちらも必見でありますよ♪
今日も明日もがんばろう。
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