岡鹿之助「雪の発電所」
年末ですね。
今夜から埼玉の実家に帰るので、
今年はこれが最後の更新となります。
いろいろ考えて、岡鹿之助の「雪の発電所」という作品にしてみました。
Power Plant in the Snow(1956)
Oka Shikanosuke
描かれているのは、画家が実際に目にした風景だそうです。
春の雪のようにしっとりしすぎて情緒的な甘さではなく、
むしろ非人情なくらいさらさらとした雪原が広がり、
そこに人懐かしさを感じさせてなお典雅な、
フランスのシャトー風の建物がある……といった、
日本では現実には叶えられそうにない雪の風景(田中穣「生きる 描く 愛する」より)。
志賀高原の奥深くで、自身が夢見ていた光景と
まったく違わぬ景色が広がっていたことに画家は驚きを隠せなかったそうです。
人気のない裏寂れた雪原にも、確かな営みがある。
ため息さえもかき消されそうな寒さのなかで
粛々と、慎み深く働く人たちがいるのでしょう。
今年一年、自分の仕事に疑問を感じることがしばしばあって
そのたびに違う生き方ができたらなんてつらつら考えたりして。
来年はどんな年になるだろう。
どんな生き方を選ぶにせよ、
心静かに暮らしていけたらと、そんなふうに思います。
……あれですね、ちょっとしんみりしてしまった。
まぁこんな感じで、来年もがんばっていきたいと思います。
ホイッスラー展やミレー展の紹介記事もまだ書いてないし、
もっといい報告ができるように。
それでは皆さま、よいお年を!
今日も明日もがんばろう。
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