尾形光琳「菊図屏風」
昨年10月、箱根にオープンした岡田美術館。
近世・近代の日本画、浮世絵を筆頭に東洋の名品を収蔵する美術館で
そのコレクションの中核を成すのが、琳派作品なんだそうです。
箱根に行く機会があったら立ち寄りたいと思いつつ、なかなか機会がなくて……。
そんな中、日本橋三越で「岡田美術館所蔵 琳派名品展」という嬉しい展覧会が!
いつものごとく会期終了ギリギリ前日で見てまいりました。
こちらは尾形光琳「菊図屏風」。
琳派ならではの金箔地に、胡粉で立体感を出した菊の大輪が咲き乱れています。
茎や葉は緑青と墨の2色で描き分けられ、
抑制された色数でリズム感や遠近感が見事にあらわされています。
菊の花の裏側まで描いていたり、雲霞も特徴的。
光琳屏風の真骨頂といったところでしょうか。
展覧会では琳派の祖である本阿弥光悦・俵屋宗達にはじまり、
琳派の大成者である尾形光琳・乾山の兄弟、
その系譜を江戸で花開かせた酒井抱一・鈴木其一、
そして神坂雪佳から加山又造まで、琳派に影響を受けた近代日本画といった形で
琳派400年の節目にふさわしい、総括的な内容でした。
作品の質は全体的に少し物足りないような気もしましたが、
都内で岡田コレクションを見られただけでも良しとしましょう。
個人的には工芸品に出色のものが多かったように感じて、
光琳の螺鈿のトンボなんてラリックもびっくりなインパクトで。
乾山の香合も素晴らしかったけど……中身を見せてほしかったなぁ。
写真で見たかぎり、表側より中のデザインのほうが良かったので(笑)
会期は2月2日(月)まで、最終日なので午後5時まで、要注意です。
光琳蒔絵「蜻蛉蒔絵螺鈿合子」
今日も明日もがんばろう。
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