ギュスターヴ・モロー「化粧」
日本橋のブリヂストン美術館が、
5月18日から新築工事のため数年にわたり休館するそうです。
60年以上の歴史をいったん締めくくるにあたり、
先月末から開催されているのがコレクション展「ベスト・オブ・ザ・ベスト」。
文字通り、同館が誇る名品の数々がドドーンと展示されております。
The Toilette(1885-90)
Gustave Moreau
ブリヂストン美術館の作品で何が一番好きか…となるとなかなか難しくて
ドニの「バッカス祭」やルオーの「郊外のキリスト」や、
ザオ・ウーキーもいいし岡鹿之助も捨てがたい。
と迷いに迷ってしまうのですが、
今日見に行って、あぁやっぱりこれが好きなんだなと思うに至りました。
ギュスターヴ・モロー「化粧」。
水彩とグワッシュによる、実にモローらしい退廃的オリエンタリズム。
その艶かしさも、衣装のあでやかさも、
他に追随するものはないと言い切っていいと思います。
ぼくの美術鑑賞歴はせいぜい6、7年くらいのものなんですが、
その初めのころに夢中になったのがモローでした。
「世紀末美術」「幻想美術」といった書籍の仰々しい括りのなかで
モローの作品は一際妖しく輝いていて、
ブリヂストン美術館の「化粧」もまた、期待に違わぬ出来栄えで。
触れたら最後、人生を狂わされそうなあだっぽい表情に
純朴な好青年であった自分は惹かれてしまったのですねぇ(笑)
そしてモローの高潔な人柄を知るにつれて、
いっそう彼の作品が好きになっていったのです。
彼の作品とじっくり向き合う機会を与えてくれたブリヂストン美術館には
感謝の言葉しかありません。
今回の展覧会を見て、モローの「化粧」をはじめとする名品群に触れて、
ブリヂストン美術館に当分通えなくなってしまうのは寂しいものだと切に感じました。
展覧会は5月までやってるので後1回は行きたいと思っています。
大好きな絵の数々を、しっかりこの目に焼き付けておかないとね。
今日も明日もがんばろう。
- 関連記事
-
- ギュスターヴ・モロー「化粧」
- モロー「ヘロデの前で踊るサロメ」
- モロー「パルクと死の天使」
- モロー「ピエタ」
- モロー「岩の上のサッフォー」
- モロー「旅する天使」
- モロー「自画像」と遺書